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キーマンに聞く

結婚式開催の機運を高める【リクルートマーケティングパートナーズ 執行役員 営業統括本部/マリッジ&ファミリー領域営業部 早川陽子氏】

結婚式開催の機運を高める【リクルートマーケティングパートナーズ 執行役員 営業統括本部/マリッジ&ファミリー領域営業部 早川陽子氏】

 コロナの影響は、結婚式場だけでなくブライダル情報メディアも直撃した、ゼクシィも緊急事態宣言最中に発行した号は、通常よりも半分以下の厚みとなり、業界内外に衝撃を与えた。とは言え、ブライダル業界を代表するメディアとして、9月にはCMを再開。不安な中でも結婚式を開催している人が徐々に戻ってきたことを、広く社会に向けてPRしている。またニューノーマル宣言の賛同企業、会場を集結させる一助も担うなど、その存在感は逆に高まっている。会場とユーザーの中間に位置する役割を、今後どのように果たしていくのか。執行役員の早川陽子氏に聞いた。

施行を一緒に戻す提案

――率直に聞きたいのが、ゼクシィ本誌は大丈夫なのかということです。ブライダル業界ではまことしやかに色々な噂が流れ、大手企業がゼクシィを始めとした全ての広告媒体をストップするというような話もある中で、ゼクシィはどうなのかというウワサも耳にします。

早川「それは聞かれると思っていました(笑)。例えば本誌の厚みでいうと、見ていただいた通り5月発売号は、前年と比べても半分程度の薄さになりました。それ以降も厚みという観点ではまだまだですが、一方で掲載会場数については緊急事態宣言中から比較すると、大体10ポイントくらいは戻ってきています。」

 

――あの当時も、4ページで出していた会場が半分にしたりするケースが多かったかと。となると、やはり掲載のボリューム、厚みが増えていかないと、大丈夫かという話は常にささやれるのかもしれません。

早川「私達メディアは、クライアントの売上を基準にした広告宣伝比率があって、その分の予算で出稿してもらいます。人があまり外に出てはいけないと言われている時であり、それでもどんどん出稿しましょうとなれば食い違ってしまう場面も出てきます。当時は、ここから先1、2ヵ月は世の中自体が動かなくなるというタイミングでした。もっとも新規来館数は、5月前後の10%、20%だったのが、今は60%程度まで戻ってきています。施行も8、9月で少しずつですけど戻ってきていて10、11月がさらに回復してくれば、まさにこれからは来期の獲得という観点で提案をしています。」

 

早川「キャンセル率に関しても、県別で全国約1000会場からヒアリングを実施しました。日延べ率とキャンセル率に関しては、会場によって全然違うわけですが、結局のところ施行がないと正直新規も戻らないわけです。施行をしているからこそ、新たに獲得してもいいとなりますから。だからこそ今は、施行を一緒に戻しましょうというアプローチを進めています。2人に1人よりも、10人に7人が施行していますとなれば、世の中も少しずつ動かしていけます。当社としても、これまであまり公開していなかった様々なデータを伝えていくことで、世の中の安心を作っていく必要を感じています。今施行をするのかについては、各社の経営方針によって異なりますが。」

 

――ゼクシィとしては、10月、11月の施行の戻りを去年に比べて何割程度と考えていますか。また、厳しいと言われている少人数化については。

早川「最新で言うと、全国の8月の施行が大体40%程度、9月は60%を切っていました。10月が70%程度で、11月は79%にまで戻っているという状況です。営業マンが各地域の会場に行ってヒアリングをすることでタイムラグが生じるため、毎回、後に聞くと数字が下がることもありますが、それでも回復しているのは確かです。また地域によっても違ってきます。我々のトレンド調査で招待人数が多いのは、1番が青森で、続いて宮崎なのですが、やはり人数が多いエリアはちょっと戻りが遅いなと感じています。列席人数については、ゼクシィ相談カウンターの7月のデータでは、施行課金などの数値を見ると10%ほどの減少にとどまっています。もっとも相談カウンターのシェアは全体として少ないため、果たしてどうなのかはさらにヒアリングしていくことも必要ですが。」

 

入れ替え制のイベント

――10月22日には、トレンド調査も発表しました。

早川「毎年発表している調査以外に、今年は取引のある会場に聞いたヒアリングベースの情報も出しました。コロナの影響もあったため、業界だけではなく世の中の人たちに向けて今の状況を発信する必要があると。結婚式を開催している事例が増えていること、感染対策を含めてコロナによって各社の商品が変化していることなどを合わせて発表しました。ニューノーマル宣言の取り組み以外にも、2部制での開催、リアルにオンラインを組み合わせたハイブリッドスタイル。会場によっては、ゲスト全員にPCR検査をするといった話もありましたので、こうした取り組みを伝えていくことも私達の役割だと思っています。」

 

――ゼクシィとしての取り組みはいかがですか。

早川「基本は雑誌、ネット、カウンターですが、【ゼクシィオンラインミート】という、オンライン相談のプラットフォームを作りました。またイベントについても、オンラインフェスタに加えて、リアルのプチフェスタも開始しました。基本は通常通りのイベントのスタイルですが、数多くの人数を集めるのではなく、限られた人数を完全予約制にして来てもらう。一人一人のディスタンスを保ち、接客枠もしっかりと決め、入れ替え時には消毒をするなど感染対策に配慮したものです。我々従業員だけでなく出展するクライアントのスタッフにも、2週間の体温チェック表を提出してもらうことを徹底しています。例えば東海のイベントであれば、通常時は約3000名が集まるのですが、今は100名、200名規模で入れ替え制をとっています。来場したカスタマーの満足度は高く、やっぱりリアルがいいという人が多いと感じます。少しずつ拡大しながら、1、2月には大型イベントも計画しています」

 

――独自に開発したゼクシィオンラインミートは会場に提供していますが、8月にリリース後10月までに800会場が導入しているそうですね。

早川「ゼクシィネットでオンラインフェアに予約をしたカップルに対し、その会場がオンラインミートを導入していれば、会場画面からワンクリックでシステムが立ち上がります。URLを送ることもでき、顧客管理の機能とも連携しています。オンラインだからこそ利便性よくできることと、リアルならではの価値をしっかり見定めながら進めています。今の時期は、3ヵ月後に少人数結婚式をやりたいけれど空いているか。この予算内での開催が希望だけれど相談したいという人も多いわけです。大多数は会場を見て決めるというカップルなのですが、それ以外の人でも気軽に相談できるようにしています。また、その場で決められなかったものの、後日改めて考えたいなどという人にも適しています。そうした人たちのニーズも踏まえながら、機能開発をしています。」

 

早川「ゼクシィはこれまで、新郎新婦をマスで捉えがちだったのではと反省もしています。今回のコロナを機に、そのマスから外れた様々なニーズがあって当たり前となってきており、だからこそこれまで以上に幅広くユーザーをとらえながらそれに適したツールを用意していきます。リアルがいい人、相談カウンターがいい人、ネットでブライダルフェアに直接予約したい人だけでなく、ちょっとだけ不安があるから気軽に相談してみたいといった人も含めて、多様なニーズに応えられるようにはしていきたいですね。」

 

――ターゲットを幅広くとらえていくと、会場側からすれば温度感が低い人が増えていくのではという不安も出てくるかと。成約率が上がってこないと、会場からの評判も厳しくなってくる可能性があります。

早川「これからの社会がどうなるのかは誰にも分からないため、とにかく今は多様な人たちを想定し、それに適したチャネルを用意していくということが優先となります。もちろん、ブライダル会場にとってみれば、成約率がどうかということは本心だと思います。メディアとして考えるべきは、会場側のニーズも実はバラバラであるからこそ、より幅広くとらえることでニーズマッチングの可能性を高めていく。例えば、衣裳を内製化している企業であれば、とにかくなるべく早く動かしたほうがいいという考え方ですし、一方ワンバンケットで衣裳も外に出している場合には、稼働に関してもいかに効率性を上げるかということが大切になってきます。会場側のスタイルもニーズも異なるからこそ、多様な新郎新婦をターゲットにすることでその母数を増やしていく。そのためにも、幅広いアプローチが必要だと考えています。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、11月1日号)