LISTEN to KEYMAN

キーマンに聞く

増加するビフォーW【ポジティブドリームパーソンズ ファウンダー 杉元崇将氏】

増加するビフォーW【ポジティブドリームパーソンズ ファウンダー 杉元崇将氏】

 昨年6月に、ホテルマネージメントインターナショナル(以下HMI)に株式を売却し、子会社となったポジティブドリームパーソンズ(東京都渋谷区)。杉元崇将氏は、その後もファウンダーとして、同社の再スタートに大きく関わっている。コロナ禍でフォトやビフォーウエディングの取り組みを強化し、ウエディングに関してもオンラインに積極対応。コロナ前の売上200億円への早期回復を図っていく。2021年を振り返りながら、今後の戦略を聞いた。

品川施設閉館がダメージ

――株式売却などを経験した2021年ですが、コロナ禍の影響はやはり大きかったようですね。

杉元「特に当社の場合は、首都圏、関西圏、福岡など、県をまたいでの移動を伴う場所に多くの施設を展開していたことから、その影響も大きかったですね。県をまたいだ移動自粛ムードが高まり、多くの結婚式が延期や少人数化になりましたから。また2020年に開催予定であった東京オリンピックに向け、ホテル内レストランの展開にアクセルを踏んでいたタイミングだったことも重なり、2021年も非常に難しい一年でした。」

――品川のザ ランドマークスクエア トーキョーの閉館と時期が重なったことで、延期などの対応も大変だったとか。

杉元「閉館が2021年3 月末となり、そうなると4 月以降への延期希望を受けられなくなりました。2020年春の第1 波の時には、それでも1 年の猶予があったためまだ対応できましたが、その後の冬の第2 波が厳しく、結局延期できない事によるキャンセルが300件程度発生しました。無理にでも緊急事態宣言下の3 月末までに披露宴をしてもらうような働きかけも考えたものの、結果として顧客の信頼を大きく損なうことになりますから、それならば閉館によるキャンセルを受け入れるべきという判断を下しました。近隣の他会場への振り替えについても、品川という立地特性もありなかなかうまくいかず。遠方からのゲストをアクセスよく迎えられるという点から選んで列席者も多かったために、会場が変わるのであれば結婚式を考え直したいという人が多かったですね。」

――そうした状況で、HMIとの資本業務提携で子会社になりました。いわば新しいスタートになりますが、宣言明け以降の回復状況はいかがですか。

杉元「コロナ禍でも来館数は平時の70%~80%を維持していましたが、宣言明けの10月、11月は90%にまで回復してきています。成約数も80%~90%。宣言解除によって、会場を決められても日程を決められないということが少なくなり、来館と成約は今後さらに回復基調に入るのではと予想しています。一方、当社の施設の立地は、先ほども話したように同県内や同エリア内で列席者が完結するマイクロウエディングではなく、県をまたいでというタイプが多いため、人数に関しては現状でも平時の70名から20%程度少ない55名前後になっています。来館と成約は早期に戻ってきているので、列席者数をどう元に戻していくかが今後の重要なポイントですね。」

――通常結婚式の回復が徐々にという状況ながらも、昨年はフォト事業にも注力しました。

杉元「もともとは前撮りに対応していたのですが、通常披露宴、少人数、家族婚と共に、4 つ目の商品となるフォトをスタートし、強化してきました。自社施設、ロケーションで対応するほか、当社は個室を持っている強みもあるので、会食も付けるなど。成約顧客以外への外販も強化しており、今年は年間1000件を見込める事業となってきました。また個室活用という点では、プロポーズ、結納・顔合わせ等、披露宴前の事業を全国で拡張し、こちらも年間500件を見込んでいます。チャペルを併設してウエディング対応しているレストランであれば、チャペルでのプロポーズにも対応。また東京の夜景を一望できるレストランルークや大阪城に近接したザ・ランドマークスクエアOSAKAなど、ロケーションに強みのある施設も持っていることで、フォト、プロポーズ両面で人気を得ています。」

――ビフォーウエディングの展開ですね。この事業は、まだまだ厳しい他部門をカバーできるポテンシャルも持っています。

 

レストラン稼働を高める

杉元「披露宴の列席人数に関しては、ここ数年は戻りきれないのではと予測しています。さらにこれまで年間800件程度受注してきた2 次会も、密の回避として今後も一定数減少したままでしょう。プロポーズや結納、顔合わせは、それに代わる感動商品という側面があります。もちろんコロナでもフィットした2 次会のあり方を商品検討していますが、特に施設併設のレストランの稼働を高めるためにも、ビフォーウエディングのニーズは重要。結納・顔合わせはホテルなどでも積極的ですが、当社ではそことも勝負ができるように8000円~ 1 万円前後の価格設定で対応しています。」

――結婚式に関しては、オンラインの充実を掲げています。

杉元「もちろん、リアルで集まった披露宴のほうが特別な感動があり、オペレーションとしても顧客の満足度でもベストなのはわかっていますが、遠方ゲストを呼びにくいという考えが定着していることも踏まえれば、その対策のためにオンラインサービスは必要となります。実際に遠方から列席する場合、ご祝儀のほかにドレス、美容メイク、移動費含めて10万円程度になることもあり、さらに移動時間もかかってしまう。それだけの費用や時間をかけて結婚式に出席するのは躊躇してしまうという人に向けて、新たな列席、参加の仕方という選択肢を提供していくべきと考えています。リアルを中心にしながらも、遠方からオンラインでも参加出来るスタイルの結婚式の開発を、今年はどんどん進めていくように指示しています。オンライン参加であっても、満足度の高まる運営にしていくレベルアップが必要になりますから。これが軌道に乗れば、例えば通常では2 次会参加を検討していた層に、オンラインで披露宴に参加してもらうことも可能になります。開催方式の多様化が今後も加速するでしょうから、その流れに対応できるオプションを用意していきます。」

杉元「オンラインに関しては、結婚式の打合せや成約カップル向けの婚礼商品プレゼンのイベントなどでの推進も図っています。以前は商品プレゼンイベントを実施しても、開催場所によるアクセスの問題で、参加出来ない新郎新婦もいたわけですが、オンラインを駆使すれば日本全国どこからでも参加が可能となります。顧客にとっても当社にとっても、双方の効率化はもちろん、選択肢は充実させていくべき。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1・11日新春特大号)