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キーマンに聞く

《いい結婚式に繋がるプランニングのこだわり》会場レイアウトの創りこみ【ブラス エグゼクティブプランナー アージェントパルム 副支配人 藤井菜実氏】

《いい結婚式に繋がるプランニングのこだわり》会場レイアウトの創りこみ【ブラス エグゼクティブプランナー アージェントパルム 副支配人 藤井菜実氏】

自然と会話が生まれる距離感

連載4回目は『舞台上(会場レイアウト)の創りこみ』について。装飾や世界観というよりは、会場・施設をどう活かしきるかの観点から、具体的な話をします。

一昨年のGOOD WEDDING AWARDで発表したカップルの事例を紹介します。コロナの影響で、当初予定していた多人数の披露宴から、両家親族だけの食事会に切り替えた新郎新婦。人数は新郎新婦それぞれ約10名ずつで、感染対策のため「お互いの親族が一定の距離をとって食事をできるようにしてほしい」という、希望もありました。120名収容のバンケットに、ゲストテーブル4卓と高砂を配置すると、少し〝寂しい〞印象になってしまうため、両家の親族ごとに分けた流しテーブルを提案しました。

では新郎新婦はどこに座るべきか。親族ごとに分けた流しテーブルの間に新郎新婦席を配置して、『コ』の字にレイアウトすることはできます。一方でその配置では、それぞれが食事をするだけになってしまい、新郎新婦と親族の間に会話が生まれにくく、盛り上がりづらいだろうと考えました。

そこで、新郎親族・新婦親族の流しテーブルに対し、『T』の字になるように新郎新婦席をそれぞれセット。新郎側に用意した2人の席に座れば新郎親族との会話を楽しめる。新婦側のテーブルに移動することで、どちらでも自然に会話が生まれました。

今回は食事をする席とは別に、バンケット前方にフォトスポットも設置。食事が中心のパーティーだからこそ、ゲスト一人ひとりと新郎新婦が3ショットで写真を撮れるようにしました。高砂やフォトスポットのレイアウト次第で、自然とゲストが立ち上がり、「あそこで写真を撮ろうよ」という雰囲気が生まれるのです。

他にも、アーチ型の装飾をバンケットの中にセットするなど工夫を凝らし、ゲストの感情を左右する〝広さに対する少人数の寂しさ〞を感じさせないような工夫も。レイアウト次第で満足度は大きく変わります。少人数こそ、新郎新婦とゲストの距離感や空間づくりを大事にしています。

結婚式は新郎新婦をお祝いする場ですが、ゲスト同士が会話を楽しむ場でもあります。だからこそ『ゲスト同士の距離感』を決める、席次表の打合せはとても大切です。仮に、プランナーから「当会場のテーブルは最大7名着席できます」と言われると、7名にするために組合せを考えるカップルもいるかもしれません。例えば、中学の部活仲間4人と高校時代の友人が3人。「4+3=7でピッタリ収まる!」と考えてしまうのではないでしょうか。

しかし、会場のスペースに余裕があるなら「異なる友人グループはテーブルを分けて、話しやすい空間を創りましょう!」と提案することも重要。初めましての人たちが同じテーブルについて、会話は盛り上がるのか、同じ温度感で感動や笑いを共有できるのか。サービス面ではなく、ゲスト同士の関係性と距離感を踏まえた席次やテーブルのサイズを、アドバイスすることが求められます。

 

ゲストからの見え方も配慮

また、余興で友人がダンスを披露する場合は、余興をする位置やメインテーブルもポイント。当社はキャスターのついたメインテーブルを使用しており、余興の際にはテーブルを端に移動。ゲスト側に移動させた椅子に新郎新婦を座らせて、バンケット前方の中央で余興を披露できるようにしています。バンケットの端と中央でやるのでは見栄えも違いますし、ゲスト全員から見やすくなります。

人数の多いパーティーの場合、座席によってはどうしても演出や余興が見えにくいことも。それを防ぐためには、実際に準備の段階で、プランナー自身がそれぞれのゲスト席に座って、どう見えるのかをチェックすることも大切。レイアウトを調整しても演出が見えにくい場合は、式当日そのシーンの前に「この後、新郎新婦が登場しますが、立った方が見やすいので」と声掛けを工夫することもあります。また、高さのあるゲスト卓の装花も考慮すべきポイントの1つ。「見えづらい」という余計な感情は、感動を途切れさせてしまいます。ゲストも楽しめる空間創りを忘れてはいけません。

どんなレイアウトを組み、どこに新郎新婦が立って演出を行えば、より素敵で、ゲストの心が動くシーンになるかを考える。それが『舞台上を創りこむ』ということで、プランナーの重要な役目と言えるでしょう。

詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月21日号)