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高価格維持の鉄則は値引きに一線を画す【ブラス 代表取締役社長 河合達明氏×東京會舘 常務取締役営業本部長 星野昌宏氏】

高価格維持の鉄則は値引きに一線を画す【ブラス 代表取締役社長 河合達明氏×東京會舘 常務取締役営業本部長 星野昌宏氏】

 新春号に引き続き、ブラス(名古屋市中村区)の河合達明社長、東京會舘(東京都千代田区)の星野昌宏常務の対談。業績が好調に推移する両社は、施行力の追求、自社ブランドへのこだわりという共通点がある一方で、結婚式のスタイルは大きく異なる。しかしながら、そのスタイルをしっかりと維持しながら守り続けているからこそ際立ってくる。集客も含めた、際立つために大切なこととは。

飲食業と同じ複合技

――集客状況に関してはいかがでしょうか。

星野「私は開業時に、首都圏の多くの寺社を回りました。また大きな宴会をしてくれる企業にも、直接役員を訪問して、社員の結婚式の時には東京會舘でとお願いしてきました。大切なのは、人を呼ぶことにどれだけ努力をできるか。来館をするまでには、様々なきっかけがあると思います。ただコンバージョンとしてゼクシィなのかゼクシィではないのかということだけに捉われると、間違えてしまうのではないか。口コミに関しても、当社の場合にはサイトやSNSよりも、会社内・大学の友達同士の言葉の方が重視されています。もちろん口コミが悪いとネガティブになりコンバージョンしないことも踏まえて、粗相をして悪い口コミが増えないように全力をささげることは必要ですが。」

河合「全部合わせてという点では、飲食業と一緒ですよね。いいサービスをして、喜んでもらって、また来てもらうという実に単純な話で複合技です。理想としては口コミで良かったとなり、ブラスでやりたいですという人が来て、では打合せをしましょう。実際にはその理想には遠いのも事実。結婚式は、評判も列席体験もメディアも含めた複合技が必要なわけです。」

星野「複合技については、まさにそう思っています。ただテクニカルな話よりも、施行クオリティにもっとこだわった方が来館も良くなる気はします。」

河合「結婚式業界の勝ちパターンというのがあって、ここ何十年かはゼクシィに大きく広告を打って、来館を大量に集める。何十ページと出稿すればこれだけ来るという状況では、戦略もないわけで、その意味では単純なゲームを続けているのがこの業界だと思います。ただ日本は広いからこそ、地方によって様々なのも事実。大都市の勝ちパターンとして、ゼクシィに頼る方法があっても、ちょっと離れた地域では少しの出稿でも集められることができます。結婚式の集客は割り算であって、40万人住んでる都市で式場が3 つであれば、大体の数値は弾きだせる。集客が複合技というのは、そういう面もあります。」

星野「その意味では、郊外に展開しているブラスの場合は、評判がそのまま次の顧客を生みやすい面もあるのでしょうか。」河合「当社は田舎の方が得意なんです(笑)。ワンチャペルワンバンケットは、投資のかかる都心部には作れませんから、あえて田舎戦略でいってます。」

星野「当社では、毎年結婚式で60億円を売上げるために1000件以上を施行する。そうすると1.5億円程度の広告費をかけても、比率は数%前半。これを維持しながら、あとは自分たちで汗をかいて訪問し、優先して来てくれる人を増やしています。5 年経つと口コミも溜まってきて、より顧客が来るようになってきて、その中でも多いのは、知人友人の紹介と列席経験です。私が新規接客をしている感覚でいくと、半分以上ですから。河合社長の言われるように、ゼクシィに出稿するというのも最低限必要ですが、それだけでなく自分たちで努力をしていけば、じわじわと顧客が来てくれるようになってきて、そこをどれだけ伸ばしていけるのかを今は重視しています。その点では、大都市型の新しいやり方の一つではないかと思っています。」

河合「すごくいい戦略です。大切なのは、そうした戦略をきちんと描いて推進できる人がいるかどうかというところですね。大抵は出来ないわけです。」

詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月21日号)