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連載④《強い新規チームの土台つくり》不成約アンケートの活用【ブライド・トゥー・ビー 事業戦略部マネージャー 篠田 知里氏】

連載④《強い新規チームの土台つくり》不成約アンケートの活用【ブライド・トゥー・ビー 事業戦略部マネージャー 篠田 知里氏】

当社では、不成約となった顧客の声を大切にするために、アンケートを実施しています。この取り組みを始めて3 年、現在は不成約後であっても、約70%の人が回答してくれています。会場・スタッフ・料理・提案内容など、さまざまな項目について率直な意見を聞いています。不成約の理由を知ることは、より良い会場案内や、結婚式を提供するためのヒントになり、本当に価値のある提案ができているのかを見直し常に改善を重ねていくことも目的です。

アンケートを通じて、顧客の本音を知れます。他決の理由をプランナーが直接聞いても、すべてを正直に話してもらえるとは限りません。そこでアンケートを確認すると、「実はこれも理由だった」と新たな気づきが生まれます。こうした声を基に、会場のハード面、ソフト面ともに改善を行い、次回の案内に活かしています。またアンケートは、プランナーにとって接客の通知表のような役割も果たします。

どこが評価され、どこに課題があるのかを明確にできるため、改善点をピンポイントで把握できます。

実際に、アンケート結果をもとに、具体的なシチュエーションを想定した接客ロールプレイングを行うことで、スタッフ全員で学びを共有し、より実践的な改善を積み重ねています。

伝えきれていない魅力も浮き彫りになります。例えば、緑あふれるガーデンや料理のこだわりは当社の強みですが、十分に伝わらず比較検討されることもあります。これは「内容」ではなく「伝え方」に課題があることを示しています。その気づきをもとに、会場見学や提案の仕方を見直し、より顧客に響く伝え方へと改善。さらに、競合のトークを知ることで、自社の弱点がどのように伝えられているのかもわかり、どこを優先的に改善すべきかを明確にできます。その結果、スタッフのスキルアップにもつながり、より的確な提案が可能になります。

このアンケートの目的は、単に成約率を上げるためだけではありません。たとえ成約には至らなくても、顧客との縁を大切にし、長くつながる関係を築くことも重要だと考えています。実際に、アンケートを通じたやりとりをきっかけに、「スタッフの対応が素晴らしかった」といった声をもらうことも多く、結婚式は別の会場に決めたものの、記念日にレストランを訪れてくれる人もいます。こうした温かい評価が積み重なり、大手口コミサイトでは愛知県内313会場中、総合ランキングのベスト3に当社の全2会場がランクイン。こうした関係を深めることで、式場としての信頼性や魅力はさらに高まります。定期的な改善を行いながら、「また訪れたい」と思ってもらえる式場であり続けることが目指す形です。

 

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月1日号)