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両社の強みを尊重していく【ノバレーゼ 代表取締役社長 荻野洋基氏】

両社の強みを尊重していく【ノバレーゼ 代表取締役社長 荻野洋基氏】

3ヵ月後にエスクリとの経営統合を控えるノバレーゼ(東京都中央区)。代表取締役社長・荻野洋基氏は、「まずはお互いをとにかく知っていくことが大事」としており、出店スタイルの異なる2社が今後どう融合していくのかは注目と言える。受注率も50%を超えるなど、足元の数字は好調。即決をさせないスタイルなどを重視したことで、結果業績に寄与したとの考えだ。新会社ではCOOに就任する荻野氏の、現場重視の考えを追った。

都市型店舗の持つ可能性
――エスクリとの経営統合について、荻野社長自身の考え、想いなどは。
荻野「足元の業績を見ると現在当社は好調に推移している一方で、地方店舗を中心に出店しているため、人口減少の問題からは目を背けられないのも事実。3 年後、5年後と中長期的に見た時、大きな脅威と感じていました。特にこの考えがより現実的になっていったのはコロナ以降。マーケットシュリンクによる競合他社の閉館などで、残存利益として当社に流れてくる可能性に加え、リニューアルなどを実施すれば一時的な来館数向上などはあるものの、安定的に集客を1.5倍に維持できるかといえばなかなか難しいだろうと思っていました。そうした意味で、エスクリの出店スタイルでもある、東京を中心とした駅直結などの都市型店舗は、私たちにとって非常に魅力的でした。その点からも、私自身エスクリはベストパートナーとの考えを持っています。現在は分科会を通じて、お互いをしっかり知っていくフェーズになっています。」
――ノバレーゼは現在、SNSでの広告出稿にも注力しています。店舗スタイルだけではなく集客方法にも違いがある中、4月1 日からの各式場の運営に関してはいかがですか。
荻野「どちらかの手法に一気に寄せる、変更するつもりは現時点で考えておらず、両社のこれまでのスタイルを尊重していくことがベストだと思っています。現在当社は受注率が堅調に伸びてきているものの、当社のやり方をエスクリの店舗にそのまま取り入れてすぐに成果を出せるかといえば、異なる出店スタイルである以上、思ったような結果に繋がらない可能性も想定できます。そのうえで上手く回っていない店舗があるのならば、当社の培ってきたノウハウを入れることもいいでしょうし、逆もまた然りで、エスクリのノウハウを当社に入れてみることもあり得るかと。お互いのスタイルを最初から否定する必要は全くなく、両社のいいところを徐々に掛け合わせていく。そのためにも、まずは互いを知ることが重要との考えです。」――親会社・TKPからの送客での平日稼働など、経営統合によるシナジーは様々あるかと思います。宴会送客も伸びてきているようですが、その他のメリットに関しては。
TKP含む人材交流
荻野「経営統合は人材面でも大きなプラスの効果をもたらすと考えています。会社が成長する中で当社の平均年齢も少しずつ上がっていて、例えば結婚を機にパートナーの仕事の都合上、『東京で働きたい』という声も実際に聞かれていました。ドレスショップとレストランはあるものの、都内で直営式場は運営しておらず、選択肢はどうしても限りはあります。エスクリはその点東京の施設も多いですから、都内のほか大阪など都市部の店舗が増えることは、ライフステージに合わせた働き方を今以上に叶えてあげられる可能性も一気に高まる。人材交流は今後、TKPも含めて実施していきたいと考えています。TKPの場合は法人宴会、会議案件を中心としているので、基本的には土日は休み。女性の多い業界ですし、例えば出産後、週末の現場勤務は難しくなる可能性もあるでしょうから、そうした選択肢を会社側から提供できるのは大きなメリットと言えるでしょう。もう1 つすでに感じているのは、段違いの情報量の多さ。今後店舗展開を強化したいとなった場合、TKPの事業は不動産ビジネスでもありますから、これまで以上に物件情報をスピーディーに、かつ様々な案件を豊富に収集できることは大きな強みですね。今春には静岡市内に『HOMAM 旧マッケンジー邸』をオープン予定で、ここはエスクリの子会社で内装施工などを手掛ける渋谷社とすでにタッグを組んでいます。建築費の高騰しているなか、とはいえ成長のためにも店舗を出店していく必要はありますから、この予算を削減できるのは非常に大きなメリットと感じています。」
――荻野社長の考える、エスクリ・渋谷社長と自身の強みは。また経営統合以降、それぞれの業務の棲み分けをどのように考えていますか。荻野「渋谷さんは人柄も本当に素晴らしいですし、人脈、経営者としての経験も、私は足元にも及びませんから、力強いパートナーと感じます。反対に私自身は新卒でノバレーゼに入社し、プランナー、GMなども経験してきたキャリアですので、現場の声を積極的に聞いていく役目を担っていきたい。現時点のノバレーゼは、現場にマネージャーとGMがいて、その上にエリア長、役員、私という構造です。きちんと意思伝達しようと思っても、これだけの段階があればうまく伝えられない可能性もあり、それは“危険”と思っています。実際に一昨年ビジョンを策定する際、全国を回り、各エリアのスタッフ全員を集めたミーティングを実施しました。もともと私自身は各会場を積極的に臨店していて、食事も一緒に取るなどしながら交流を図ってきました。カジュアルな場だからこそ言えることもある一方で、伝えにくい話もあるでしょうから、ミーティングを通じて現場スタッフもきちんと発言できる場を設けたことは、良かったと思っています。臨店の際は、スタッフの通用口などではなく必ず顧客動線の正面玄関から入るようにしていて、足を一歩踏み入れた時の空気感、スタッフの表情、事務所の雰囲気は、その店舗の“勢い”を表していると感じています。『それが全てではない』という意見はあるものの、仮に私が現場スタッフであれば、経営陣にはそうした点も見てほしいですから。会社を作るのは、どこまでいっても『人』との想いで、話を聞く姿勢を大切にしています。4 月以降も店舗には定期的に訪問し、経営戦略に活かすことを重視していきます。今年からはエスクリの施設へも積極的に足を運ぶ予定。新たなメンバーとの関係構築に注力したいですね。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1日・11日号)
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