LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

リモートの専用ルームを設置【アルカンシエル 代表取締役社長 濵田学氏】
アルカンシエル(本店・名古屋市西区)は、YouTubeにおいて【料理チャンネル】という番組を配信し、現在登録者数は6000人を超えている。オウンドメディアを駆使した集客戦略も積極的に展開することで施行は回復し、ブライダル部門の売上も今期は黒字転換が見込まれている。同時にバンケット稼働率を高めるための、法人営業も積極化している。業務効率化も含めた社内改革を進めている濵田学社長に、2023年のポイントを聞いた。
少人数用ショールーム
――昨年11月に発表した2023年3 月期の中間決算では、ブライダル部門単体の売上が黒字転換となりました。
濵田「もともと2020年度に増収増益の見込みだったのですが、コロナの影響を2 、3 月で大きく受けてしまいました。今期は秋の施行が順調だったこともあり、通期に関しても黒字での着地を見込んでいます。ただ他社と比べると、まだこれからというところもあります。」
―― 2 施設を閉館しました。
濵田「定借の期限がちょうどコロナのタイミングと重なったのが理由です。ユニバーサルシティ大阪の施設については継続したかったのですが、次の開発も控えていたためにやむなく2021年の7 月末をもって終了。また名古屋港も契約満了に伴っての閉館です。両方合わせると9 バンケットであったため、その分の売上は大きく減少しました。ただ既存店ベースでいくと、組数は前年比で145%前後の伸びになっています。課題は列席者数で、2021年から人数は6 名ほど増えたものの、計画していた数値にまでは戻り切っていません。売上を確保していく上で、施行数と共に列席者数もしっかり見ていかないといけないと思っています。今の状況で会場に空きがある以上、しっかりと少人数も取っていくというスタンスはとらざるを得ませんから。本来であれば60名超えを平均としたいのですが。」
――少人数は、集客も運営も通常ウエディングとは異なる方法が必要ではと思いますが。
濵田「受注については、基本的に広いバンケットであるため、それを少人数の規模感で見てもらうことは大切。空いている日には少人数用のショールームにするなど、人数に合わせた提案をしています。また少人数婚プランを前面において、刺さりやすい状態を作っています。」
――コストコントロール面を踏まえたオペレーションの改善などはいかがですか。
濵田「業務効率化にも繋がるリモート打合せに関しては、21年度からしっかりと取り組んできました。来館してもらう打合せ頻度を少なくするのはもちろん、リモートで対応できる内容の棲み分けなど。現在は、全てリモートを希望する新郎新婦もいるため、そこにはしっかりと応えられるようにしています。中でも大切なのは、スタッフの意識変革ですね。」
濵田「例えばデスクでリモートをするのは難しいということで、各店のサロン内にリモート専用の部屋を設置しました。場所をしっかりと整備しなければ、スタッフは対応に躊躇してしまいますので。現在は打合せだけでなく、新規に関してもリモートを活用しています。それだけで成約まで至るというようなオペレーションを推進してきたため、リモートで成約し年明けに会場を見に来ますといった新郎新婦も出てきています。」
打合せ時間も効率化
――一般的にリモート勤務も増えている中で、顧客側にリモートへの拒否反応はほぼなくなっているわけです。実際に来館した方がいいという人もいれば、必要なことはリモートで十分という人も今後は増えてくる可能性もあります。
濵田「リコンファームを電話ではなくリモートで実施し、新規や打合せでも要望に対応していると案内しています。施設のアクセスによっても異なりますが、遠方に住んでいる新郎新婦に毎回来館してもらうスタイルも変わってくるでしょう。時間についても、例えば打合せに入るまでのコミュニケーションは大事とは言え、話が弾んでしまっていつの間にか30分経過していたということもあります。もちろんリモートでもコミュニケーションは大切ですが、新郎新婦にとっても終了時間が明確になりますし、会社としても業務効率化に寄与してきます。」
――黒字転換のベースとして、コスト削減にも力を入れてきた2 年間だったと思います。集客コストはいかがでしょう。
濵田「広告費については、この3 年間今までのような投資は出来ませんでしたから、ネット施策に注力して進めてきました。SNS対応もそうですし、コロナになって一早く取り組んだのが【アルカンシエル料理チャンネル】というYouTube配信です。100投稿、登録者数1 万人を目標にしていますが、現在のところ投稿数83本、登録者数も6000人を超えました。」
――配信の内容はどういったものなのですか。
濵田「料理長を1 人専任でつけ、番組を制作しています。カテゴリーをいくつかに分けていて、例えばシェフが外に出かけ野草などの食材を取ってきてそれを料理に仕上げる、シェフの教える簡単なレシピといったコンテンツです。結婚式を実施した夫婦向けに、企画ものも用意して配信しています。またスタッフのモチベーションを高めるという意味で、年に1 回実施している料理コンテストも、予選と本選に分けて配信しています。料理スタッフはなかなか新郎新婦から見えない存在で、どういう人が作っているのかも分からない。各店舗の料理人が参加するコンテストは、新郎新婦にアピールしてもらう絶好の機会となっています。1 万人の登録を目標にしているため、今後も継続が必要だと思っていますが、投稿によっては12万視聴に達するものもあり、認知は広まってきました。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1・11日新春特大号)

