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連載11《今こそ基本に立ち返る 地方施設のプッシュ型集客》求められる集客全体の情報マネジメント【ティール 代表取締役 工藤 慎也氏】

連載11《今こそ基本に立ち返る 地方施設のプッシュ型集客》求められる集客全体の情報マネジメント【ティール 代表取締役 工藤 慎也氏】

前回、ゼクシィnetのリニューアル以降に集客力の低下が見られる中、ゼクシィ本誌を含めたチャネル全体の最適設計の必要性をお伝えしました。今回は、ゼクシィ以外のメディアやエージェントに視野を広げ、「情報マネジメント」という観点から集客環境の変化を整理してみたいと思います。
今春以降、主要ポータルメディアの来館特典が成約特典へと変更され、10万円を超えていた集客インセンティブは7万円台まで縮小されました。この変更によって、ゼクシィ内で完結していたカップルが比較検討の過程で自社HPや各メディアに「あふれ出る」ようなケースも増えてきています。
従来の主流は「ゼクシィ×HP」「ゼクシィ×SNS」といった往復運動でした。現在は他ポータルサイトやエージェントも視野に入れた並行閲覧に。そのため各メディアで掲載されている写真、プラン、特典内容などのズレが、結果的に集客の足を引っ張る要因になっているケースも少なくありません。メディア単体の完成度より、横断的な整合性が問われています。
この整合性を保つための情報管理や更新作業は、マーケティング業務の中でも特に地道で手間のかかる部分です。特に中小規模の会場では、プランナーの担当ということも多く、情報更新は滞る傾向にあります。不十分な掲載情報の管理は、比較検討の段階で信頼を損ね、来館には至らないという事態も起こりやすくなります。こうした構造を理解しないまま、HP予約が増えた背景を「WEB広告が当たった」「SNS施策が成功した」と誤認してしまうことで、本来行うべき地道な情報の整備、すなわち「クリーニングと手入れ」は放置され続けてしまうのです。
もうひとつ、ゼクシィ以外のチャネルとして注目したいのは「エージェント」。店舗型エージェントは地方では展開や認知も限定的ですが、式場を決めかねている層に対するアプローチ手段として、一定のポテンシャルを持っています。実際に、担当者との関係性構築、施設案内会の実施などを通じて成果を上げている事例もあります。
近年では会場自らWEB型エージェントを展開するケースも増え、固定費を抑えつつ効率的に新規層を獲得している動きも見られます。特徴的なのは、こうしたWEBエージェントが「別ブランド」での展開を可能にしている点。フォト婚・格安婚・カジュアル婚といったテーマで訴求し、「高いと思われている」という自社会場ブランドを迂回して新たな接点を生み出しています。
集客チャネルは単体で成果を出すのではなく、全体でどう機能させるかが重要になってきています。情報更新や整合性を担保しながら、成果を最大化させる取り組みが求められています。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月11日号)