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《単価UPどう考える》新規段階で450万円以上【東京會舘 常務取締役 営業本部副本部長 星野昌宏氏】

《単価UPどう考える》新規段階で450万円以上【東京會舘 常務取締役 営業本部副本部長 星野昌宏氏】

 平均人数75名に対して、施行単価は550万円以上。一人当たり8万円前後で推移しているのが東京會舘(東京都千代田区)だ。同社はこれまでも単価アップの施策として、ヘアメイク、フローリストの指名制、カメラマンの2人以上体制など様々な手を打ってきたが、今年になってから重視しているのが新規対応だ。マーケットの低価格化に流されることのない入り口部分の整備によって、最終単価も高めている。今号から2回にわたり、同社の常務取締役・星野昌宏氏に、単価アップにおける新規の重要性を聞いた。

最後まで担当する責任を

――新規段階で450万円以下の場合には、婚礼としてはノーカウントにしているそうですね。

星野「東京會舘という場所の時間的、空間的な価値を下げないことを重視しています。あくまでもこれまでこだわってきた商品をさらに磨き続け、そこに価値を感じてくれる人を受注するというスタンス。ただ来館する顧客の意識が変化しており、『この状況でも結婚式をしてあげている』という考えの人もいるため、新規の対応は難しくなってきたとも言えます。それでも、我々のスタンスは変えない。ターゲットを絞っている以上、低価格を求める場合には成約に至らなかったとしても、ある程度は仕方がないという意識です。もともと成約率の基準は60%でしたが、今は20、30%でも構わないという割り切りも必要ではないかと。」

――新規の段階から、一定のラインを引くということですね。

星野「事前、来館時のアンケートの予算感を見た時に、40名~60名、予算は出せても350万円までという場合があります。仮に見せかけの安い見積もりで獲得したとしても、入り口で低価格でも出来るのだと期待させた分、後で裏切られたと思われるだけ。会社に対しての不信感にもなり、打合せ時や当日に大きな負担がかかってきます。新規獲得時に一定の単価を下回っているのであれば、その後の全ても自分で担当しなさいとスタッフには伝えています。というのも人数が少ない、単価が安い場合、必要なものは省かれ、さらに持ち込みが発生する可能性も高まる。その都度イレギュラー対応を余儀なくされる以上、それならば獲得した本人が当日の施行まで責任を持ちなさいという考えです。成約だけして、あとは打合せや当日担当に押し付けるのは、無責任ですから。」

――結果として一番初めの新規段階から、プランナーも適正な料金とその内容を説明しなければという意識になります。

星野「450万円の見積もりがボーダーラインになるということは、人数はもちろんのこと、エンドロール、プチギフト、筆耕などが当然入り、ドレスは通常で2 着、料理もスタンダードなメニューになります。70名450万は、普通であれば超えるラインですから。ということは、人数が少ないか、予算がタイトかのどちらか。私達のターゲットは、予算がオーバーしていたとしても、それでも東京會舘で結婚式をしたいという人達です。そのポリシーを崩して、仏滅だから安くするなどといった新規にありがちな手法をとるべきではない。つまり、全てを自分で担当するということが、ブレーキになります。もちろん450万円以下であれば、単価アップによって数字をクリアするのも獲得した本人の責任。要は、数と率は重視するけれど、同時に獲得時の中身も評価しますということです。ほとんどの新郎新婦は適正価格なのに、一方では受注をしたいがあまりに人数・価格帯・持込みなどで特別扱いをしている。特定の顧客に対する配慮は、会社としても止めましょうというスタンスです。」

 

変化する来館者への対応

――特定の顧客への配慮と言うと、本来は適正な料金を支払ってくれる、いわば上得意顧客にすべきものです。ところがブライダルでは、そうでない層が特定となり、そうした人に配慮してしまうケースが非常に多い。

星野「確かにそうで、お金を上げたくない人たちに対して特定の配慮を行使していることが一般的。むしろ、お金をたくさん払ってくれる人だからこそ、特定の配慮を色々考えるべきです。さらにSNSの普及によって、価格や持込みなどの配慮をしてもらった人達の声が広まり、結果イレギュラー対応がどんどん増えていく。自らの首を絞める形で、打合せ・当日対応の難易度も上がっていきます。これまでのようにとにかく獲得すればOK、獲得する人は偉いという意識ではなく、東京會舘としては取り方を重視していこうと。今後はその方針に基づき、新規スタッフもどんどん入れ替えていこうと考えています。」

――それはシビアですね。

星野「単価もそうですし、仮に新規時に何か問題があった場合も、その傷を会社全体で被ることになります。会社にとってリスク要因であればこそ、闇雲に件数を追うという意識で対応してもらっては困る。そもそもエージェントの送客に関して、60名以下は取らないなど狭くしているにもかかわらず、当のプランナーが少人数でも構わないと考えていては本末転倒です。これまでは私自身も打合せ部分にウエートを置いてある程度のオペレーションを作ってきましたが、今年からは新規の改革を進めています。」

――もともと東京會舘は、新規来館についても一定の心理的なハードルを顧客自身側が持っていたような印象もあります。

星野「そこは潮目を感じていて、慎重に状況を見極めているところです。低予算はもちろん、無茶を当然のように言ってくる人も見かけるようになりました。恐らく、色々な会場を検討する人が多くなっているのかと。普段バッティングもしないような、群馬の会場を同時に検討しているという人もいますから。それでも常々思っているのは、結婚式は当日の一発勝負ではなく、やはりプロセスが大事。受注したいからとその場しのぎでまやかしの説明をすれば、獲得できたとしてもいつかそこを激しく糾弾されます。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月21日号)