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キーマンに聞く

みんなのW×ブライダル産業新聞合同企画 〔連続企画第10回【招待・サービス】〕ドリンク提供への指摘【みんなのウェディング レビューアナリスト 黒須裕子氏】
ユーザーからの口コミが会場のCSを測る基準であるならば、どのような視点でチェックしていくべきか。くふうウェディング(東京都中央区)の『みんなのウェディング』と本紙合同でそれぞれのカテゴリーの傾向と分析をまとめていく連載企画。10回目の今回は、【招待・サービス】。招待ゲストが、結婚式場の料理・サービスに対してどのような投稿をしているのか。当たり前のことが出来ているか、出来ていなければネガティブな反応に繋がっていく。
招待ゲストが、口コミにどのような投稿をしているかについて、特に多いのはスタッフと料理に対する評価だ。そこで4 点以上のポジティブな評価、3 点以下のネガティブな評価それぞれに、どのようなワードが頻出しているのか、料理とスタッフの項目それぞれを、ユーザーローカルAIテキストマイニングにより分析した。
「料理について、ポジティブな評価に多かったのは【温かい】のワード。逆にネガティブなコメントとして、『スープが冷めていた』といった投稿も目立ちます。当たり前のことであるからこそ、キチンと出来ていないと満足度に影響しやすい内容だと言えます。その他には【料理の量】というワードも、満足に感じる人がいる一方で、少なければ不満に繋がります。両方に出てくるのは【お肉】。メイン料理に対して期待値も高いことから、満足・不満共に指摘されやすいと考えられます。」(プロダクト企画部部長・竹中達郎氏)
スタッフについては、【ドリンク】のワードが両方に出てくる。ドリンク提供に対する口コミは、特にネガティブな評価では数多く登場するのも事実だ。ほかには【スムーズ】というワードも。披露宴のみならず、結婚式一日全体の進行、流れに対する評価を反映している。
「今回は招待投稿の年齢別(横軸)に、料理・スタッフに対する平均値を出しました(上図)。いずれも、20代前半の高い水準から、年齢を重ねるにつれ落ちていく傾向になっています。時に20代後半~30代前半の世代は、結婚式に列席する機会も多く、他の式場と比較しながら厳しくチェックしているということが考えられ、細かい指摘も投稿には多くなっています。料理に関しては総じて、基本を徹底することで、ポジティブ評価に大きく振れます。一方でスタッフに関しては、当たり前のことをきちんと対応していても特別に高く評価されるというわけではなく、そのためネガティブに触れないようにしていく劣位解消的な意識が必要ではと言えます。」(竹中氏)
個別の口コミ内容についてはどうか。定性的な分析として、料理に関しては『肉が硬い』、『魚がパサパサしている』といった厳しい評価も多い。一方で『料理は美味しくない』、『普通です』と書きながら、その後に『パンは美味しかったです』とフォローしているケースも目立つ。
「スタッフについては、個人のミスへの指摘もあれば、仕組みそのものの課題に対する指摘もあります。例えば『ドリンクがなくなって声をかけたいのに誰も気づかない』などは、人員配置、教育面の課題を表しています。またネガティブ投稿の多くは、1 つのミスに対してではなく、いくつかの項目を複合的に含んでいます。ただし必ずしも全てマイナスというわけではなく、『スタッフはダメだが、料理は良かった』といったプラス評価も併記されています。つまり、ゲストは細かく全体をしっかり見ていて、その印象をクチコミに投稿しています。」(レビューアナリスト・黒須裕子氏)
ネガティブな投稿で多かった指摘としては、『サービススタッフがバタバタしている』。スタッフの慌ただしい動きによって、ゲストは落ち着けない。また、動画の鑑賞中にサービススタッフが視界に入り、見づらかったという声も目立った。
結婚式のサービスの場合、時間制限のある一方、ゲストの食事スピードはまちまちでもある。一斉に料理を出していくため、テーブルに複数の食べきっていない皿を並べざるを得ない、また早めに皿を下げないといけないというケースも出てくる。そこで、一言声を掛けるかどうかによって、評価にも大きく影響してくる。配膳に対する指摘について、声掛け次第で解消するだろう投稿は多い。
「『皿を席次表の上に置いた』、『無言で料理を置かれる』、『テーブルの上のハンカチや私物を断りなく動かされる』といった指摘もあります。一言声を掛ければ、逆に丁寧な対応と評価されるだけに、もったいないと思います。」(黒須氏)
声掛けについてはドリンクでの指摘も多く、『積極的に声を掛けておすすめしてくれた』というポジティブな評価も。特に最近はアルコールだけでなくノンアルコールの種類を増やしている会場は多く、どのような種類を用意できるかという声掛けをするだけで、おススメしてくれたという印象に繋がる。
「当たり前のことが出来ていないと、ネガティブに振れやすい一方で、声掛けも含めた丁寧さや結婚式を盛り上げるような対応に、高評価の投稿もあります。好評価のコメントとしては、『すぐに対応してくれた』、『気づいてくれた』は頻繁に出てきて、また具体的事例として、『トイレに行って戻ったらナプキンをきちんと畳んでくれていた』、『ゲスト同士の会話を聞いて苦手食材を除去してくれた』。そのほかに『テーブル担当が余興までの時間にゲストと会話しながら、拍手の練習をして盛り上げていた』など。」(黒須氏)
サービススタッフは、学生アルバイトに任せている会場も多いため、そもそもフランス料理、コース料理への理解も浅い。本来であればそうした部分は会場側で教育すべきであるものの、なかなかそこまで手が回らない。例えばドリンクと言えばアルコール又はソフトドリンクとメニューにあるものしか理解できず、『水を頼んだ際に驚いた反応をされ、不快感を覚えた』という口コミも発生している。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月11日号)

