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予定人数から+5~6人列席者数も順調に回復【八芳園 取締役 総支配人 関本敬祐氏】
昨年10月、事業成長強化に向けた新役員体制を発表した八芳園(東京都港区)。取締役総支配人に就任した関本敬祐氏は、新卒で同社に入社し、今も現場に近い目線で様々な改革を進めている。列席者数の回復が市場全体で厳しいなか、平均人数はコロナ前と同等まで回復。敷地内の料亭『壺中庵』においては、少人数ウエディングでの稼働アップにも成功している。関本氏を中心に、様々なライフイベントに携わる『総合プロデュース企業』の挑戦を追った。
成約後の人数追加を徹底
――大半の式場で「受注は回復傾向にあるものの、人数がコロナ以前に戻りきらない」という話を耳にします。受注のほか、平均人数などの現状は。
関本「件数に関してはコロナ以前の水準にまで回復。列席者数についても、コロナ前の平均60名程度に対し、直近は同程度になりました。コロナの蔓延で結婚式をなかなか開催できないという時期があり、その後は市場全体で参加人数を絞る流れになりました。当施設としても様々な提案により1件あたりの単価アップ、業務効率化などを目指そうともしましたが、コロナ禍でカップルへのイレギュラー対応も多く、プランナーの業務量は増加。結果として、予定していた単価アップ施策などをなかなか進められない状況になったわけです。それであれば、分かりやすく人数を増やすことに絞って提案を強化していく。それ以外は、カップルにしっかり向き合うようにと、シンプルな指示に切り替えました。」
――人数アップのための、具体的な取り組みは。
関本「新規来館フェアの際に、『○名以上のお得プラン』など一定の人数で縛って打ち出すケースも他社では見られましたが、まずは来館してもらえるよう、新規の段階では人数縛りをしないようにしました。大小様々なバンケットを併設しているのを強みに、全ての人数帯のカップルをまずは受け入れようと。入り口で『50名』など人数の話をしてしまうと、新郎新婦の頭の中でその数字がどうしてもつきまとってしまいますから。その上で、成約後のプロデューサーとの打合せにおいて、『大切な方への感謝を伝えたいとのことですが、それであればこのグループも呼ばれてはいかがですか?』など、しっかり人数へのフォローをする。この結果、当初の予定人数から1 件あたり5 〜6 名アップするようになったのが、昨年の大きな成果の1 つでした。実際に、目標組数に達しない月もありましたが、そこは人数のプラスで売上目標をカバーできた面もあります。」
――昨年1 月には、人気ドレスブランド『THE TREAT DRESSING』との提携を発表しました。同ブランドの打ち出す和装の提案はもちろん、洋装に対しても強化を図っています。
関本「もともと当社の衣裳提携は1 社のみになっていましたが、現在はトリートを含めて3社。和の観点から考えていくと、神前式をしたいというニーズはもちろん一定ありますが、それ以上に和装にしたいという、衣裳をベースにしているケースも多いわけです。もっともそれは、洋装希望者においても同じこと。当施設の強みでもある日本庭園は和装にマッチしますから、そこの打ち出しを強化していますが、それと並行して洋装の部分もさらに強めていこうと。トレンドに敏感な花嫁は新規来館の段階で、『このドレスが着たい』など、インスタでチェックしたドレスの画像を担当者に見せることも多くなっています。トリートに関してはブランド力も高いですから、そうした最新の洋装ニーズにも応えられるはずだと。また、今後日本全体で労働人口の減少が深刻化していく中で、複数企業との提携はお互いにリスクヘッジにもなるとの考えもあります。もっとも、カップルにとって選択肢の幅が広がるのはいいことだと思っていますし、その想いが根底には大きくあります。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1-11日新春特大号)

