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キーマンに聞く

連載3:《会場の業績アップ事例》【定番】にも十分すぎる価値はある【ニューバリューフロンティア 執行役員 森房 知史氏】
これまで本連載で、ポジショニングの明確化を軸とした戦略立案の重要性を伝えてきました。今回はその前提に立ったうえで、私自身が最近強く感じている“違和感”について触れたいと思います。
SNS時代の影響か、今や全国の会場で“似たような世界観”が量産されています。「ナチュラル&ガーデン」、「フォトジェニック」、「緑に囲まれた世界」、「シンプルで洗練されたビジュアル」。確かに美しく、一定の顧客には刺さる一方で、どこか“既視感”を覚えてしまうことも少なくありません。さらに多くの会場では、同エリア内で存在感のある“リーダー会場”の打ち出しを意識するあまり、自らの魅力やカラーを見失い、同系色のフォロワー的ポジションに留まってしまっています。本来そのような会場ほど「思い切って違う方向性にチャレンジしてみる」判断も必要ではないでしょうか。
また最近では、ケーキ入刀やファーストバイト、ブーケトス、キャンドルサービスといった“定番演出”への否定的な声も見かけます。こうした定番を、「古い」「ダサい」と一括りにしてしまう風潮には疑問を感じています。それぞれの演出には本来、意味があります。ケーキ入刀は「初めての共同作業」として、ブーケトスは「幸せのお裾分け」。その背景やストーリーをきちんと伝えれば、そこに共感し、価値を感じるカップルは必ず存在します。
大切なのは、「定番=是か非か」で語るのではなく、その演出が新郎新婦様やゲストにとって“楽しい”“嬉しい”と感じられるかどうかという視点です。結婚式とは誰かにとっての特別な一日であり、その時間が最上級の喜びや感動につながるならば、たとえ“定番”と呼ばれるものであっても、十分すぎる価値があるのです。
今、ゲストハウスや専門式場では“ナチュラル”一辺倒、ホテルでは“格式×安心”や“眺望”一辺倒の訴求が目立っていますが、地域における自会場の“勝ち筋”を見極め、あえて王道や定番を“紡ぐ”という選択肢があってもよいのではないでしょうか。私たちのやるべきは、何を“価値”と定め、どう“勝ち”にいくかを明確にする。そのうえで、必要な武器──写真・動画素材、接客台本、説明ツールなどを整え、接客現場で“体現”していくことです。弊社では、自会場の強み出しから戦略立案、撮影、集客、成約支援まで一貫してサポートしています。
≪今回のワンポイント≫
『“脱定番”ではなく“紡ぐ定番”──伝統を価値に変える発想と、チャレンジする勇気が次の勝ち筋になる。』
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月21日号)

