LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

新連載《ブライダル業界のブランディング入門》イメージの想起5つの誤解解く【グロウ・リパブリック 代表取締役 宮村岳志氏】
ブライダル業界にも、ブランディングが求められてきました。今号から4回にわたり、ブランドの概念、それを作り高めていくための手法を紹介します。
ブライダル業界にも、ブランディングが求められてきました。今号から4回にわたり、ブランドの概念、それを作り高めていくための手法を紹介します。
何故ブランディングが必要なのか。かつては大量生産、大量消費の時代であり、安くて高品質なものが求められていました。要はスペック勝負です。時代が変わり、多種多様な価値観に変化しています。こうした人に対して、差別化によりいかにファンになってもらうか。これがブランディングの基本です。
ブランドのポイントは差別化です。例えばスーパーの商品棚には無数のモノが並んでいます。その中で選ばれるためには、買ってもらえる理由が必要となり、理由がなければ手に取ってもらうことすら出来ないわけです。それを作っていくことがブランディングでもあります。
理由作りに関して、時代性を考慮していきます。過去の戦略では、他社が値段を下げていれば、自社もそれに合わせ同質化させることで買ってもらう理由にしていました。これに対し現代は、商品の価値を同質化させるのではなく、自社の強みを活かしていきます。例えばトマトの場合、料金を合わせるのではなく、糖度が高い、生産者を前面に出すなど、その強みを活かした表現により、買ってもらう理由を明確にしています。安くて良いものが世の中にありふれているからこそ、個性的で尖ったものを消費者が探している現代では、その個性が強みとなり、結果イメージを想起させるブランドとなっていきます。
ブランディングという言葉の由来は、放牧している牛に、自分のものだという焼き印をしたことが起源です。もっとも、単にマークをしたことで、自分のブランドだと勘違いしてしまう人も多いのですが、分かりやすく考えるために、よくある5つの誤解を紹介します。
誤解1 「ブランドとは高級ブランド(ブランド品)を意味する」
世の中にブランドはたくさんあります。例えば10円のうまい棒は、遠足に行く時に安くて美味しいものとしてすぐに思い浮かびます。つまり、イメージを想起させるものをブランドと呼びますが、一般的には高級ブランド品のことを指していると誤解している人が多いのも事実。そういった解釈でブランドという言葉を使っているブライダル関係者は非常に多いです。
誤解2 「ブランド=商標」
商標やロゴマークは、あくまでもマークです。ブランドとはイメージであり、例えば浜松の会場で結婚式を開催する際、まず思い浮かぶ場所になっているかがポイントです。逆に言えば、そこで思い浮かばない会場は、ブランディングができていないということです。それ以外にも、ゴージャス、ナチュラル、友だちとワイワイなど、様々な結婚式をしようと考えた場合に、想起されるかどうかがブランドになっているかの分岐点です。
誤解3 「ブランドは商品のみ」
例えばiPhoneですが、商品と共に、制作しているアップルもブランドと言えます。ブライダルでは、会場だけオシャレというのは間違いで、どんな会社が運営しているのかもブランドの一部になります。この誤解は、見た目だけ良くしておけばいいという考えになり、結果、中身が伴わず、ブランドとしての価値が高まっていきません。商品はもちろん、会社や従業員、さらに仕入れ業者、アイテムの一つ一つも、ブランドの一部です。これらを一気通貫でイメージ統一しないと、ブランドとして成り立たなくなっていきます。
誤解4 「ブランドは広告などのプロモーションで作られる」
ブランドはあくまでイメージの想起で作られるものです。結婚式場でもありがちですが、広告でどんなにキレイに見せても、新規来館した際に異なれば、その違和感と、偽物であることがイメージとして定着してしまい、逆ブランド化します。
誤解5「ブランドの対象は顧客」
先述したように、従業員や仕入れ業者もブランドの一部である以上、顧客だけでなく全ての人のイメージがどうか。採用においても、イメージが定着しているからこそ、それに合った人が集まり、さらにブランドが高まるという循環になります。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月1日号)

