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連載115:「経過措置」に沿った報酬減額に関する合意の見直しを【株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏】
「ブライダル産業フェア2026」では多くの事業者の皆様とお会いすることができて、とても有意義な時間を過ごせました。心から御礼申し上げます。さて、今回のコラムでは、インボイス制度の「経過措置」が変更されたことを受け、特に「フリーランス等の発注する側」の事業者が急いで講ずべき対応についてQ&A形式で解説します。
Q.令和8 年度税制改正によってインボイス制度の「経過措置」が変更されたとのこと。詳しく教えてください。
A.インボイス制度導入以降、インボイス登録をしていない事業者に対して発注した場合には、報酬を支払う際に負担した消費税分は「仕入れ税額控除の対象とならない」(=納税する消費税額から減額することができない)のが原則なのですが、制度導入時に国は下記のような経過措置を設け、一部だけは仕入れ税額控除の対象としてきました。
【以前の経過措置】
8年9月末日~ 8割は控除できる
8年10月1日~11年9月末日 5割は控除できる
11年10月1日~ 控除はできない
※年数は「令和」
Q.はい、確かに。この経過措置を受けて、インボイス登録をしていないフリーランス等に発注している事業者を中心に、インボイス登録がなされていないことで自らの消費税の納税負担が増えてしまう分(例: 8年9 月末日までは2 割)だけ、「報酬額を一部減額する合意」をしたケースが多いと認識しています。
A.しかし、このたびこの「経過措置」が下記の通り変更されました。
【新しい経過措置】
8年9月末日~ 8割は控除できる
8年10月1日~10年9月末日 7割は控除できる
10年10月1日~12年9月末日 5割は控除できる
12年10月1日~13年9月末日 3割は控除できる
13年10月1日~ 控除はできない
※年数は「令和
」Q.「経過措置」の対象期間が延びて、控除できる割合も増えた事で影響が生じますか?A.先程話題に出たように「経過措置」に即して報酬額を一部減額する合意をしていた場合において、その合意のままだと発注側が「消費税負担の増額分を超えて報酬を下げる」ことになってしまいます。簡単に言うと、新しい「経過措置」の水準よりも発注側が得をすることになってしまうということです。
Q.それは受注する側のフリーランス等の皆様には不利な話ですが、逆に発注側の事業者としては合意をそのままにしていた方が得ですよね?
A.インボイス制度導入時から公正取引委員会等では「消費税負担の増額分を超えて報酬を下げる」ことは取適法(当時は「下請法」)やフリーランス保護法に違反するおそれがあると啓発し、実際に違反事例には勧告処分等を課しています。したがって今般、「経過措置」が変更されたのにも関わらず過去の合意をそのまま維持するという選択肢は、発注側の事業者には法的なリスクが生じると言えるでしょう。また、これまで報酬の一部減額について合意をしていなかった発注側の事業者も、控除率が変わるこのタイミングで新しい「経過措置」に沿って報酬の一部減額について検討してもよいかもしれません。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月11日号)

