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打合せから始まる夫婦の時間【Share Clapping ウエディングプランナー 柘植 友里奈】

打合せから始まる夫婦の時間【Share Clapping ウエディングプランナー 柘植 友里奈】

ウエディングプロデュース・Share Clapping(広島市中区)のウエディングプランナー・柘植友里奈氏(32歳)がブライダル業界を志したのは、大学3年の頃。「働くなら幸せそうな仕事がいい」と考え、式場でアルバイトを始めた。新卒で同社に入社した後、1年目はプランナーとして自分を出せずに悩む日々を過ごしたが、経験を重ね、3年目頃から少しずつ自信をつけた。リクルート主催のGOOD WEDDINGAWARD(以下GWA)には継続的にエントリーしており、今年初めてソウル賞を受賞。結婚式を創る仕事について話を聞いた。

≪『幸せそうな仕事』に興味≫
柘植「大学3 年になり就活を意識し始め、働くなら幸せいっぱいの空間で仕事がしたいと、頭に浮かんだのがブライダル業界です。結婚式は大勢の人で創るものというイメージもあって、今振り返ると、人と何かをすることが好きだったのかなと。それまで結婚式に触れる機会、列席経験もなく、何も知らないまま進むのは不安だったので、式場で1 年間ほどアルバイトをしました。Share Clappingを知ったのは、別のアルバイト先の先輩から聞いた話がきっかけ。カップルへの案内と同じぐらいの熱量で人を喜ばせようと一生懸命な姿勢に感銘を受け、就職するならこの会社がいいと感じました。説明会には人事だけでなく現場の社員も参加していて、忙しい中で時間を割き、目の前の学生に本気で向き合っていることが伝わりました。『ここで働きたい』という気持ちはより強くなり、新卒で入社しました。」
≪自分を隠した1年目≫
柘植「入社当初はできないことばかりでした。『私が担当したから素敵な1 日になった』と思ってもらいたい一方で、うまくいかないことが続くとプランナーの“型”にはまろうとして、自分を出せなくなっていきました。自分の想いを表に出さず、取り繕って殻に閉じこもるような状態です。自分が消えていく感覚もあり、結果としてミスも増え、自分らしさを出せなかったのは1 年目の悩みでした。3年目頃から担当件数が増え、より多くの新郎新婦と関わる機会も増加。『担当してもらえてよかった』と言われることも多くなり、経験や失敗を重ねる中で少しずつ自信をつけていきました。プランナーとして自分を出せるようになってきたのも、その頃からです。」
≪コロナ禍の結婚式≫
柘植「入社5 年目頃にコロナ禍となり、結婚式を挙げられないカップルの対応に追われました。目の前の2 人に式を挙げてもらうにはどうすればいいのか、諦めないでもらうには何ができるのかを考える日々で、結婚式は当たり前に挙げられるものではないと実感しました。解約や中止、形を変えることが当たり前になっていく状況には、悔しさもありました。私自身も2020年に式を挙げたので、自分の結婚式を通して、夫や家族、友人への感謝を改めて感じた機会になりました。」
≪笑いに二人の人生を込める≫
柘植「GWAには、2019年から毎年エントリー。自分が担当した結婚式を振り返り、内容をブラッシュアップする機会とも捉えています。今回GWAで発表した結婚式の軸は『笑い』。新郎新婦は高校時代の友人同士で、親しい友人とのつながりも続いている2 人でした。笑いを当日の演出だけで終わらせず、これまで歩んできた人生をゲストと分かち合い、未来にもつながる時間にしたいと考え、ただ面白い企画を入れるのではなく、2 人の人生を知った上で、笑いがどのような意味を持つのかを考えました。挙式では、両親にフリップ芸をしてもらいました。新郎は以前芸人を目指していて、両親に心配をかけたこともあったそう。新郎が大切にしてきた笑いを、両親から祝福の形で表すことで、自分たちの歩みを肯定できる時間になればと考えました。また、新婦へのサプライズとして、3 人だけの空間で新郎と私で漫才もしました。『新婦が喜ぶことをしたい』と新郎と話していたところ、『柘植さんも一緒じゃないと妻が喜ばない』と言われたのが始まりで、好きな芸人のネタをオマージュした漫才をすることに。何度も練習を重ね、新郎と“コンビ”を組んで、新婦へのサプライズに臨みました。こうした企画を盛り込んだ結婚式をGWAで発表し、ソウル賞を受賞できました。」
≪会話のきっかけを探る≫
柘植「式当日だけでなく、打合せ期間も夫婦にとって大切な時間です。2 人の価値観や大事にしていることを話し、相手に伝える機会ですから、打合せも楽しんでもらいたい。私自身、新郎新婦と同じくらい、あるいはそれ以上に式を楽しみにしながら、2 人のことを想像して提案しています。打合せの前には、2 人が朝何を食べたのか、会場へ向かう道が混んでいなかったか、といったことまで想像するようにしています。細かなことでも、その日の会話や提案を相手に合わせるきっかけになりますから。結婚式は1 日だけのことではなく、その後の人生にもつながっていくもの。打合せの時間も含め、これからを一緒に歩む夫婦としての土台となる時間になればと思っています。」
柘植「経験を重ねると失敗が怖くなったり、正解を探したくなったりすることもあると思います。9 年目というキャリア、先輩という立場を意識しすぎるより、人としてどうあるかを大切にしたいと思うようになりました。決まった進行に2 人の希望を当てはめるのではなく、2 人の思いから進行を作る。今後ももっと自由に、楽しみながらプランニングしていきたいですね。引き続き本気で、ユーモアも忘れないプランナーとして、現場にいられる限り新郎新婦と結婚式に向き合い続けていきたいです。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月11日号)