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成約率&単価アップのAIシステム 新婦のドレス着用イメージの生成も【スクロールインターナショナル アパレルソリューション部 AI開発ユニット ユニット長 有井 貴孝氏・アパレルソリューション部 部長 内木洸介氏】
通販事業を展開するスクロール(浜松市中央区)の子会社・スクロールインターナショナル(東京都品川区)は、2024年からアパレルAIシステム【Lightchain(ライトチェーン)】を展開。商品写真からモデル着用の画像を生成できるもので、婚礼事業者での導入も始まっている。会場コーディネートのイメージも生成可能で、衣裳会社のほか今後は式場への提案も強化。システムを活用することでどんな接客ができるのか、可能性を探る。
2年半で270社超に導入
――展開するアパレルAIシステム『Lightchain』の特徴は。
有井「インターネット経由でログインし利用するSaaSシステムで、アパレル業界の商品企画・生産にかかる業務負担の軽減を目指し誕生しました。2年半前から提案を開始し、今夏時点で270社以上に導入されています。できることの一例としては、トップスやスカートなど、いわゆる“ブツ撮り”の画像をシステム内にアップし、『この服を着て、口を大きく開けた満面の笑みの女性モデル』などと条件を打ち込むと、簡単にAIモデルの着用画像を生成できます。エンターを連続で押せば、複数枚一気に生成することも可能です。システム自体は直感的に操作できる設計で、画面全体が1つの作業ボードのようなイメージ。元画像から生成された写真は画面上細い矢印で繋がれ、時系列で表示されるようになります。そのほかの機能としては、背景変更なども可能。ChatGPTといった無料で使えるAIも多くある一方で、当社はアパレル特化のシステムとして精度の高さが特徴です。モデルを手配し実際に撮影した宣材画像と、『Lightchain』で生成したAIモデルの着用画像でABテストを実施したところ、売上効率に差はナシという結果になりました。当社提供のAIモデルは媒体ごとの流用手続きが不要なため、実在モデルの媒体掲載にかかるコストも抑えられます。」
――婚礼事業者にとっても、様々な活用が期待できます。
内木「アパレルの事例のように、ドレスや着物のブツ撮り画像から、AIモデルの着用イメージを生成するのももちろん可能。これに加えて、新婦の顔写真をシステムに入れることで、その新婦が衣裳を着用したイメージ画像を生成できます。例えばカラードレスの色を3色で迷っていた場合、その3つのドレス写真をシステムに入れ『メイン画像』としてまとめて選択。新婦の顔写真を参考画像としてアップし指示テキストを入れれば、その新婦がそれぞれの衣裳を着用したイメージ画像を一気に生成可能。最大20枚までセットできるので、スピーディーに複数枚を作れる点はユーザーから評価を得ています。ウエディングの場合、試着をせずに衣裳を決めるのはまずないかと思いますが、事業者側から事前にフィッティングイメージを共有することで、どの衣裳が好みか、似合うのかを事前検討しやすくなる。コーディネーター不足も耳にしますので、試着の一歩手前のイメージを掴むという点で、接客の効率化に貢献できると思っています。」
――ウエディングは、式当日まで完成形を見られない高額の無形商材。「イメージが湧かない」という新郎新婦に、簡単に画像を作って見せることができれば、納得感を醸成できるかと。
内木「衣裳だけでなく、会場コーディネートの提案にも活用できます。例えばテーブルクロスの色味。バンケット見学の際に見た色は好みでないとなれば、システム内で簡単に画像生成が可能。また、会場装花も色とデザイン次第で印象は大きく変わりますから、例えばメイン画像のクロスの色のまま、花だけ別の画像のものに変えて会場イメージを生成し見せることもできます。加えて、実際にゲストが座った際の会場の広さの感覚はどれくらいになるのか、希望の時間帯の陽の差し込み具合なども、生成画像からイメージしてもらいやすくなります。カップルの希望する会場コーディネートを実際に見せられればベストではあるものの、バンケットの空き状況や時間的制限もある中で、全組にその対応は難しい。『Lightchain』を通じてカップルの頭の中にあるイメージをきちんと可視化できれば、納得感も高まり、成約率アップの可能性も見えてきます。また、事業者側とカップルがそれぞれ頭の中にイメージしていたコーディネートなどに違いが出てしまうことは、少なからずあるかと。イメージのズレからトラブルになってしまうのは残念ですから、そうした擦り合わせにも活用してもらえたら嬉しいですね。より細かい提案が打合せ中にもできるため、単価アップに繋がる可能性もあります。」
――昨今は、「インスタなどSNSの更新用に素材が欲しい」という事業者も増えていて、その面でも活用できるかと。
有井「婚礼事業者の皆さんに向けたフィッティングプランは、1アカウントの利用料が年間100万円程度。画像は生成し放題のため、接客のほか広報用など様々な用途で活用可能です。ドレス事業者はもちろん、式場、フラワー、ヘアメイクなどブライダルにまつわる様々な企業にとって、利用価値はあるかと。目の前にいるカップルに特化した画像を簡単に生成できるのは、非常に価値あるサービスだと確信していますので、ブライダル業界への提案は今後さらに強化を図っていきます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、8月1日&11日合併号)

