LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

【Key Person(前編)】自社運営施設を開業「不必要なもの」をそぎ落とす(CRAZY 創設者 山川咲氏)
オーダーメイドウエディングのプロデュースでブライダル業界に一石を投じてきたCRAZY(東京都墨田区)が、2019年春、表参道に自社ブランド会場【IWAI】を開業する。会場を持たないことをポリシーにしてきた同社が、何故会場運営に着手するのか。同時にこれまで1000組を獲得してきたCRAZY WEDDINGのスタイルが、会場ではどのように展開されるのか。IWAIブランドでは、「披露宴のない結婚式」を提供。新しいスタイルに挑戦する山川咲氏の想いを2回に渡って紹介する。(前編)
――IWAIの話を聞く前に、山川さんは一時ブライダルの仕事を離れていましたが、今年から完全復帰したそうですね。
山川「2016年の5月に情熱大陸に出演しました。その後の反響が大きくプレシャーも。精神的に厳しかったことで、3ヶ月間休み、旅に出たりしていた矢先に子供が出来ました。そこで私自身の生命力が高まり、エネルギーが湧いてきたのです。最初は子供中心で仕事はある程度でいいかなとも思っていましたが、やっぱり私は仕事をする人間であると。そこで昨年暮れから仕事を徐々に始めたタイミングで、今回のIWAIの話が舞い込んだわけです。4月からはフルタイムで完全復帰し、現在はIWAI開業に向けてのプロジェクトを進めています。」
――会場を持たないCRAZYが、来年の春にあえて会場運営に着手するには、相応の決断も必要だったかと。
山川「そもそもCRAZYは、いい結婚式を作るために会場は持つべきではないという思想からスタートしているわけです。しかもこの会場は、非常に難易度も高く、周囲の人からは結婚式場では難しいとも言われました。ただ、信頼する人に相談した時に、これまでの6年のCRAZY WEDDINGの実績をベースに、新しい何かをやれば立て直せる可能性があるのではとアドバイスされました。最終的に腹を決められたのは、6 年前、CRAZYを立ち上げた時に考えていたことを、会場運営でも証明したいとの想いでした。」
――考えていたこととは。
山川「ウエディング業界の会話として、いかに顧客単価を上げるかといったような話が当たり前にされているわけです。そもそも結婚式に魅力がなく、挙げる人も減少する段階であれば、当然どのようにして結婚式を良くしていくかがクローズアップされるべきなのですが、アップセルばかりが注目されることに理解が出来ませんでした。そこで私はオーダーメイドで本当に2人にとってベストな結婚式ができる事を証明していくとの想いからCRAZY WEDDINGを立ち上げました。 誰にも分かってもらえなくてもいいアンチテーゼとして、自分たちも燃えていましたし、それを求めているカップルに対し6年で1000組の結婚式を手掛けてきました。CRAZY WEDDINGは、毎回ゼロから二人に話を聞き、それに合った会場、装飾を提案していくことがアイデンティティであり、それこそが最高のサービスだと思って立ち上げ、全てのカップルがこのスタイルで挙げるべきだと。ただ私も34歳と年を重ね、 当然好きなもの、見えるもの、大切にする価値観も変化しています。CRAZY WEDDINGの素晴らしいサービスを届けるだけでなく、1人でも多くの人達に結婚式の価値を届けたいという気持ちの変化が生まれてきました。それならば、あえて会場を持ちながら、全く新しいオペレーションの代案を世の中に提示できれば、本当の意味でこの業界、この社会、この世界を変えていくことが出来るのではと。そこに挑戦したいと考えるようになったわけです。」
山川「全国の式場に話を聞くと、毎回同じようなことを言われてきました。それは、会場を持っていないあなた達が言っていることは理想で、会場がないからオーダーメイドスタイルの結婚式が出来るのだと。果たしてそうなのでしょうか。会場があっても素晴らしい結婚式が出来る。そんなモデルを世の中に提案したい。それが実現すれば、会場がありながらも、より素晴らしい結婚式を求める人たちから選ばれるはずです。起業の際、1人でも多くの人に意志のある人生を届けるということを掲げましたが、今回会場を持つことで本当の意味でそれをスタートすることが出来ると思っています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、夏季特大号)

