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キーマンに聞く

少人数獲得に繋がるプロダクト設計強化【BP 代表取締役社長 今野竜太氏】

少人数獲得に繋がるプロダクト設計強化【BP 代表取締役社長 今野竜太氏】

 昨年11月、京都に新店舗をオープンしたBP(横浜市中区)。コロナ蔓延以前から計画していた店舗だったが、少人数向けバンケットを設けるなど仕様を大幅に変更した。東京・表参道で運営する少人数向け施設の成功事例を横展開し、京都でも確実な受注を目指していく。そのための人材育成にも注力しており、デザインチームなど多彩なスキルを持ったスタッフが活躍中。人材育成の取り組みのほか今後の店舗展開など、今野竜太社長に話を聞いた。

フォトスポットの池も

――昨年の動きのほか、コロナ蔓延以降からの回復状況は。

今野「売上、組数ともにコロナ前と同水準まで戻ってきた1年でした。大型会場を中心に単価は好調で、なかなか戻りきらない人数のマイナス分をカバーできています。スナップビデオも過去最高の受注率を記録するなど、提案も強化。アイテムの値上げなどは特にしておらず、オーダー数の伸びが売上を支えたのも成果となりました。」

――昨年11月、京都に新店舗『室町ギャラリーハウス』をオープンしました。コロナ以前から決定していた出店計画で、開業のタイミングを当初の予定から先延ばししたそうですが。

今野「この3 年間で状況が大きく変わりましたから、オープンの時期だけでなく、当初の計画から仕様も大幅に変更しました。もともと90名前後を収容できるバンケットを2 つ設ける予定でしたが、そのうちの1 つを30〜40人規模の少人数向け会場2 つにチェンジ。市場全体を見ていくと少人数の需要は一定数あり、ニーズは高まっていますから、そこはやはり押さえておきたいと。また、駐車場を予定したスペースには池を作り、フォトスポットとしても活用していきます。」

――少人数ウエディングに関しては、『クラシカ表参道』に隣接する『別邸KEYAKI』の成功事例もあります。

今野「『別邸KEYAKI』は、少人数専用の施設として2 つの会場を展開していて、年間約300組近い組数を獲得する人気施設となっています。ゲスト数が限られる結婚式も多い中で、多人数を収容できる大型バンケットでは広すぎてしまい、傾向として40名ほどのサイズ感がやはり選ばれるようになっています。また、少人数ウエディングの増加で、その規模のバンケットはユーザーからも受け入れられるようになっていて“違和感”のないものになったことで人気を獲得しています。ホテルなどは小宴会場を併設するものの、施設全体として少人数をうたっているのは業界全体で見てもそう多くはなく、ライバルの少ない場所で戦えているという面はあります。独自の集客戦略もありますし、あわせて大手媒体でもしっかり露出し、確実な集客に繋げています。」

少人数ならではの演出

――ブルーオーシャンとはいえ、施設数の多い東京において、別邸KEYAKIの高稼働は目を見張るものがあります。カップルに受け入れられる少人数特化会場のポイントを、どのように捉えていますか。

今野「特に少人数においては、“ 質感”を重視するカップルが多いかと。会場に関しては華美なイメージよりも、どちらかといえばシック、落ち着く雰囲気が言葉としては適正でしょう。少人数の中でもニーズは様々ですが、『しっかりとおもてなしをしたい』という声は多く、ゲストとコミュニケーションを取れるような工夫も図っています。例えば、食事においてはデザートをワゴンで準備し、ゲストは好きなものをチョイスできるスタイルを提案。カップルから直接振る舞うことで、そのシーンにも会話が生まれます。薪で調理するレストランなども世間では人気となっていますので、京都の会場においては炭火を使った料理を提供することにしました。こうしたこだわりは、大型パーティーで対応するのはなかなか難しく、少人数だからこそできるパフォーマンスとしてカップル、ゲストから好評です。また、昨年オープンした京都の施設において、当初予定になかった池を作ったのもこの観点から。フォトスポットを施設内に設けることで、少人数ならではの時間の使い方として、ゲストと思い出に残る写真を撮ってほしいと。こうした少人数特化のしつらえ、プロダクトが、受注に結び付いていると感じます。」

――昨年は京都出店がありましたが、店舗数増加における人材の対応は。

今野「前期( 8 月決算)は新卒82人、中途54人の合計136人を採用しました。今期は採用合計150人を目標としています。コロナが一気に広まり結婚式を開催できなくなった当時、カップルに向き合う難しさ、イレギュラー対応などから、モチベーションを失うスタッフを私自身見てきました。そんな苦しい時期があったにもかかわらず、今もブライダルの仕事を選び、当社で働いてくれている。そうしたメンバーは、カップルとその先のゲストの幸せはもちろん、仲間である同じスタッフの幸せも自分事のように捉えてくれる素晴らしい仲間です。スタッフのために、生産性を上げるのはもちろん大事ではありますが、人材中心の考えに、これからはよりシフトしていこうと。例えば、これまでの2 日間の休みに加えて、木曜日もできるだけ予約を入れないような体制に切り替えました。予約の入らない1 日を使って、教育や面談に時間を充てられるようになりましたし、別部署への体験をするなど、自身のキャリアアップを考える機会にもなっています。やりたいことをやれる環境整備に注力しており、より、『質』を重視していけるような取り組みを進めています。」

詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1-11日新春特大号)