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都の福祉職員から花事業に転身【アプローズ南青山 代表理事 光枝茉莉子氏】
障害者支援の継続支援B型作業所を運営する、アプローズ(東京都港区)の代表理事・光枝茉莉子氏。もともとは都の福祉事務所で働く公務員であったが、障害者の労務環境などに疑問を抱き、2014年に起業した。花を使ったオブジェやアレンジメントを手がけており、東京パラで使われたヴィクトリアブーケも制作した。コロナ禍で花の事業全体が厳しい状況であったものの、今後はブライダル業界との接点も作りながら障害者活躍の可能性を探っていく。
4ヵ所の事業所を展開
アプローズは、2014年の4 月に設立したB型事業所である。代表理事の光枝氏は、もともと都の福祉保健局で職員として従事し、障害者を支援する部署であったことから、その経験をもとに同施設を立ち上げた。
従事者と雇用契約を結ぶA型事業所に対し同所はB型であるため、従事する障害者は施設の利用契約という形で契約し、時給で工賃を支払う形だ。現在アプローズ南青山を含めて4 事業所を展開し、利用する障害者は35名。支援するスタッフの人数は合計20名となっている。
「花の事業所だけでなく、大田区にグループホーム2 ヵ所も展開しています。そこは定員が8 名の入居型の施設で、住まいを提供しています。将来一人暮らしをするための自活力を訓練する場所であり、住居と就労支援の場の2本を組み合わせて展開しています。」(光枝氏)
福祉事業所には自治体からの給付があるものの、それは支援する職員の人件費や設備費などが対象となる。働く障害者の工賃になるのは、あくまでも花の売上。コロナ禍により花の事業全体が落ち込み、ホテルやレストランの仕事が切られるなど厳しい状況もあったが、それ以上に大変だったのは起業時であったと語る。もともと公務員だった光枝氏。販売先開拓の営業などを経験したこともなかった。
「公務員として利用者があまりにも低賃金で働き続けているなどの現状を目にすることが多く、どうにかできないかという素朴な疑問から起業したのですが、いざ始めて見ると一筋縄ではいかないと。従事者の工賃を上げるために花の売上を増やさなければならないのですが、そのためには営業力や商品力が求められます。生まれて初めて飛び込み営業もしましたが、準備した資本金はあっという間に無くなり(笑)、軌道に乗るまでは1 年近くかかりました。現在は職業指導員が全員、花業界出身の人で従事者をサポートしながら商品力も高まっています。自分が培ってきた長年の花の技術を何かの形で社会貢献したいという思いを持って来てくれています。」(光枝氏)
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月1日号)

