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【匠のWAZA】本場で培ってきた経験 気候次第で材料も変更(ハイアット リージェンシー 東京 料飲部 ペストリー・ベーカー料理長 佐藤浩一氏)

【匠のWAZA】本場で培ってきた経験 気候次第で材料も変更(ハイアット リージェンシー 東京 料飲部 ペストリー・ベーカー料理長 佐藤浩一氏)

 ハイアット リージェンシー 東京(東京都新宿区)の佐藤浩一氏は、2012年から、料飲部 ペストリー・ベーカー料理長を務めている。元々料理人を目指していたが、「マキシム・ド・パリ」のシェフが作るスイーツに感動し、パティシエを目指した。同店での勤務やフランスで培った経験が現在に活きている。

――銀座「マキシム・ド・パリ」のレシピが原点ということですが。
「10 年間勤め、製菓の基礎を学びました。今振り返ると、バターや砂糖をたっぷり使用したクラシックなスイーツです。しかし基本が出来ないと、アレンジしても味がぼやけます。最近の傾向は軽くてしっかりしたスイーツですが、基礎があるからこそ、材料を減らす加減も分かります。」
――効率的な仕事のやり方も学んだそうですね。
「進行管理を叩き込まれました。マキシムにはレストランのデザートコースを当番制で担当するシステムがあり、その日は緊張したものです。理由は、張りつめた中、フレキシブルな対応をこなしていかなくてはならないから。通常のコースを調理中、アラカルトのオーダーにも対応しなくてはなりません。スケジュールを管理し、臨機応変な対応を迅速にこなすことを求められました。」
――渡仏した時には、製菓素材に感動したとか。
「2000年当時、日本では限られた輸入食材しか見てこなかったので、本場の食材の値段、良質さに驚きました。例えば高品質のチョコレート。日本では1㎏2000円以上するものが、フランスでは500円で売っていました。」
――フランスでは青木定治シェフのスイーツショップに勤務したそうですね。
「良いものを知るからこそ、悪いものも分かるわけです。『パティスリー・サダハル・アオキ・パリ』で学び、ハイアットに勤務する現在もその理念を心がけ、ホテルならではのスイーツを提供しています。もちろん素材にもこだわり、チョコレートはパリ時代に使い慣れた『ヴァローナ』や、青木さんが取り入れていた『ドモーリ』を使用しています。」
――スペシャリテのマカロンは、1日15セット売れることもあります。
「フランス時代、何万個も制作しました。気候と材料を熟知しないと作ることの出来ない、非常に難しいスイーツです。卵白は寒いとしっかりメレンゲが作れますが、暑い日には鶏が飲む水分が影響し、弱いメレンゲになるので、乾燥卵白を加え補強します。アーモンドパウダーは、油脂分が多いスペイン産を少し粗めに挽いたものを使用し食感を出しています。水分を含む卵白と油分の多いアーモンドパウダーを混ぜるのもテクニックが必要。材料をグラム単位で計ることと、制作を重ね感覚を磨くことの両方が大切ですね。」