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第4回 ー誰もがハイパフォーマーにー ブライダルAI活用のメリット≪マニュアルの動的進化 自己流を資産に変える≫【TIPLOG 代表取締役CEO 高津守氏】

第4回 ー誰もがハイパフォーマーにー ブライダルAI活用のメリット≪マニュアルの動的進化 自己流を資産に変える≫【TIPLOG 代表取締役CEO 高津守氏】

多くの結婚式場には、過去の成功体験に基づいて作られた立派なマニュアルが存在します。しかしSNSで膨大な情報を事前に集め、タイパやコスパ、そして「自分たちらしさ」をシビアに追求する現代の顧客に対し、古いマニュアル通りの押し売り型トークは完全に逆効果となります。
結果として、現場ではマニュアルは形骸化し、プランナーたちは生き残るために独自の「自己流トーク」に走り出します。マネジメント側はこれを「スクリプトからの逸脱=悪」と捉え、元の型に戻そうとしがちですが、優秀なプランナーの自己流トークの中には、単なる手抜きではなく、最前線で顧客と向き合う中で掴み取った「現代の顧客ニーズに刺さる最新の勝ちパターン」が隠されていることは少なくありません。
音声解析AI「Phonoscape」を導入したある式場の、事例を紹介します。その会場では、長年使われていた新規営業スクリプトの成約率が全社的に落ち込んでいました。そこで AIを用いて全商談データを網羅的に解析したところ、成約率を維持している一握りのトッププランナーたちは、公式スクリプトから「あえて逸脱している」ことが判明しました。
プランナーたちの会話ログを深く分析すると、従来の「会場のハード面の魅力をアピールするトーク」を大幅に削り、代わりに「結婚式を挙げることへの親の想いを紐解くカウンセリング」に全体の3 割以上の時間を割いていました。当のエースたちも「無意識に、最近のお客様に合わせて話し方を変えていた」というレベルの微修正で、AIは見事にその『逸脱の規則性』を検知しました。
経営陣は、このエースたちの「自己流」を「最新の市場ニーズ」として捉えました。古いマニュアルを即座にブラッシュアップし、エースのトークアプローチを反映した「マニュアル2.0」へとリアルタイムでアップデートしたのです。この新たな勝ちパターンを組織の共通言語として新人にトレースさせたところ、それまで成約率が伸び悩んでいたメンバーの業績は底上げされました。
トッププランナー個人のスキルに売上を完全に依存する「属人化経営」は、エースが離職や休職をした瞬間に、式場の経営基盤そのものが揺らいでしまいます。真の接客DXとは、エースのセンスを組織の共有財産(形式知)へと変換し、誰でも70点以上の成果を出せる仕組みを作ること。AIで現場の「声」を資産化するインフラを整えれば、現場の顧客ニーズの変化を敏感に察知し、マニュアルをリアルタイムで更新し続けるエンジンが手に入ります。現場の知恵を吸い上げて組織を強くする「循環のDX」こそ、これからのブライダル経営に求められるガバナンスのあり方です。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月21日号)