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キーマンに聞く

式後も施設利用を促し中長期的な単価アップ【ホテル雅叙園東京 総支配人 森木岳明氏】
「式後のレストラン利用などを通じて、中長期的に1組単価を上げる」と、少人数ウエディングに対してポジティブな意見を持つのは、ホテル雅叙園東京(東京都目黒区)の総支配人・森木岳明氏だ。昨年9月には『CANOVIANOCAFE』も館内にオープンし、厳選した商品の中からアイテムを選択するスタイルのウエディングも開始した。2028年には創業100周年を迎える同施設。長い歴史を未来に繋いでいく、施策や考えを森木氏に聞いた。
――婚礼部門における、昨年の実績はいかがでしたか。
森木「施行数は2019年度対比で95%。当施設は衣裳室を内製しており、昨年は提案を強化したことで、衣裳については過去最高の売上を記録した月もありました。様々あるアイテムの中でも、和装・ドレスを重視するケースは多いですから、衣裳をキッカケに成約に繋がるような流れにしていきました。新規来館フェアで1 番に衣裳を案内したほか、成約者向けのフェアでも、和装・ドレスなどを今まで以上に目立つように。引出物など、人数によって売上が大きく変わるアイテムもある中で、ゲスト数に比較的左右されないアイテムはもっと強化していきたいとの考えです。もともと衣裳の持込は約10%でしたが、現在は5 %までに減少。内製していることも考えると、利益率をさらに押し上げました。」
――ゲスト数の現状は。
森木「6 名などの少人数も含めての平均とはなりますが、コロナ以前と比較して、マイナス10名程度で推移。なかなか戻り切らないのが現状です。ゲストハウスと異なる点として、当施設は24の宴会場を併設。その宴会場が毎日全てフルで埋まっているかと言えばそうではありませんし、世の中の動きも大きく変わってきていますから、事業者側としては様々な提案をしていくことが必要との考えです。ゲスト数に応じて何か特別な対応をするのではなく、少人数においても貴重な1 件としてしっかりと接客していきたい。もちろん人数が多ければ最終的な売上はアップしますが、少人数の場合1 人あたりの単価は大幅に高まります。仮に少人数ウエディングでも、例えばその後、記念日などの機会にレストラン利用が継続的にあれば、その分の売上も上乗せできるわけです。レストランなどを併設していないゲストハウスの場合、式後に売上を追加していくことは難しく、1 組売上が最終着地金額になる。一方で当社の場合、その後のレストラン利用、宿泊などをプラスできれば、1 組あたりの単価を中長期的に上げられますから。この点からも、少人数を獲得しやすいホテルならではの強みを活かして、受注していければと考えています。また、2022年4 月にスタートした新会員プログラム『MIYABI PASSPORT』は、開始から1 年半で会員数は1.5万人に拡大。この数字には式後のカップルも含まれており、今後はお食い初めや七五三、成人式など記念日サービスも、どんどん仕掛けていけたらと思っています。」
――手厚い接客をしていくためには、業務効率化も必要です。
森木「打合せ時のツールやカップルとのコミュニケーションツールを目下作成中で、これから本格的に活用していきます。また、パートナー企業との情報共有にはSlackを導入するなど、コロナの蔓延がいい意味で裏側の整備に繋がってきましたね。私自身、“アナログ”部分があっての業務効率化の考え。1 番重視すべきはカップルとのやりとりですから、そこは時間を削ることのないようにしていきたい。共働きで多忙なカップルも多いので、内容やスケジュールによってはオンラインでの打合せになるケースはもちろんありますし、WEBの便利さは重々承知していますが、やはり当施設に足を運んでもらいたいとの想いもあります。私たちは『ミュージアムホテル』をコンセプトに掲げており、実際に館内には多くのアートが散りばめられています。この点からも、来館してもらうことで当ホテルの世界観をさらに好きになってもらえるはず。打合せのついでに、ラウンジでお茶を飲んでいくなどしてもらえたら嬉しいですね。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1-11日新春特大号)

