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広告費積み増しの1年 今期も同程度の出稿に【テイクアンドギヴ・ニーズ 代表取締役社長 岩瀬賢治氏】

広告費積み増しの1年 今期も同程度の出稿に【テイクアンドギヴ・ニーズ 代表取締役社長 岩瀬賢治氏】

テイクアンドギヴ・ニーズ(東京都品川区)は昨年11月、2025年12月通期の営業利益を下方修正した。広告出稿を強化した1年で、この施策により「様々な成果が見えてきた」と、代表取締役社長・岩瀬賢治氏は話す。今期も同様の広告費を予算に組み込んでおり、成約率向上を次のステップに位置付けている。カジュアルウエディング事業もスタートし、提供するウエディングの“幅”を広げた1年となったT&G。組数アップを通じた業界活性化に対する、岩瀬氏の“使命感”とは。

利益調整にあえて走らず
――営業利益を18億5000万円から、3 億円マイナスの15億5000万円に下方修正。決算期を3 月から12月に変更しましたが、昨年の業績に関しては。
岩瀬「昨年10〜12月の婚礼数が当初予定していたものより150件ほどマイナス。これまでであればそこに1 〜3 月分が上乗せされたので様子を見ることも可能でしたが、第3 クォーターまでの変則決算となり当然カバーできないですから、その状況はきちんと開示すべきとの判断です。発表差額は3 億円なので、広告費を含めてコストを削減し利益を確保することもできなくはなかったのですが、昨年1 年は一旦広告費を積めるだけ積んで、集客を上げていくチャレンジを目標にスタートしていましたし、スタッフに対しても、『より多くのカップルに来館してもらえるように施策を進めるから、接客はよろしく頼む』とのメッセージを出していました。そうした背景もあったので、広告費も含めて利益調整に走るべきではないと。これは決して間違った判断ではなかったと思っています。特に第2 クォーター、7 〜9 月に関しては広告費は積みましたが、出稿を絞りCPAを重視した前年対比ではなく、2年前と同じ契約数が取れたのは大きな成果。直近の10〜12月も、同様の進捗状況で進んできました。広告費をコントロールし利益を優先させると、来期の計画も立てづらくなってしまうとの考えもありましたから、広告費の積み増しは、昨年1 番“悪かった”ことでもあり、良かったことでもあったと思っています。結果として札幌から鹿児島までの全国施設において、この店舗はこれ以上難しいのではなど、色々なことが見えてきたのも成果の1 つ。出稿した際にきちんとカップルに訴求できる広告写真になっているのかの見直しなどにも注力したので、今後に向けていいノウハウが溜まってきたと感じています。今期に関しても、昨年並みの広告費を計画。効率化を目的に予算を低くすると、攻めるべき時に攻めようがなくなってしまいます。昨年の経験を活かして引き続き露出を強化し、その上でCPAが良くなっていくのであれば、その予算は使わなければいいだけの話ですから。」
――問合せ数を見ると、前年対比で100%超えが継続している状況となっています。
岩瀬「これまで出稿が限定的だった媒体も、露出を強化。新たに出稿を注力したメディアに関しては、成約率が課題になる場合はあるものの、今までの戦略では媒体を減らしてSNSなどに注力し、それが結果になかなか結びつかなかったわけですから、とにかくカップルに足を運んでもらえるようにと考えています。受注できるかどうかは、さらにその次のステップ。当社は一顧客一担当の一貫制を基本としていますから、分業制を採用している他社と比較した際、新規営業を得意とするハイパフォーマーはどうしても少なくなってしまいます。受注率向上に向けては、改めて接客を見直し中。『おふたりに寄り添った提案を〜』といった新規案内の際によく使う言葉が、果たしてカップルの心にきちんと響いているのかなど、顧客視点での“正しい接客”になっているのかは、今期も引き続き見直しを図っていきます。」
カジュアルW専用店舗
――昨年11月にはカジュアルウエディング事業を開始。大阪・中之島に『UNWEDDING(アンウェディング) 中之島』をオープンしました。
岩瀬「貸切、高付加価値、高単価が我々にとっての得意分野だと思っていたこともあって、これまで当社としてはカジュアルスタイルに振り切ったウエディングには対応していませんでした。とはいえ各メディアのデータからも見て取れるように、結婚式を挙げたい一方で経済的に諦めているカップル、加えて“お決まりのパターン”に疑問を抱き、更には打合せも含めて“タイパ”が悪いと感じている人たちも一定いる。これらの理由で結婚式をやらない判断になっているというのであれば、受け皿はやはり必要だろうと。どのように内容を詰めていくかを会議で議論してきましたが、机上の空論になってしまう可能性があるのなら、モニターを募集して1 度やってみるべきと考え、一昨年9 月、渋谷の『TRUNK BY SHOTO GALLERY』でカジュアルスタイルのトライアルを実施しました。トライアルでは司会もおらず、パーティーの間に挙式を実施。フォトシューティングの時間を長く取るなど、これまでとは異なる“流れ”となりました。新郎新婦はもちろん、ゲスト満足度も非常に高かったので、この方向は間違っていないと、打ち出していく判断に至りました。その上で課題だったのは、どこでやるか。既存店で450万円の結婚式をプロデュースする一方、200万円のカジュアルパーティーを同一店舗内で売るのはどうしても躊躇いがあり、安かろう悪かろうには絶対にしたくないとも考えていました。それであれば専用の店舗を作るべきと物件を探していて、中之島の店舗が決定したという流れです。料理はビュッフェのみで打合せは2 回。50名の場合、価格はカップルの自己負担が66万円、ゲスト会費は1人1 万1000円で合計55万円、トータル121万円という計算です。実際に昨年11月から施行もスタートしていて、『これくらいのカジュアルさを求めていた』という、好評の声も多く届いています。現在はミニマムボリュームの出稿に加えて、GoogleなどのSEOを中心に集客。ニーズは確実にあるでしょうから、認知を高めていけるかがカギになってくるとの考えです。今後もこのスタイルの店舗展開は積極的に検討していきます。売上規模的にも、例えば商業施設内、レストランの居抜き物件などは十分可能性もあるでしょう。大阪の店舗に関しては、国際会議場やフルスペックの大型ホテルも近くにあり、ウエディング以外での稼働も見込んでいて、実際に宴会系の受注もスタートをしています。」
岩瀬「カジュアルウエディング開始のもう1 つの背景として、組数を増やすことも念頭にありました。私たちと一緒に結婚式を創るパートナー企業は、組数が増えていかない限り厳しい状況に陥ってしまいます。先ほどの広告の話でいけば、出稿を抑えて利益率を高めるというのはあくまで当社に限った話で、一定の施行数がなければ業界は萎んでいってしまう。カジュアルスタイルのため多くの取引先が関わるモデルではないものの、それでも結婚式の数を増やし、業界活性化に繋げていきたいと。『あの価格設定で儲かるの?』との声もありますが(笑)、チャレンジしなければ業界はシュリンクするだけです。パートナー企業の存在も含め、そうした“使命感”は私自身強く持っています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1日・11日号)
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