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連載21《当日施行力を向上させる》備品のクオリティにもこだわり差別化を図る【at-heart 代表取締役 稲岡利彦氏】
サービスには、グラス、シルバーといった備品の管理も含まれます。きちんと磨き上げているかどうかで印象は大きく変わりますし、式場よってかなり違いもあります。基礎となるおもてなしの文化や品質が問われています。
単に磨けば良いというものではありません。スチュワードという専門職が、メンテナンスのサイクルをきちんと組んでいるこだわりの式場では、保存状態も良く、適切に管理されています。
グラスの場合、洗浄のリンスの量などで状態が左右されます。油汚れのお皿と一緒に洗ってしまえば、当然白く曇ってしまう。曇りの原因が経年劣化なのか、洗浄方法の問題なのかによって対処法も異なります。グラスとシルバーは本来、他の皿とは分けて洗浄すべきですが、こうした細かい作業を行っていないと品質に支障をきたします。
専門のスチュワードが担当していれば防げるものの、実際には洗浄作業の担当はアルバイトというケースも少なくありません。その場合には、きちんとしたマニュアルやレクチャーがなければ、質はどんどん低下します。また備品のチェックは本来、支配人やマネージャーの役割で、さらにサービスアルバイトに最初に教えるべき基本。それを実施していない現場では、平気で曇ったグラス、シルバーを出してしまいます。曇っていても「仕方ない」と放置し、洗い直しもしません。
グラスやシルバーに細かな傷がついてしまえば、劣化であるため交換をする必要があります。ところが、足りなくなることを恐れて在庫のままにし、結果傷のついたものをそのまま提供してしまう。数さえ揃っていれば良いという発想になりがちで、それではクオリティは保てません。
披露宴の準備としては、クロス一枚であってもきちんとクリーニングをし、皺を伸ばしているか。アンダークロスとトップクロスをかけ、ブラッシングするだけできちんと整えられるものを、一手間を省いてしまって皺だらけという状況もよく見ます。クリーニング済みのクロスでも、折り目を残さないようにアイロンやスチーマーで伸ばすという工程を徹底しているホテルもあり、そこから受ける印象の差は一目瞭然です。
かつては普通に行っていたサービス技術や文化が徐々に失われつつあるからこそ、今一度そこを追求していく意識も必要だと考えます。例えばデザートのタイミングの、テーブル上のパンくずの除去(クラムサービス)。以前は多人数の会場でも普通に行われていましたが、現在はどんどん簡略化も進んで、実施する式場も少数になっています。だからこそそこで、サービスの質の差別化を図っていくことも大切でしょう。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月11日号)

