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キーマンに聞く

婚礼特化のM&Aサポート 時期を逃さず売却の検討を【イロドリ 代表取締役 千々木綾氏】
ブライダルに特化したM&Aをサポートするイロドリ(東京都新宿区)。業界再編も進む中、昨今のトレンド、事業売却を成功させるポイントなどを聞いた。
中核都市の買手需要は限定的に
――ブライダル業界における、昨今のM&Aの特徴などは。
千々木「ここ数年で、相談内容の質が変わってきた印象です。特に最近増えているのは、過去に売却を検討したものの、『もう少し自社で運営を続ける』と判断した企業からの再相談。当時はコロナ禍でのゼロゼロ融資や回復局面への期待もあり様子見に至ったものの、婚礼件数は想定ほど回復せず、固定費負担や人材確保の課題が改めて顕在化し、『今後を見据えて出口を考えたい』という動きも出始めています。ドレスやフォト、装花など関連事業を主軸としてきた企業からは、『会場のみ切り離したい』という相談も増加。集客手法の変化により、従来の集客モデルでは競争優位を保ちにくく、広告費・人件費の負担が増す中で、結果として『本業に経営資源を集中したい』となる流れです。一方で買手企業からは、施設そのものの買収希望に加え、運営受託や提携という形での拡大を模索したいという声も。初期投資を抑えつつ運営施設を増やしたい企業は、M&Aと業務提携の中間的な選択肢への関心も高まっています。また、売手・買手が引き続き良好な関係を続けるケースも増加。例えば、会場運営は買手企業に譲渡し、売手が引き続き衣裳を提供するなどの協力関係も見られています。」
――エリアによる違いなどは見られますか。
千々木「約3 年前までは地方中核都市にも一定の買手需要はあったものの、直近1 年で関心はより限定的になりました。東京や横浜、大阪、博多といったエリアについても、決して安泰ではありません。こうした主要都市こそ、再編の波は確実に押し寄せてくるのではと感じています。今後、買手候補となる企業はますます限定される予想で、1 社が同一エリアで複数会場を次々と買い進めるケースはそう多くありません。そのため、条件の良い会場から順に決まり、結果として後発は選択肢の狭まる構図が生まれやすくなってくるでしょう。」
――売却する際のポイントは。
千々木「1 つ目は、閉館を決める前に相談すること。閉館を決定、あるいは告知すると、予約残がなくなりスタッフも退職してしまう。加えて、1 度クローズした施設として認知されると、再稼働までに時間とコストが必要になります。予約残のない会場は売上が立つまでにも時間を要するため、結果として評価も上がりにくい。また、現在は慢性的な人材不足の課題もあり、スタッフのいない状態は買手にとって大きなマイナス要因です。赤字続きでも条件次第で評価に織り込める場合はあるものの、閉館してしまうと検討対象から外されるケースも多い。関心を持つ企業が減る、あるいは買手が既に別案件を決めてしまうと、売却できる可能性そのものも下がります。実際、『ゼロ円でもいいから引き取ってほしい』という希望すら叶わないケースもあります。運営を続けながら余裕を持って相談を開始することで、選択肢は広がり、条件交渉もしやすくなります。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1日・11日号)
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