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《輝く女性支配人 VOL.32》サービス料をもらう責任 4人の子を持つ母として働き方改革も【エルムガーデン 支配人 阿妻梨奈さん】
教育大学から進路を変更し、マスダプランニング(札幌市中央区)に新卒で入社した阿妻梨奈さん。サービスからキャリアをスタートし、現在はエルムガーデンの支配人として、宴会やレストラン部門を中心に見ている。一度は同社を退職したこともある少し“変わった”キャリアで、4人の子どもを育てるママとしても奮闘中だ。これまでの様々な経験は、サービス料をもらうことへの責任感、女性にとって働きやすい職場環境の整備など、今の阿妻さんを形成している。
【リケジョから婚礼の道へ】
「子どもが信頼を寄せる教師になりたいと、高校卒業後は道内の教育大学に進学。転機はスポーツバーでのアルバイトで、大人と関わる面白さを実感し、より多くの人に会える仕事は何かと考えた結果、婚礼業界に辿り着きました。ちなみに大学在学中、中高の数学、小学校の教員免許をそれぞれ取得。いわゆる“リケジョ”から(笑)、一気に進路を変更しました。」
「新卒でマスダプランニングに入社し、現場のサービスからスタート。『多くの人と関われる仕事がしたい』との理由で業界への就職を決めたので、サービスは希望通りのセクションでした。入社後は体力的に辛かった一方、『また明日も頑張ろう!』とスタッフ同士気持ちを共有できたのは、とてもいい経験でした。ブライダル業界への就職=プランナーというイメージも強いなかで、私自身サービスの持つ可能性を強く感じています。数十年かけて消費していく家とは違い、結婚式はたった3時間ほどに数百万円を支払う買い物。特にサービス料は衣裳、料飲などと異なり、目に見えない“コト”への対価なわけです。現場のスタッフが式当日にいいサービスをしない限り、サービス料への納得感は絶対に得らません。AIが進化していく中、結婚式の接客は人でしか成しえないと心から思っていますし、この考えは若手メンバーにも伝えるようにしています。」
【朝8時半からできる仕事】
「新卒入社の1年目の冬、第一子の妊娠を機に一度会社を退職。ありがたいことに『戻ってきて』と声を掛けてもらえたので、産後5ヵ月でマスダプランニングに再就職しました。エルムガーデンはレストランも併設していて、復帰後はコンシェルジュとして予約受付や来館ゲストの案内、宴会窓口などを担当しました。一般的に婚礼施設の場合、平日は11時前後からの勤務が多い中で、保育園へのお迎えを考慮し、出勤時間を朝8時半に前倒し。とはいえ電話受付開始までだいぶ時間もあったので、この朝の時間をうまく活用し、会社としてなかなか手を付けられていなかった顧客管理業務にも着手し始めました。『勤務時間に制限のある私を雇用する会社のメリットは何?』と落ち込むことも当時はあったものの、私なりの働き方を見出し、経験を重ねていきました。その後2021年に第二子を出産し、8週間で復帰。しばらくは子ども2人を両脇に抱え電車に乗り職場に向かう、目まぐるしい日々でしたね(笑)。コロナもまだ先が見えないタイミングでしたし、家庭と仕事の両立から、『在宅勤務などもう少しフレキシブルに働けたら』と思うようにもなりました。ちょうどその頃は、会社としても宴会営業に注力し始めていました。宴会クライアントへの対応は平日がベターですし、メール返信、資料作成であれば、産後のママスタッフも十分スキルを発揮できると感じました。仕組みさえきちんと整えれば在宅勤務でも対応可能なはずですから、私自身の経験も活かし、システムの見直し、オンライン化などを会社に提案。女性の多い業界だからこそ、産後もキャリアを諦めずに済む道を模索しながら整備していきました。」
【長く働ける環境を用意】
「現在はエルムガーデンの支配人として、ブライダルマネージャーと協力しながら、宴会、レストランを中心に見ています。一般的に支配人になるまでに、チーフ、アシスタントMGRなどと肩書が変わっていくケースも多いかと思いますが、私の場合は平社員から一気に支配人となりました(笑)。打診された時も、『子どもがいるので8時半から17時半の勤務時間は変えられない』と前もって会社に伝え、家庭と仕事の両立を図っています。現在社内に新設したDX部門において、フルリモートで活躍中のママスタッフもいるなど、少しずつ変化も出始めてきました。全国展開する大手企業ではないからこそ、スタッフに長く働いてもらえるかどうかは、会社にとっても“肝”。日曜日に預けられる場所があれば働けるスタッフもいるでしょうから、人事部とは『将来的に保育園を作りたい』と話しています。まだまだ遠い未来ではありますが、いつか叶えられる日を私は夢見ています。」
【プロフィール】大学卒業後、2016年4月にマスダプランニングへ新卒入社。婚礼・レストランサービスの現場に従事し、接客やおもてなしの経験を積む。その後、コンシェルジュ業務や宴会・婚礼運営に携わりながらキャリアを重ね、2024年11月にエルムガーデンの支配人に就任(現職)。現在はレストラン営業、宴会、婚礼、イベント運営など店舗全体のマネジメントを担う。北海道の四季と日本庭園の魅力を活かした企画づくりに取り組むとともに、4児の母として子育てと仕事を両立。スタッフ一人ひとりの成長を支える組織づくりに、力を注いでいる。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、8月21日号)

