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連載11≪ヒト売り時代のセールス講座≫音響・演出スタッフは人生の生放送を支える役割【VIVACE st 代表 衣川 雅代氏】

連載11≪ヒト売り時代のセールス講座≫音響・演出スタッフは人生の生放送を支える役割【VIVACE st 代表 衣川 雅代氏】

音響・演出スタッフは、結婚式当日に新郎新婦の傍に常にいるわけでもなく、ゲストに直接説明を行う役割でもないため、プロフェッショナルスタッフの中でも最も目立たない存在といえます。新規接客や打合せで作業的な説明に留まることも多く、音響オペレーターや演出スタッフの人物像や役割が語られる機会はほとんどありません。
以前、音響オペレーターに自らの仕事観を聞いたところ、「披露宴は新郎新婦の人生の2 時間半の生放送であり、その生放送を支える仕事」と語っていました。さらにその役割として、「感動を起こすスイッチを作る人」でもあります。音楽による入場や場面転換の合図、演出による感謝・想いの伝達、ゲストの反応を新郎新婦に届ける役割を担っています。つまり単なるイベント運営スタッフではなく、プランナーもその価値を語っていくべきでしょう。
実際に音響スタッフは、披露宴当日のスタート前にハウリングやノイズ防止のためのチェックを、入念に時間をかけて対応しています。さらに、余興などで複数マイクを使用する場合のイレギュラー対応も含めて、「下準備こそ100%」という意識で本番に臨んでいます。それでも本番では不測の事態が起こる可能性もあり、まさしく生放送です。
そうした音響オペレーターの業務への理解を深めるために、プランナー自身で一度音響の仕事を体験してみるといいでしょう。音響操作だけでなく、照明操作、映像上映操作、会場によってはプロジェクションマッピング操作などを1 人で同時に担当するマルチタスク業務の負荷も理解でき、それはオペレーターに対するリスペクト形成につながります。
演出については、主要ジャンルとして儀式系(指輪交換、ベールアップ)、入退場系(再入場、フラワーシャワー)、映像・マッピング演出系、余興系(フラッシュモブ等)、ゲスト参加型演出系(ペンライト、リングリレー)、感謝・想い伝達系(手紙、記念品贈呈)、食べ物演出系(ケーキ入刀等)が挙げられます。実際にこうした演出は、音響・演出オペレーターの存在がなければ成立しません。例えば卓上花火を実施する際にも、そこで音響のタイミングのずれは大きなクレームにつながりやすい高リスク領域です。結婚式という尊い時間に、失敗はできないという姿勢やスタンスで臨んでいるその業務の価値は、決して小さなものではありません。
それを考慮すれば、音響打合せも、「好きな曲をピックアップしておいてください」と作業的に伝えるよりも、音響オペレーターをエンタメのプロとして位置付け、「相談できる存在」として顧客に紹介することで価値は高まっていきます。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月1日号)