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《いい結婚式に繋がるプランニングのこだわり》式当日まで続くプランニング プロとしてプランナーが介在する価値【ブラス エグゼクティブプランナー アージェントパルム 副支配人 藤井菜実氏】

《いい結婚式に繋がるプランニングのこだわり》式当日まで続くプランニング プロとしてプランナーが介在する価値【ブラス エグゼクティブプランナー アージェントパルム 副支配人 藤井菜実氏】

求められる当日の判断力

皆さんこんにちは。隔月掲載の本連載も、早いもので今号が最終回。総まとめとして、結婚式当日にもプランナーが介在する重要性と、『当日判断・当日もプランニングしながら完成させる』ことについてお話ししたいと思います。

言うまでもありませんが、結婚式というのはハッピーなイベント。どの式場も分刻みで進行表を用意していて、その通りに進めていけばきっと素敵な結婚式は出来上がるはずです。一方で、より感動的でいい結婚式を創るためには、式当日の新郎新婦・ゲストの表情やテンション、天気・気温などを見ながら、様々な細かい判断を下す必要があり、それが『式当日のプランニング』と言えます。

例えば天気。夏の結婚式で、挙式後に屋外でフラワーシャワーや撮影をする予定だったとしましょう。あまりの暑さであれば、チャペル内で退場時にフラワーシャワーを行うという引き出しもあります。もっとも、気温だけが判断材料ではないのは当然のこと。例えば、待合でのゲストの雰囲気が「暑いけど、結婚式すごく楽しみだね!」となっているのか、「今日は本当に暑いね…」なのか。また、ゲストの年齢層でもジャッジは異なります。さらに、打合せで聞いていた新郎新婦の要望が、「フラワーシャワーが小さい頃の夢だったので、素敵なガーデンのあるこの式場に決めたんです!」というように屋外でのフラワーシャワーのモチベーションが高いのか、「ゲストを最優先に考えた式をしたい」なのかでも、答えは変わってきます。このように、新郎新婦と打合せをしてきたプランナーだからこそ、2人の要望とゲストや天気などを見ながら、結婚式当日に細かい判断ができると感じます。

進行の順番や時間配分も当日判断が重要です。例えば披露宴での写真タイムやテーブルフォト。列席人数60名のパーティーで、20分の時間を確保していたとしましょう。それぞれのゲストと撮影もでき、場内の雰囲気に満足感が見えてきたら、早めに切り上げるという判断をすることもあります。間延びすると、ゲストの感情が途切れてしまうので、状況に合わせて時間を早める、変更するのも当日判断のポイントです。

もっとも、結婚式はチーム全体で創るものですから、プランナーが判断をするとしても、情報共有は欠かせません。特に進行を早める場合などは、その早めたスケジュールに合わせてどのタイミングで料理を提供してもらうのか、シェフとの相談も必須。結婚式は1つのストーリーになっているので、いい流れを止めないように、時には早く進めるのも大事です。

そのほかに、進行表の順番を変えること、待つことも必要。例えばプロフィール映像を上映する直前で、新婦母が化粧室に立ったとしましょう。打合せで「これまで育ててくれた両親に、感謝を伝える1日にしたい」と新婦が話していたとすると、間延びしても「待つ」という判断が必要になります。

また、私が重要だと考えているのは、新郎新婦に都度確認をしないようにすること。「お母様が離席しているのでプロフィール映像は少し待ちましょうか?」と聞くとすると、1回の確認に数十秒はかかります。それは新郎新婦の大切な時間を〝奪う〞こと。且つ、気分が高揚しているなか相談されても、何がベストな判断か2人は分かるはずがありません。だからこそ、全体を客観視しながら、結婚式のプロであるプランナーが、新郎新婦に成り代わってベストな判断をしていくことが重要。それが当日までプランニングをするということ。そのためにも、「○○さんに任せますよ」と言ってもらえる関係性を、打合せ段階から構築することが必要不可欠です。

こうした瞬時の判断力、当日のプランニングスキルは、一朝一夕では習得できません。そのためにも結婚式の現場を可能な限り見ること。当日どんなことが起こり、どんな感情になるのか。進行の順番や、曲・照明の使い方で雰囲気が変わるなど、一つひとつを体感することが重要です。

結婚式までではなく、披露宴後に新郎新婦をお見送りするまでがプランニング。細かい判断の積み重ねが「なんか今日すごくいい結婚式だったね」を創り上げます。その判断は、結婚式のプロとしてのものか。カップルに寄り添うだけではなく、プロとしてよりいいものに導いていく意識、そのための経験と知識が大事。そんなプランナーが増えていけば、いい結婚式は更に増えていくはずです。

1年間ご愛読いただき、ありがとうございました。

詳細はブライダル産業新聞紙面にて、8月21日号)