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キーマンに聞く

顧客毎のスクリプト生成【ニュー・バリュー・フロンティア】
ニュー・バリュー・フロンティアの提供しているウエディング接客特化のAIサービス【ドルフィン】は、現在導入会場も10ヵ所を超え、今年は100会場での運用を目標にしている。機能も順次アップデートしており、新規接客サポートの領域では様々な業務を網羅する形も整った。6月を目途に打合せ、集客に関する機能もリリースする予定で、業務効率化のみならず、売上アップを目的とした戦略構築のために不可欠となってくることが考えられる。
アンケートから分析する
――新規接客に関するAI機能は整ったようですが、実際にどのようなサポートを実現しているのでしょうか。
金増「まず、新規顧客のアンケートを取り込むと、会場案内のスクリプトが生成されます。例えば来館動機のアンケートの回答から、どんなビジュアル・内容をフックとして来館したのか、何を求めてきたのかを見つける分析を行います。また、競合の情報なども合わせて顧客のペルソナを弾き出し、答え合わせとしてどこでどういう風に提案するかを表示します。分析のためには、過去の顧客データから鑑みて、こういう傾向の場合はこういうポイントを選ぶといったことを客観的に検証。来館動機・重視ポイントといった仮説を立てて、成約までの仮説のストーリーを作ります。もちろんどこの会社にもスクリプトはあるものの、それをプランナーが頭の中で組み立て、実際の案内に活かしていました。この組み立てを、全てドルフィンで対応しています。」
金増「ただ、この段階ではあくまでもアンケート情報を読み込んだだけの仮説であるため、その精度を高めるためにヒアリングでさらに情報を集めていきます。プランナーがヒアリングをする音声データをドルフィンにリアルタイムで読み込んでいき、仮説だったストーリーの正解不正解を分析。最終的に顧客情報を確定させて、確定版のスクリプトを改めて出す流れで、会場の特徴に合わせてより具体化。来館動機に合わせた話、競合との差別化といったそれぞれのポイントは、この場所でこういう風にして伝えましょうと明示します。」
――同時に、顧客に合わせた画像も生成するそうですね。
金増「トークだけでは、なかなか伝わりにくい面もあります。そこでこの2 人に見せるのはこんな画像が良いというものを、ドルフィンは生成します。例えば披露宴会場を案内する際、新郎新婦が少人数パーティーを志向している場合には、少人数で実施している画像をAIが生成。プランナーはスクリプトのトークと合わせながら、iPadで見せていきます。」
――接客ストーリーの作成、顧客に合わせた画像の生成に加え、クロージングでも活用していく流れです。
金増「即決するためにはどうしたらいいか、切り返しの際にはどういうことを伝えたらいいかといった内容が項目ごとに表示されます。もちろんそれぞれの顧客特有の課題もありますから、例えば親御さんがホテルでの結婚式を希望している場合であれば、それをチャットで質問すると、切り返しのトークを瞬時に教えてくれます。」
――これまでの実績と、会場の評価はいかがでしょうか。
金増「一番早く使っているところで運用からすでに3 ヵ月になりますが、1 施設は成約率も10ポイント上昇。100件程度の会場では、15ポイント上がっている実績も出ています。会場の声としては、まずコントローラーを担っているマネージャー層から、今まで感覚的にしていたアドバイスをロジックとして語れるようになったと。実際にドルフィンは、表のトークだけでなく、裏側では表示した理由も全て出せます。いわばアドバイスの答え合わせも出来るため、自信を持って指示できるようになったと喜んでもらっています。またプランナーからは、自分でそれまで使っていたトーク以外の新しい視点を得られるといった評価ですね。成約率が上昇しているのも、新人やもともと低成約率だったスタッフの底上げによってと考えています。」
――接客後の分析機能も強化しています。
金増「教育的な観点で言うと、仮に失注となった場合にプランナーが理由を考えてまとめるのではなく、プランナーと新郎新婦の話をベースに、課題だったポイントなどをドルフィンが出していきます。より客観的に、かつ振り返りも短時間で済むようにしています。また接客数、成約数、成約率といったデータについても、ドルフィンから出せる仕組みを現在準備しています。マネージャー層としては顧客の声の分析と共に、数値の分析も求められます。当初は基幹システムとの連携も考えましたが、そもそもアンケートや接客の結果に対するデータも全部蓄積しているので、それならばウィークリーレポート、マンスリーレポートの資料のような形で抽出できるようにします。」
――今後は打合せ、集客の機能も拡充していく方針です。
金増「プランナーと顧客の音声データを解析し、それをタスク管理に落とし込んでいきます。発注シート、請書の作成までを、音声データから一気通貫で対応する形。また顧客の想いなども会話の中から弾きだし、それをパートナー企業やキッチン、サービスにも伝えていく。実際にプランナーで対応すると大変でしょうから、それを全部ドルフィンでサポートしていきます。集客については、顧客のリアルボイスを集客に活かしていく仕組みを構築していく方針です。5 月に実装予定をしていて、6 月ぐらいから本導入のスケジュール感ですね。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月1日号)

