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キーマンに聞く

連載9《自社運営施設では成約率60% 中小会場の成約率UP》切り返しトークではなく安心感を与える【KAKEHASHI 代表取締役 寺田英史氏】

連載9《自社運営施設では成約率60% 中小会場の成約率UP》切り返しトークではなく安心感を与える【KAKEHASHI 代表取締役 寺田英史氏】

前回、前々回で、最終クロージングの日程・見積もり提案を紹介しました。その上で、最後の決断をいかにしてもらうか。いわばやることは全てやったからこそ、テクニカルではなく、「私にお任せください」とシンプルかつストレートに決断を促していきます。

ストレートな投げかけによって、カップルは自ずと決断を求められます。仮にそこまでの接客に対する満足度が100%、120%の状態であれば、この一言に対して「お願いします」の即答をもらえるでしょう。ただ、ここまできても、二つ返事をもらえないというパターンはあります。そこからが、切り返しの領域です。

ここで注意すべきは、ブライダル業界でいう【切り返し】の是非。顧客の言ったことに対し、それを受け取らずに説得に入る形は効果的ではありません。まずは切り返しではなく、安心、納得を感じさせられるようなコミュニケーションを図っていきます。

例えばこの段階になってもまだ、「一件目だから他を見てからではないと決めるのが不安」と言われることも多いでしょう。これは条件的な部分ではなく、あくまでも気持ちの部分の問題で、心情的なネックと言えます。決めていいのかという不安がどうしても残っている状況で、仮に切り返しのトークを展開してしまうと、「決めれない理由は何ですか?」と聞き、その反駁に入ってしまいます。大切なのはまず気持ちを受け取り、「不安に感じるのは当然で、他の見学の人も同じです」と、安心感を与えることです。

さらに、「これまでの接客で一つでも2 人のイメージと違っていたり、具体的な不安要素があるのであれば、他の会場を見学して安心してもらった上で決断をしてもらう方が2 人にとってもいいです」と提案します。これは本来、顧客側から言いたいことで、それをプランナーから先に言葉にすることでより安心感に繋がります。

この言葉で、心情的なネックはあっても、具体的な不安があるかと言われた時に、それはないということに気づいてもらう。最後にその日3 時間、4時間かけて接客してくれたプランナーから、「私を信じてお任せください」と自信を持って言われれば、その自信になびいてくるのが購買心理です。

切り返しトークに終始してしまうと、顧客側も更なる切り返しを考え、次第にヒートアップしてくるもの。顧客の言葉に引っ張られながら粘っているという印象を与え、空気感も悪くなり双方しんどくなってきます。だからこそ安心感、納得感をいかに上手に与えながら、最終的に自信を持って提案できるかが大きなカギになります。

ちなみに、会場によって即決を推進するか、それとも再来を大切にするかの判断は分かれます。どちらかに振り切るべきであり、中途半端であると色々な方法をプランナーに与えて混乱を招き、結果として再来に引っ張られて決定まで至りません。

詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月1日号)