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キーマンに聞く

第4回≪ヒト売り接客を劇的向上!! 【ブライダル・コミュニケーション塾】≫信頼UPのエスコート、最も重要な声掛け【トルチュリール 代表取締役 玉井美輪氏】

第4回≪ヒト売り接客を劇的向上!! 【ブライダル・コミュニケーション塾】≫信頼UPのエスコート、最も重要な声掛け【トルチュリール 代表取締役 玉井美輪氏】

 会場入口、エレベーター、階段などでエスコートを大切にしている会場も多いかと思います。前提としてエスコートの意味を考えていくと、単なるその場所に連れて行くだけの【案内】とは少し異なります。エスコートには安全にその場所にお連れするという意味も含まれていて、その配慮ができているかは、大事なポイントです。
 例えば、石畳の通路をエスコートする場合、女性はヒールが挟まり転んでしまう原因になります。そこで「足元にお気を付けください」と、一言声掛けをすれば、それは安全に導くという意味になります。またこうした場合は3歩ほど前を歩くのがマナーですが、後方の様子を確認する際にも、首だけで振り向くのではなくきちんと半身を切っているかどうか。安全についてきてくれているか確認していますと、体全体でも表現していきます。
 もう一つ大切なことは、こうしたエスコートの方法を教えるだけでなく、基本ともいえるウェルカムの意識を一緒に植えつけられているかどうか。その基本的な意識をスタッフが持っていないと、自分の担当している顧客には対応できるものの、他の人が担当している顧客、結婚式当日に来館してくるゲストには気を配れなくなります。これはエスコートの時だけに限らず、例えば館内で通り過ぎる人に対し、全員がきちんと笑顔で挨拶をしているか。土日は新規・打合せ・施行で多忙となり、自分の担当だけで精一杯の状況になる中でも、ウェルカムの意識を持っていれば、挨拶一つで会場の評判を高めることができます。
 エレベーターのエスコートのマナーとしては、まず自分が先に入り下座である操作盤に立って顧客を案内します。会社によっては先に入ってもらうように教えているケースもあり、それでも問題ありません。マナーはルールではないため、基本的には相手が一番心地よいと思うことを判断して対応するのがベースの考え方でありますから。ただマナーをキチンと理解している顧客であれば、その方法に違和感を抱く可能性もあるでしょう。相手は他人であるからこそ、どう思われているかを感じ取って、こちらの想いを伝える声掛けが何よりも大事だといえます。
 実際に顧客に先にエレベーターに乗ってもらう場合には、エレベーター口を手で押さえ「どうぞ」と声掛けし先に乗ってもらい、仮に操作盤の方に立っていれば、乗り込んでから代わります。そうした一言一言があれば、相手にも誠意を感じてもらえます。結婚式の場合、顧客側からすれば「誰とパーティーを創りたいか」は非常に重要であり、その感じ方と伝え方も私の研修ではアドバイスしています。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月1日号)