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“『ゲストのリアルな声』を聞く”《顧客満足度=集客UP》料理の評価で差も拡大【みんなのウェディング レビューアナリスト 黒須 裕子氏】

“『ゲストのリアルな声』を聞く”《顧客満足度=集客UP》料理の評価で差も拡大【みんなのウェディング レビューアナリスト 黒須 裕子氏】

結婚式に列席するゲストは、近い未来の顧客である。みんなのウェディング(くふうウェディング・東京都中央区)は、利用者からの口コミ投稿のほか、列席者に対する【GSアンケート】を通じてゲストのリアルな声を収集している。同社と本紙のコラボ企画として、口コミ、アンケートに寄せられる様々な評価を項目ごとに抽出していく今回のテーマは【料理】。料理のクオリティが評価を大きく左右すると共に、4つのポイントから分析を進めていく。

参列経験数で生じる差

 

――料理に対する評価と総合満足度の関係性について、結果はいかがでしたか。

黒須「上記の図はまず、料理に対するGSアンケートで【①美味しかった、②どちらかといえば美味しかった、③どちらかといえば美味しくなかった、④美味しくなかった】の4 項目から回答。その回答毎に、NPS平均値を示したグラフになります。【①美味しかった】と回答した人の平均値は8.16。【②どちらかといえば美味しかった】は6.47に下がっていて、NPSの一般的な指標からすると、批判者の層に入ってくる数値です。【③どちらかというと美味しくなかった】は4.77、【④美味しくなかった】は3.86。前回のドリンクと比較しても、料理の方が数値としてはっきりとNPSの差に表れています。その他に、披露宴の参列が今回【初めて】、【2 回目】、【3~ 5 回】、【6 回以上】の4 項目で回答してもらい、前述の①~④の回答との関連性も調査。【①美味しかった】と回答したのは、初めての人がやはり一番高くて91.6%。2 回目は91.1%、3 回以上参列経験がある人だと80%台になっています。比較対象がある状態で、料理に対する評価も徐々にシビアになってきていると見れます。」

――定性部分となる、コメントも注目されます。黒須「料理に対する満足度を左右するポイントとして、大きく四つに分かれます。一つ目は温度で、温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちにという面です。二つ目はメインディッシュの質とボリューム、三つ目は視覚的な演出。最後はアレルギー等への個別の配慮という要素。この4 つの評価次第で、満足度は大きな差になってくると分析できます。」

黒須「まず温度ですが、残念な評価としてデザートのアイスクリームが配膳されてきた時点ですでに溶けていたといった指摘も。メインディッシュの質とボリュームについては、やはり牛肉は必須で、その他に魚介であればオマールエビなどいわゆるTheメインが求められているのに対し、そこで違うものだと失望感を感じるコメントは散見されます。あとは、肉の柔らかさも重視されています。視覚的な演出では、SNS映えが若い世代のテンションを上げる一つの要素になっていて、そのほかに出身地の食材、フランベなども高評価をもたらします。一方で、スーパーのお惣菜のような安っぽい盛り付け、お皿だけが異様に大きくて料理はこじんまりしているといった意見もありました。アレルギー等への個別の配慮は、妊婦さんへの対応も含めキチンと対応しているのはもちろんのこと、プラスアルファの説明もどこまでなされているか。どういう風に調理して除去しているのかというところまでを口頭で伝えると、絶対大丈夫という安心感を与えられて高評価になっていきます。」

――全体として人がうまく介在することによって、残念な評価も良い評価に変わってくるとも感じますね。例えば仮に鶏肉であっても、何故その肉を選んで、さらに貴重なものであると説明すれば、納得感もあって特別な料理になるわけですから。

 

ゲストの目の前での仕上げ

 

黒須「その点では、改善案についてもスタッフがいかにしっかりと対応するかで変わるとも思います。温度についてはお皿を運ぶタイミングもそうですし、厨房との連携。また余興を連続させないで、純粋に食事を楽しむ時間設計も一つの考えです。また温かいうちに、冷たいうちに食べてもらえるよう何か一言を添えるだけで、十分に改善されるでしょう。ボリュームについては、ビュッフェにすることで個人差を補えます。特に若い男性を中心に、ボリュームが足りないと残念に感じるというコメントも散見されることを考えると、例えばウェルカムドリンクと一緒に、フードを提供するのも一つ。視覚的な演出に関しては、各配膳スタッフが目の前でソースをかけてあげる、カットしてあげると動きも出てきますし、満足度も高まります。変化のある盛り付けや蓋を開けるとスモークが広がるといった料理自体の工夫も、驚き、満足感に繋がっていきます。」

――アレルギー対応について、配膳ミスは致命的であり、十分な配慮が求められます。

黒須「調理法の説明もそうですし、他とは異なる調理器で仕上げたメニューだから混入はないといったところまで話すべきでしょう。これは以前にも指摘しましたが、アレルギーだからといって完全に違うメニューというよりは、なるべく周りの人と同じようなスタイルで対応するのも一つの配慮として評価されています。あとは、デザートビュッフェなどを販売している会場も多い中、アレルギー表示があるかどうかは重要になっていると感じます。」――料理について、ゲストは【ご馳走】が出てくると期待して出席するのに、そこで期待外れのものだとその落差も大きく不満足要因になってしまいます。

黒須「例えば目の前でソースをかけるといった演出は、一定の技術力も必要ですし、教育面から難しいとは思いますが、結婚式の特別感を考えるとゲストの期待はそんな部分にもあったりします。結婚式の料理に対する会場側の基準値を底上げしていかないと、期待に応えられないというのはどうしても出てくると思います。またゲストの口コミを見ていると、料理の評価が低いと、式場に対する不満だけではなく、『新郎新婦がケチった』というところに繋がってしまいます。そうした面も考慮して、責任を持って対応していくことは大切でしょう。」(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月11日号)