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ブティックホテル市場を拡大【テイクアンドギヴ・ニーズ 代表取締役会長 野尻佳孝氏】
T&Gは決算発表と同日に、2030年度に向けた長期経営方針を発表した。同社は2018年にも長期経営方針の【EVOL2027】を発表していたが、新型コロナの感染拡大の影響により取り下げていた。今回業績が回復傾向にあることを受けて、新たに2030年度までの経営方針を策定した。発表した方針では、婚礼事業とホテル事業の二本柱で、取扱高1300億円、売上高850億円を目指していく。現在はグループの売上構成比はウエディング事業90.7%、ホテル事業8.2%で大部分をウエディングが占めている。2030年度に向けては、収益性の高いホテル事業を成長させていく。ホテル事業に関しては、26店舗の新規出店を目指していくが、すでに決定している3店舗も発表した。
世界では20倍の伸び
T & Gは5 月1 8日、T R U N K(HOTEL)において、長期経営方針に関する記者会見を開催した。当日は約40名のメディア関係者が集い、代表取締役会長の野尻佳孝氏が今後の成長の推進力と位置付けている、ホテル事業を中心に説明した。 野尻氏は「ブライダルに参入した当時と同じように、ホテル業界の課題を解決しながらイノベーションを起こしていく」ことを掲げ、それを成し遂げるのがブティックホテルと解説した。
「世界では、ラグジュアリーホテルの多様化が進んでいます。以前はラグジュアリーホテルと言えば価格軸だけでしたが、現在は消費者の価値観の多様化に対応するため、横軸で領域が広がっている。旧式のトラディショナルラグジュアリーだけでなく、エッジー、ディスラクティブといった部分をクローズアップさせてきたのがブティックホテル。世界のホテル市場でも一番シェアが伸び、2000年以降20倍にまで拡大していることを踏まえ、日本のホテル業界においてもブティックホテルマーケットをさらに拡大させていきます。」(野尻氏)
ブティックホテルは1 店舗毎にコンセプト、デザイン、ブランドも異なるのが一般的で、ユーザーの多様性に合わせて高付加価値をいかに作っていくかのクリエイティブにこだわっている。日本のホテル市場は同じ方向で価値観を作っていく傾向が強く、クリエイティブに必要となるスタッフの主体性も、マニュアル型の中ではなかなか生まれにくい。同社が5 年前にオープンしたTRUNK(HOTEL)は、ブティックホテル展開を見据えた先駆けと言う位置付けであり、実績を重ねてきた。
「クリエイティビティが評価され、5 年間で数多くのホテルの賞を受賞してきました。その評価をチェックするために欧米のインフルエンサーやラグジュアリー層が直接ブッキングして宿泊する。ダイレクトブッキング率は、平均的に25%前後であるのに対し、TRUNK(HOTEL)は70%になっています。ADRも都内ラグジュアリー系ホテルより1 万円高く、またスタッフの平均年齢は31歳ですが年収は500万円近くに。この実績を背景に、2030年度までに26店舗の展開を進めていきます。」(野尻氏)
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月1日号)

