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キーマンに聞く

“『ゲストのリアルな声』を聞く”《顧客満足度=集客UP》サービススタッフの役割【みんなのウェディング レビューアナリスト 黒須 裕子氏】
結婚式に列席するゲストは、近い未来の顧客である。みんなのウェディング(くふうウェディング・東京都中央区)は、利用者からの口コミ投稿のほか、列席者に対する【GSアンケート】を通じてゲストのリアルな声を収集している。同社と本紙のコラボ企画として、口コミ、アンケートに寄せられる様々な評価を項目ごとに抽出していく今回のテーマは【サービスオペレーション】。ゲスト満足度を押し上げる対応力、仕組みについて探っていく。
声をかけやすい立ち位置
――今回はサービスにおけるオペレーションがテーマということで、評価の高い口コミ、GSアンケートのコメントにフォーカスしています。
黒須「ゲスト満足度を押し上げる要因として、まず招待口コミに特化して総合評点が5 の投稿をピックアップ。ポジティブな要素は大きく14項目に分類されていますが、その中でどれくらいの人から評価されているかの割合の多い順に並べています(上記表)。サービスに関連してこれまで3 回にわたりドリンク、料理、アレルギー対応を分析してきましたが、今回は総合的なオペレーションということで、笑顔、先回りの気配り、タイミングの絶妙さといったサービスに必要な要素はもちろんのこと、写真撮影のサポートやゲストの身だしなみに気づいて応急対応したなど、サービススタッフの役割を超えたプラスアルファがあるほど満足度は高まっています。」
――それぞれのポジティブなテーマに対し、具体的なコメントはいかがですか。
黒須「先回りの気配り・察する力については、ドリンクに関する対応が多く指摘されていました。ドリンクを飲み切る前に先回りして声をかけるだけでなく、さらに踏み込んで氷が溶けている状態を見て新しいものに交換するといった気遣いをしている会場への評価はやはり高かったです。また子ども・高齢者への配慮に関連するコメントとして、子どもが飽きないように先に配膳を提案する。ぐずり始めたら好みを聞いて、それを持ってくるなど。高齢者についてはビュッフェまで取りに行けないケースもあり、そこでサービススタッフが事前にリクエストを聞いて運んでくるといった、頼まれる前に動くという対応は評価を得ています。」
黒須「もう一つ、これは声がけのテーマにも含まれているコメントとして、ゲスト側から話しかけやすいかどうかも一つの基準になっていると感じました。具体的には常にテーブルのそばにいて、声がけをしやすい位置であるかどうか。声をかけたいけれど忙しなく動いていて、なかなかかけづらい雰囲気であったり、立ち位置の距離が離れすぎているとゲストは声を掛けること自体を諦めてしまいます。そうなると低評価に振れてしまう可能性も出てきますので、やはりゲストが声がけをしやすいかどうかは大切な要素だと言えます。例えば『あの人は見てくれているな』という最初の安心感を与えておけば、ゲスト側としてもその後いちいち気にすることはなくなるといった言及もありました。」
新郎新婦の想いを語る演出
――話しかけ、声がけによって、ゲストの様々な不安感を解消することが出来ます。
黒須「食べるペースが遅くなってしまったときに、『ごゆっくりお楽しみください』と声をかけてもらい、急ごうという気持ちが無くなったというコメントもありました。またテーブルにおけるスタッフとゲストの会話への指摘もあります。ゲスト同士の会話の中に自然に入ってきて、スムーズにスッと抜けていったという口コミもありました。コミュニケーションの絶妙なタイミングは、やはり大切だと感じます。」
――料飲に関するサービス対応だけでなく、結婚式の雰囲気を盛り上げる要素への評価の声もあったそうですね。
黒須「今回初めて気づいた内容として、新郎新婦の思いを伝える演出がありました。ブラスグループへの投稿例ですが、新郎新婦の結婚式準備に関するエピソードや、どういう想いを持っているのかという当日に至るまでの背景を、プランナーからゲスト全員に説明してくれたという内容です。口コミにもこうした話をしてくれた式場は初めてと書いてあり、好感度は上がると感じました。」
――ブラスはファンマーケティング室を発足していて、そこでプランナーによる挨拶を全店に導入する取り組みを進めています。プランナーが当日キャプテンの役割を務めている仕組みにより、こうした演出も可能になっているとも言えます。
黒須「他ではこうした投稿は見られませんし、出席したゲストからの評価も高まる素晴らしい取り組みだと感じました。口コミに投稿が掲載されることで、これから結婚式を考えるカップルにも良い印象を与えられます。それ以外には、撮影サポートに関する定性コメントも印象的で、カメラマンが近くにいない場合でもサービススタッフから『写真を撮りましょうか』と声をかけてくれた。映えるスポットをアドバイスし、そこで撮りましょうと薦めてくれたという高い評価もありました。」
――サービスの仕事以外のプラスアルファの対応は印象も高まりますね。
黒須「ゲストのドレスの裾から糸が出ているのに気づいて声をかけ、すぐにカットしてくれたという内容も。またヘアセットのゴムが途中で切れてしまったときに、代わりのゴムを持ってきてくれたというコメントもありました。中には女性ゲストのヒールの底のゴムが取れてしまったことにすぐに気づいて、接着剤を持ってきて直してあげたというケースも。それを後ろから見ていた人が、口コミに素晴らしい対応だと投稿してきたわけです。こうした様々な対応の事例を考えてみると、サービススタッフの役割は単に配膳だけでなく、テーブルコンシェルジュのようなトータル的なサポートが必要なのかもしれません。そこまで気配りすることによって、ゲストの本当の満足度は生まれてくると思います。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月11日号)

