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連載10《集客力を高める SNS・フェア攻略法》フェアで来館者の心を動かす「五感設計」の発想【ウィーブ 事業運営本部本部長 太田 大資氏】

連載10《集客力を高める SNS・フェア攻略法》フェアで来館者の心を動かす「五感設計」の発想【ウィーブ 事業運営本部本部長 太田 大資氏】

Instagramで心を動かされたプレ花嫁が、ついに式場のブライダルフェアに足を運んでくれました。しかし、ここで終わりではありません。むしろ、本当の勝負はここから始まります。成約に繋がるかどうか。
多くの式場が、ブライダルフェアを「施設の説明会」として設計しています。プランナーは会場を案内し、料金プランを説明、当日の流れを伝えていきます。情報としては正確で誠実なのですが、来館者の「感情」に対して何もしていない、という点は大きな落とし穴で、実はそこに工夫の余地があります。
人間が何かを選ぶとき、その意思決定の大部分は「感情」によって動いています。「ここで式を挙げたい」という確信は、論理ではなく体感から生まれるものです。だとすれば、フェアで提供すべきは「情報」ではなく「体感」であり、「説明」ではなく「疑似体験」でなければなりません。
そこで重要になるのは、「五感設計」という考え方です。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚のすべてを意図的に設計し、来館者が「この空間で結婚式を挙げる自分」を脳の中でリアルに想像できる状態を作り出す。これこそがフェア体験設計の核心です。
たとえば視覚では、実際の挙式で使われる装花やテーブルセッティングをそのまま再現することによって、来館者はパンフレットの写真ではなく「本物の空間」を目にできます。聴覚では、フェアの時間帯に実際の挙式で流れるBGMをさりげなく流すだけで、場の空気感は劇的に変わります。嗅覚に至っては、生花の香りはもちろんのこと、厨房から漂う料理の香りなど、無意識のうちに「ここは特別な場所だ」という印象を刻み込みます。
試食は多くの式場で行われていますが、「ただ食べてもらう」だけでは不十分です。「今日、皆様にお召し上がりいただいているこの料理は、実際の挙式当日の一品目として提供しているものです」という一言があるかないかで、来館者の受け取り方はまったく変わります。体験に「文脈」を与えることが、五感設計の技術といえます。
さらに触覚の観点では、ドレスの質感や、ブーケの重さを実際に手に取って確かめてもらうことをすれば、「具体性」が生まれます。漠然とした「いい式場だな」という印象についても、「うちの結婚式でこれを使おう」という具体的なイメージに変わってきます。そのイメージの鮮明さが高まることで、成約への距離を縮めていきます。
Instagramで感動を届け、プロフィールで安心を伝え、オファーで動機を作り、LPで予約を完了させた来館者は、すでに式場への好意を持った状態でフェアに来ています。その好意を「確信」に変えることが出来るかは、五感を通じた体感の力です。写真や動画だけでは届けられない、その場にいなければ分からない感動を、フェアという時間の中で丁寧に届けてください。来館者の感情が動いた瞬間、成約はその延長線上に自然と現れます。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月11日号)