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キーマンに聞く

京都新店を年内オープン予定【BP 代表取締役社長 今野竜太氏】
BP(横浜市中区)は昨年8月、成約後のカップルの問合せに対応する『スタッフサポートセンター』を新設した。「業務効率化だけでなく、プランニングできる喜びを感じてほしい」と、問合せ対応を本社で集約している。代表取締役社長・今野竜太氏は、「中途採用の難しさも表面化している今、ES向上からによる定着率アップは業界喫緊の課題」と語る。式後のカップルを招くサンクスパーティーの開催など、スタッフのやりがいに繋がる施策とは。
BPへ『ようこそ、ようこそ』
――2021年12月に創業50周年を迎え、昨年は記念イヤーとしての1 年でもありました。
今野「コロナの影響も長引いてはいますが、ようやく前に進み始めた印象でした。感染が拡大し始めた2020年は、結婚式に全力で向き合えないという業界全体で大きな壁にぶつかったわけですが、昨年は『結婚式をプロデュースできる』という喜びや楽しみを語れるようになった1 年だったと感じています。当社のテーマとして、昨年は『ようこそ、ようこそ』を掲げていました。カップルに対してもそうですし、新しくメンバーに加わってくれたスタッフに向けたものでもありました。本社の入り口にはそのテーマを記した暖簾も飾り、想いの部分からスタッフ全員で共有していこうと取り組み、前向きになれた1年になりました。」
――施行や新規来館において、特に秋以降多くの式場で回復したケースも多く見られましたが、業績の現状は。
今野「当社の新規来館においては、地方は都心部と比較して若干戻りは遅いものの、2019年対比で100%を超える施設も多くなっています。人数に関してはマイナス5 〜6 名で推移していますが、その分熱量の高いカップルも多いので、大きな組単価ダウンには至っていない状況。施行においてはもともとの積み上げ部分があったことで、コロナ前と比較してもプラスとなっています。あわせて、表参道や京都の少人数専用会場はもちろん、大型施設内の少人数向けバンケットの稼働は軒並みプラスで推移しています。」
――施行の増加に伴い、業界全体で人手不足は更に深刻化していますが、具体的な対策は。
今野「昨年8 月から本格的に、成約後のカップルの問合せに対応する『スタッフサポートセンター』をスタートしました。企業によっては新規来館の窓口を、本社に設けたコールセンターで対応するケースも多いかと思いますが、当社は展開する式場それぞれのブランディングもあるため、新規の相談は直接各店舗に入るようにしています。スタッフサポートセンターでは、カップルからメール、電話での問合せを一旦全て引き受けるイメージ。これまでの業界全体の流れとしては担当プランナーから全て回答するというケースが一般的でしたが、問合せの中身をよくよく見ていくと、実は担当プランナー以外でも答えられるケースも多いわけです。実際、現時点で70〜80%はスタッフサポートセンターからのレスポンスとなっています。回答内容はシステムに全て共有されるのでプランナーもチェックできますし、答えきれなかったものは担当プランナーがその都度すぐに対応する流れ。これまでのように全ての回答責任を担当プランナーの仕事としてしまうと、業務量が負担として大きくのしかかってしまいますから。スタッフサポートセンターは現在8 名体制で、中には出産後に復帰したメンバーもおり、ベテランスタッフの活躍の場所にもなるなど、長いキャリア形成に繋がるメリットもあります。もっとも、メンバーは現場をよく知るベテランなので、時には若手プランナーに向けてアドバイスすることも。『先輩から学べる機会になった』など、現場からも喜ばれていますね。」
――一方で、70〜80%がスタッフサポートセンターでの対応となると、プランナーと新郎新婦との関係性が“希薄”になる可能性も出てきてしまうのではないでしょうか。
プランニングに注力
今野「スタッフサポートセンターが間に入ることで、浮いた時間をしっかりとプランニングの時間に活かせるようになっており、カップルに向けて内容の濃い提案をできるようになりました。もっとも、新郎新婦からしてみても、簡単な質問であればすぐに回答してもらえる方が不安の解消に繋がり、結果として満足度もアップしていくわけです。プランナーの業務を“棚卸し”してあげることで、本業のプランニングにしっかりと向き合えるようになりました。業務効率化、労務環境の整備という部分も大きいですが、それ以上にプランナーとしての仕事の楽しさを味わわせてあげたいと。顧客満足度の向上はもちろん、従業員満足度にも繋がっていると考えています。」
――業界全体の課題でもある人材不足の裏には、定着率の低さがそもそもあるわけです。
今野「ブライダルもそうですが、飲食業なども含めたサービス産業全体で人手不足の深刻化は叫ばれており、それはやはりイメージとしても良くないわけで。特にコロナ以降、何がスタッフを疲弊させたかというと、以前のように顧客に向き合えなくなってしまったこと。結婚式に全力投球できないというフラストレーションは想像以上に大きく、多くの人材を業界から放出してしまった最大の要因だったと考えています。もっとも、当社も例外ではなく残念ながら退職を選んだスタッフも一部いましたが、感染者数に波はあるものの、収束に向けて少しずつ明るい状況も見えてきている状況。低下したスタッフのモチベーションをアップさせるためには、とことん人材に向き合う必要があると考えています。スタッフサポートセンターの本格稼動もその1 つですし、式後の顧客に向けた『サンクスパーティー』の開催にも、より一層注力しています。基本的に1 ヵ月に1 度の頻度で企画し、結婚式を挙げたカップルを無料で招待するこのイベント。プランナーにとってはカップルと再会できる機会であり、『式後もどうぞよろしく』と言える場になっています。大型施設では1度で100組程度が来館し、子連れでの参加も多く賑わいを見せています。こうした企画は、結果としてスタッフのモチベーションアップに繋がっており、定着率向上という面でも重要な施策の1 つと捉えています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1・11日新春特大号)

