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キーマンに聞く

2人らしさをテーマに落とし込む【ampersand By LAGUNAVEIL ATELIER (オンザページ)ウエディングプランナー 佐藤 彩香氏】
リクルート主催の『GOOD WEDDING AWARD2026(以下GWA)』で、グランプリを受賞したampersand By LAGUNAVEIL ATELIER(オンザページ/東京都中央区)のウエディングプランナー・佐藤彩香氏。列席経験のない新郎新婦も増加する中で、どのように打合せを進めているのか。2人らしさを落とし込んだテーマ、表面的な希望の裏にある実施理由のヒアリングなど、日々の接客で大切にしているポイントを聞いた。
テーマは誰でも見つけられる
――「新郎新婦のニーズが多様化している」と言われる中で、現場に立ち続ける佐藤さんから見た印象は。
佐藤「少し前までは、プレ花嫁同士インスタで情報収集し合い、中にはコラージュを作って持参するなど、熱心に希望を伝えてくる新婦は多かったかと。一方ここ2、3年で増えたのは、参列経験のない人たちです。こうした『式のイメージがわかない』新郎新婦には、準備をどう進めていくかを最初に分かりやすく伝えると同時に、テーマウエディングの説明もしておきます。テーマと聞くと壮大なものを想像する新郎新婦もいますが、私自身の過去に担当した事例を紹介することで、誰でも見つけられるものだとハードルを下げておくのもポイント。軸が1つあれば統一感も出せますし、迷った時にはどの方向性でいくかを決めやすくなりますから。1回目の打合せでテーマを決める新郎新婦もいる一方、そもそも参列経験がないと結婚式のイメージ自体薄いので、情報を伝えた後にあえて持ち帰ってもらい、2人で考える宿題にすることも多いです。中には、『恥ずかしいから別に決めなくていい』と最初は躊躇う人もいますが、私の考えるテーマは『2人らしさ』。どんな些細なことでもいいので、私との打合せで得たヒントをベースに、『自分たちらしい結婚式だったね』と言えるものを見つけてほしい。2人で考える過程に、大きな意味があると思っています。」
――結婚式のテーマは、ゲストにも伝えるようにしています。
佐藤「ペーパーアイテムなどに入れ込むのはもちろん、個人的なこだわりは、ウェルカムスピーチで新郎新婦本人から伝えること。テーマを軸にアイテム、空間装飾を決めていくと、会場に入った瞬間からゲストも統一感を味わえます。そのうえで、今日のテーマとそこに至った理由、それを踏まえて今日どんな1日をゲストと過ごしたいのかを2人から伝える。司会者から話してもらうのもいいとは思うものの、『聞き逃してしまった』という可能性もあるので、2人の口から直接伝えることを提案しています。ゲストもきちんと理解することで、パーティーに没入できるようになります。」
頭の中を整理してもらう
――なぜその演出なのか、理由のヒアリングを徹底しているそうですね。
佐藤「言われるがままに希望を全部詰め込んでいくと、いわゆる“カオス”の状態になりかねません。その演出に興味を持っている理由を紐解き、頭を整理してもらう機会を作るのも、プランナーの務めと感じます。トレンド感から選んだ演出の場合でも、ヒアリングをしてみると『1人で来るゲストが複数いるから、寂しくならないような時間を作りたかった』、『中座の時に退屈してほしくない』といった明確な背景があることも多いです。理由を確認したうえで希望の演出が合えばいいですし、代替案を出した方がいいこともありますから、そこは腕の見せ所。実際にあるカップルの希望演出は、『乾杯後にテーブルラウンドを入れたい』でした。理由をヒアリングしたところ、『1着目の衣裳でみんなと乾杯したかった』という気持ちが、根底にちゃんとあったわけです。その希望は分かる一方、各卓を回るとなると乾杯以降新郎新婦はメインテーブルにおらず、ゲストとしてもなかなか写真を撮れない状態に。そこで、ゲストとグラスを一気に交わしていき、終わり次第メインテーブルに戻る流れを提案。ゲスト目線も踏まえて考え、2人の根底にある希望も叶えるアイデアです。」
“面倒くさい”を考える必要性
――GWAで発表した結婚式では、準備に前向きになれない新郎と対話を重ねるなどして、念願のグランプリを獲得しました。
佐藤「GWAが全てではないと思うものの、私にとっては憧れの舞台でした。初めてファイナリストになった時に感じたのは、横の繋がりの大きさ。発表後の懇親会は刺激に溢れていて、歴代登壇者はとにかくエネルギッシュで、結婚式が大好きという人たちでした。残念ながら、『結婚式をやりたい』との声が減っているのも事実ですから、『結婚式のスタイルは様々あっていい』と、伝えていく必要性を強く感じています。そのうえで、2人の希望する演出を単に組むだけではなく、疑問を持つなど、あえて“面倒くさい”方向に持っていけるかどうか。2人らしい結婚式を創り、『やってよかった』と思ってもらえるプロデュース力こそ、今求められていると感じます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、11月1日号)

