LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

【匠のWAZA】中国料理出身の強み フランス料理の手法を融合して高める(ハイアット リージェンシー 東京 取締役 総料理長 永沼勝之氏)
ハイアット リージェンシー 東京(東京都新宿区)の取締役 総料理長・永沼勝之氏は、中国料理出身。現在は中華と洋食、双方の長所を取り入れたメニューの作成を助言、提供している。
――昨年、ウエディングコースを変更。季節によってメニューを変えています。
「以前は顧客が食べたいものを組み合わせるコースでしたが、レストランのように、シェフが選んだその時最高の食材を使用した料理を提供したいと思いました。通年で同じメニューだと、季節によって食材の味にバラつきがあります。旬の素材を使うことで、安定して高いクオリティを出せます。意識していることはガロニ(付け合せ)に手を掛けること。メインの肉などは良い食材で美味しく出来るのは当たり前。サイドに野菜をプレスしたミルフィーユ等を添えています。」
――今でも勤務時間の半分は厨房にいるとのこと。
「常にキッチンにいたいと思っています。休憩中はアスパラの皮むき、ブロッコリーや上海ガニの掃除をすることも。混み合ってくると、冷菜の盛り付けを担当させられます(笑)。修業時代『皆が10年かかるところを3年で覚えるように』と言われ、休みなく山のような切り物をしていたことが、クセになっているのかもしれませんね。」
――10年前から中華料理にフレンチの手法を取り入れています。
「中華は熱いものを素早く大皿に盛り付けます。しかしこの手法は一皿一皿少量で提供する宴会料理には不向きです。そこで洋食で使用する温蔵庫に直前まで肉を入れ、仕上げに熱いソースをかけて温度を保つようにしました。また当ホテルの和、洋、中の料理長同士で食材を共有。より良い料理を考案し、高め合うように。今年の婚礼の春の中国料理にはオマール海老のチリチーズソース、夏には、鰻のスープ炒飯をメニューに組み込みました。」
――ハイアットの中華料理には、ほとんどごま油を使用していないとか。
「日本ではごま油のイメージが強いですが、本場の中国ではそれほど使用されていません。素材そのものの香りを味わってほしいことが理由です。当ホテルでも鶏油、大豆油、豚油などを使っています。」
―― 6年前、娘さんの結婚式で腕を振るいました。
「幼い頃、私が多忙であまり構うことが出来なかった。彼女の晴れの日の料理は、絶対作りたいと思っていました。メニューには娘の名前を入れました。コースの説明、挨拶の後コックコートに着替え、厨房へ。創作料理2品を加えたコースを提供しました。新婦の父との兼任は忙しく、私は結局おにぎりしか食べられませんでしたが(笑)。ホタテガイのムースに毛ガニのソースを加えた豆乳プリンはゲストの反応も良く、後にレストランで商品化したほどです。」

