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線引きと自浄作用が必要【ブラス 代表取締役社長 河合達明氏】

線引きと自浄作用が必要【ブラス 代表取締役社長 河合達明氏】

 ブラス(名古屋市中村区)は、前期(7月決算)に引き続き今期も過去最高の施行組数を見込んでいる。ワンチャペルワンバンケットで一日2回転、新規から当日までの一貫性にこだわった運営スタイルは、結婚式の本質であるサービス向上を実現するために、創業時から河合達明社長が大切にしてきた部分だ。ブライダル業界が大きく変化する中で、本質をさらに磨き上げていく重要性を語ると共に、現在の業界の常識に大きな危機感も抱いている。

今年も過去最高の計画

――昨年の好調に引き続き、今年前半も過去最高予想の計画通りに推移しています。

河合「5 月8 日にコロナが5類に移行して、普通に結婚式をできるようになったのは嬉しい出来事です。今はほぼほぼ、顧客も現場スタッフもマスクなしで普通にやれるようになっているのは、一番大きいと思います。単価に関しても、割引をせずに対応することで、コロナ前の水準になっています。」

――コロナ禍は、ブライダルマーケットの変化に対する大きなターニングポイントになったとも言えます。徐々に変わってきたことが、一気に加速していますから。

河合「コロナによって、多様化は一気に進みました。その一つが、少人数婚。それまでもありましたが、表立ってユーザーの選択肢にはなっていなかった。ところが、少人数婚の言葉が一般化したことで、これから結婚する人たちの意識も変えていると思っています。もう一つはフォト婚。大きな流れの中で、韓国や中国の写真を好きだという若い人も増えています。リゾートでフォトを撮影し、その後に普通に披露宴をやるという人もいますので、悪いことばかりではありませんが。」

――結婚式提供企業としては、どのように価値の定義づけをしていくかはさらに大切になっていると考えられます。

河合「私がこれまで言ってることは全て一緒で、サービス業の基本は何ですか?ということ。結婚式は広い意味での飲食業。レストランを考えれば、美味しい料理、美味しい飲み物、いいサービス、快適な空間を提供し、顧客にまた来てくださいというのがサービスの基本です。結婚式も全く一緒で、本来は美味しい料理、いいサービス、いい結婚式を提供していく以外に道はないと思います。それがど真ん中ですね。」

河合「SNSやWEB、口コミなどのテクニカルなことは、本質であるいい商品に付随してくるものでしかない。つまり、テクニカルなことばかりを進めても、それは本質ではないということ。これはどの商売も同じだと思いますよ。結婚式を実施しないという課題を解決するには、業界全体として良いものを創ろうという機運を高めていくしかないでしょう。こんなに素晴らしい日だから、いいものを創る工夫、努力、そして予算、トータルで力を注ぐべきです。」

――本質の部分に切り込むという点では、ブラスはこれまで徹底してきた文化があります。

河合「ただ、当社のやり方が全てではないのも当然のこと。例えば先日、他社で行われた結婚式に出ましたが、配膳スタッフやアルバイトが働いていて、ある意味でサービスの徹底を感じました。当社は現場にキャプテンの存在はなく、担当プランナーが全てを仕切る方式で、私はこの方法がベストだと思っています。とは言え、マイナスポイントもあります。当社は一貫性で担当できるのが月に数件に対し、毎日毎日披露宴を仕切っている会場キャプテンとは経験の蓄積も異なる。また担当プランナーに対しては、新郎新婦に確認などをせずに2 人に成り代わって当日の対応を決めるよう指導していて、それだけ重い責任を持たせています。必然的にその部分に一生懸命となり、料理を出す・引くタイミング、配膳の細かな気配りなどは会場キャプテンほどできているかと言ったら難しい面も出てきます。私自身は当社の方法は正しいと思っていますが、それぞれの会社の方法も決して間違いではなく、だからこそそれぞれで自分たちのやり方を徹底していくということが大切でしょう。当社とは真反対で徹底している会社は凄いと思いますし、その点では、中途半端が一番問題ではないかと。多様化の今こそ、それぞれの特性を活かした結婚式を徹底していくべきで、サービスとはそういうものです。」

詳細はブライダル産業新聞紙面にて、8月1、11日号)