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連載8《AIで進める構造改革》情報が「漏れても仕方ない」は一番危ない【ニュー・バリュー・フロンティア 取締役 金増宏輝氏】

連載8《AIで進める構造改革》情報が「漏れても仕方ない」は一番危ない【ニュー・バリュー・フロンティア 取締役 金増宏輝氏】

前回、AIで打合せの会話を残す働き方について書きました。残す情報が増えれば、守る情報も増える。今回はその話です。個人情報の漏えいが、大企業、官公庁で毎週のように報じられています。「どこでも起きる」、「AIの時代だから」、「防ぎようがない」など「仕方ないもの」として眺めてしまっていますが、本当にそうでしょうか。
ブライダルの現場には、繊細な情報が集まります。家族構成、親族との関係、予算、転居、妊娠。普段は人に話さない情報もあります。信頼されているから預かれる情報ですが、漏れて傷つくのは新郎新婦です。
では、漏えいは外部からの攻撃だけなのか。宛先を間違えたメール。画面共有に映った顧客一覧。机に置かれた打合せシート。個人のスマホで撮った写真。便利だからと、会社が認めていないAIに貼り付けた打合せメモ。誰かが怠けたのではありません。忙しかった、2 人のために急いでいた、決まりがなかった。現場を知るからこそ、そうした気持ちはよくわかります。
セキュリティには何重もの守りがあります。侵入対策、端末管理、閲覧権限。それを整えるのは会社の仕事です。ただどれだけ外側を固めても、情報を扱う最後の一枚は人の手元にあります。守りはこの一枚の管理で決まります。だからこそ、現場に「もっと気をつけて」と言うだけで終わらせてはいけません。「誰が、どの情報を、どの端末やツールで、どこまで扱えるか」を決め、迷ったときに戻れるルールを作る。会社が仕組みを整え、現場が迷わず動けること。それが本当の守りです。
AIも同じです。どこに残り、誰が見られ、いつまで保存するかをキチンと決めてから使う。順番が逆になると、便利さが事故になります。守ることは、進化を止めることではありません。安心して進化するための土台をつくることです。
<今日から使えるAIプロンプト>顧客情報を扱う一日の業務内容を、実データを入れず書き出してみて、次の指示と一緒にAIへ入力してみてください。
「以下は結婚式場で顧客情報を扱う業務の一覧です。①漏えいしやすい場面、②その理由、③今日からできる対策、④会社が整えるべきルールを簡潔に挙げてください。推測せず、不明な点は『要確認』としてください」
※氏名・連絡先・会話内容などは入力せず、社内の利用ルールを確認してください。
漏えいは、感染症ではありません。防げるものを「仕方ない」と言わないこと。2人が話してくれたことを、話してくれた形のまま守る。それも、私たちの仕事の一部です。あなたの会場では、守りの最後の一枚を、現場の「気をつけて」だけに任せていないでしょうか。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、11月1日号)