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昨秋希望退職も実施【ポジティブドリームパーソンズ 代表取締役社長 杉元崇将氏】

昨秋希望退職も実施【ポジティブドリームパーソンズ 代表取締役社長 杉元崇将氏】

 少子化によるブライダル需要の激減を見越して、リスク回避のためにレストラン展開を強化してきたポジティブドリームパーソンズ(東京都渋谷区)。ところがコロナは、結婚式だけでなく、日常である飲食業にも大きなダメージを与え、両事業が共に負担としてのしかかってしまっている。杉元崇将社長の描いていた事業戦略も方向転換を余儀なくされた。コロナとの戦いのために、とにかくコストを徹底的に見直し構造改革を進めている現状を聞いた。

品川グース閉館の影響

――昨年のコロナの影響は。

杉元「春の第1 波も大変でしたが、夏の第2 波がより響きました。第1 波の3 ~ 5 月は、我々も顧客もどこまで大変かが分からない部分もありキャンセルも少なく、延期に関しても直近となる₇ ~ 9 月に移動するという状況でした。私自身も、数ヵ月のマイナスをいかに対策するかをポイントにしていました。ところが₇ 、₈ 月の第2 波がきたことで、意外と長引くぞと消費者マインドが思った以上に冷めてしまいました。短くても半年、長い人で2021年9 月以降のオリンピック後、つまりワクチンが必ずできている時期まで延期するケースが増え、半年、1 年間をどうしていくのかを考えざる得なくなりました。」

杉元「2 つめは、品川グースがリニアモーターカーの再開発のため、2021年3 月での閉館が決定しました。分かってはいたことでしたが、結果的に320組から3 月以降の延期を受けられなくなり、ほとんどキャンセルになりました。売上ベースで10億円超が失われたわけで、これは本当にタイミングが悪かったとしか言いようがないですね。」

――品川グースの閉館の決定は、コロナの影響ですか。

杉元「いえ、2020年12月もしくは2021年3 月の閉館がコロナ以前から決定しており、昨年の₄月以降は、新規獲得もしていませんでした。ただ、公表を11月と決められていたため、顧客に正直に伝えられず、₄ 月以降に延期したい顧客に対して答えたくても答えられない状況になってしまいました。」

――レストラン展開も多く売上比率も大きいため、その分ダメージも厳しかったかと。

杉元「コロナ前は195億円ほどの売上で、そのうち約130億円がウエディング、それ以外の70億円がレストランと宴会でした。70億円の中で20億円が宴会、レストランは50億円。1 番厳しいのは宴会で、ゼロではないものの80%減となっています。レストランは第3 波前のGoToにより、単月では前年対比同程度まで回復、中には前年を超えた店もありました。ただ立地によって差があり、オフィスワーカーをターゲットに平日ランチとディナーを展開し週末はレストランウエディングといった店舗は、GoToでも戻り切りませんでした。オフィス街店舗は、上場企業の本社勤務社員も多いため、テレワークが推奨されていて集客が難しい。立地に応じて中途半端にオープンせずに、休業扱いにしています。」

 

既存店舗のリフレッシュ

杉元「当社のレストランは30店舗で、ここ5 年間は勝負をかけてきました。出店についてもウエディングに関与する施設は白金、大阪城の2 店舗で、残りはほとんどホテル内レストラン。実は今期は出店の山場で、5 店舗ほど考えていたものの、全て中止にしました。コロナでインバウンドの戻りが遅く、ビジネス需要が見込めなかったのが理由です。今は前に進むタイミングではないと、違約金を支払ったケースも発生。コロナが明けたとしても、今年は良くて80%、2 年後でも90%、完全に戻るのは2023年になるのではと踏んでいます。今は前に進むのではなく、既存店舗のブラッシュアップ、リフレッシュに投資していった方がいいと考えています。その期間で立て直しが必要な場合は、縮小、撤退も検討していかなければならないのが、コロナとの戦いですね。」

――今はまさに、生き残りの勝負ということですね。

杉元「現在、3 つの委員会を設けて、この事態に対応しています。1 つはコスト削減委員会。本社も半分にし、本社の社員も現在は週1 、2 回テレワークにしていますが、これからは逆に週1 、2 回の出社に切り替えていきます。結婚式の打合せも、試食、試着などリアルでなければならないもの以外は、Zoomで対応していきます。打合せ時間が短く済めば、その分効率化も図れ、またブライダルサロンはスペースを含めて、それほど必要なくなるとみています。無駄な場所や賃料スペース、出張、広告宣伝費など様々なものを含めてコスト削減しています。2 つ目は、賃料削減委員会。賃料削減交渉をする、各施設で固定デスクにしていたのを、フリーアドレスに変更するなど。新規来館がまだ30%程度減少している状況を踏まえれば、全員の出社は必要なくなり、プランナーにもテレワークをしてもらっています。人が少なければ、その分事業所のバックヤードのスペースも縮小できます。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1、11日号)