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今期はすでにほぼ満枠【東京會舘 常務取締役/営業本部長 星野昌宏氏】

今期はすでにほぼ満枠【東京會舘 常務取締役/営業本部長 星野昌宏氏】

 前号に続き、全国屈指の稼働率を記録している東京會舘(東京都千代田区)常務取締役・星野昌宏氏のインタビュー後編。自ら新規接客も担当することで、マーケットやユーザーの変化をリアルにとらえることができるのも強みの一つ。実際に昨今の状況をどのように分析し、自社の戦略に生かしているのか。また、結婚式から生涯顧客化だけではなく、宴会・レストラン利用から結婚式に繋げていく循環をどのように生み出しているのかを語る。(後編)

GWには170組が来館

――今期の施行に関して、ほぼ満枠の状況のようですが。

星野「GWの新規集客も、7日間で170組が来館し、成約は純増ベースで75組となりました。そのほとんどが来期の受注となります。今期(2023年4 月~2024年3 月)については、来年の2 、3 月に若干空きのある程度で、すでにほぼ満枠となっていますから。前期の施行数は1170組。昨年以降、宴会稼働が完全に戻ってきたこともあって、今期は最終的には1050組程度に抑えようと考えています。」

――他の会場に聞いてみると、このGWに関しては集客に苦戦したという声は非常に多かったです。なかなか思うように新規も動かなかったと。

星野「恐らく、5 月8 日のコロナの5 類移行による影響から、GWは 国内・海外旅行者も一気に増えるという報道もあったため、端から集客は難しいだろうと判断してそれほど力を入れていなかった会場も多かったのではないかと思います。私は天邪鬼の性格でして(笑)、それならば逆張りで攻勢をかけようと決めたことが、結果として功を奏しました。」

――コロナ禍以降続いている少人数傾向に、頭を悩ませている会場も少なくありません。

星野「個人的に思うことは、コロナ禍における結婚式情報媒体の責任は大きいのではと思っています。とにかく一組でも多く結婚式をしてもらうために仕方のない面はあったとはいえ、少人数婚を過剰に煽ってきた結果、それがスタンダードとして認知されて今でも業界全体として立ち直れていないと感じています。当社では少人数希望のユーザーに対して、電話の時点で基本的に対応することは難しいと案内していますが、それでも来館すれば何とかなるのではと思っている新郎新婦もいます。そうした空気感が蔓延していくことにより、新規接客の無駄も生じるため悩ましい限りです。」

――少人数化だけでなく、限られたパイの奪い合いのために大幅な値引き合戦も常態化しています。その様相の中で、高単価維持は大変かと思いますが。

星野「確かに、来館の際に他社の見積もりをわざわざ持ってきて、A会場はこんなに引いてくれたから東京會舘はどこまで値引きになりますかと話してくる新郎新婦は確実に増えています。なぜ大幅な値引きをしているかの理由を探ってみると、結論として式場側のオンハンドの組数が足りていないことが分かります。しかも、直近である今秋の施行枠が空いてしまっている。そのため、即決したらまずは50万円引き。さらに来期希望であった新郎新婦に対して、今秋に移動してくれたら50万円以上値引きするなど、とにかく前倒しのための大幅な値引きは非常に多くなっています。」

星野「オンハンドの不足をカバーするための値引きによる前倒しの傾向は、今年の4 月ぐらいから感じていました。当社に来館する中にも、年内希望は増えていましたから。よくよく聞いてみると、もともとの希望は来春以降だったのに、他の会場を回った際に年内であればとにかく安くしてくれたから、東京會舘でも同じように値引きをしてくれると思ったとのこと。新郎新婦を変質させマーケットをおかしくしてしまっているのは、いわば業界側の責任でもあります。当社では年度内の日程がほとんど埋まっている状況ですし、当然値引きはしません。それをきちんと説明して理解してくれる新郎新婦であれば、他社の見積もりより200万円高くても、結果として来春以降の日程で成約になります。」

詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月1日号)