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和婚をアドバイスする役割も【金沢東急ホテルウェディングプランナー斉藤 彰一さん】
1月1日に発生した能登地震は、金沢エリアにも多くの影響を与えた。金沢東急ホテル(石川県金沢市)では通常営業を5日から開始したものの、ブライダルに関してはキャンセルや延期の問合せが増えた。それでも3月には北陸新幹線が福井まで延伸し、合わせて「いしかわ応援旅行割」が行われたことで観光需要は沸騰。今後の結婚式需要の回復も期待される。同ホテルでウェディングプランナーを務める斉藤彰一氏は、金沢らしい和婚に強いホテルとしての魅力を高めることに可能性を見出している。
斉藤氏は2014年10月、金沢東急ホテルに入社した。それ以前は外部の請負会社所属で同ホテルのブライダル運営を担当していたが、北陸新幹線開業のタイミングでホテルがリブランド。婚礼直営化にあたって、そのままプランナーとして移籍した。それ以前から結婚式場での司会や音響、引出物の卸会社とブライダル畑を歩いてきた経験を活かし、現在3 名のプランナーをまとめるマネージャーとしての役割も担っている。
金沢のマーケットは、組数はコロナ前の2019年の水準に戻りつつあるといわれながら、人数のマイナス傾向は厳しい状況だ。同ホテルでも、それ以前は平均55名前後だったのに対し、現在は30~40名に減少。特にホテルWの戻りは鈍い。
「当ホテルには最大300名収容のボールルームもあるため、大人数帯の結婚式にも対応できるのは一つの強みでした。先日も温泉旅館の社長の息子さんの結婚式を受け入れました。もっとも人数は130名であり。以前であれば200名前後にはなっていたことを考えれば、列席数の回復は非常に厳しいと言えます。」
平均人数は減少しているものの、かかる工程は変わらない。例えば家族だけの結婚式に関しても、新郎新婦2 人のやりたいことがそれぞれ異なっていることも多く、その意図をしっかりと汲んで、当日表現していくことが求められる。結婚式一組一組、さらには一組の結婚式であってもニーズが多様化しているからこそ、ホテルとしてそれを取り込んでいく商品化は大切だ。
「最近増えているのは、前撮りと結婚式を希望するケース。そこで、神社にて白無垢で挙式をする前に色打掛を着用し、兼六園などで前撮りをできるようにもしています。また神社で結婚式をして、その後に親族・家族だけで平服で会食するといったような流れも出てきています。組み合わせが自由になっている状況で、仮に別日にしてしまうとカメラマンやヘアメイクにかかる費用もそれだけ掛かります。それを一日で出来るという提案をしながら、割安で提供できるようにしています。」
同ホテルにチャペルはなく、館内に神殿があるもののやはり神社での外式希望が多い。サイトで紹介している外式対応の神社は5 社だが、実際には金沢や加賀、遠方であれば能登の神社とも提携をしていて、希望に応じて対応する。外式の際にはプランナー一人が必ず同行し、新郎新婦や家族をサポートしている。
「提携神社が多い、さらには完全サポートを期待して来館する新郎新婦は増えています。ホテルの中で完結すれば、列席者もホテルに来てもらうだけでいいのですが、外式の場合には集合場所もホテルだけでなく、神社という可能性も出てきます。移動の面倒もあるため、そこは一貫してホテル集合にし、まとめて神社に行き、そこから一緒に帰ってくる流れを作っています。」
由緒ある神社での挙式+ホテルでの気軽な会食が出来るということから、例えば富山の新郎と福井の新婦など北陸の他県からの来訪や、長野・軽井沢から伝統的な結婚式を求めてくるケースもある。いわば和婚のリゾートWであり、今後は関東圏からの利用も期待している。そのために、婚礼優待の宿泊料金を設定。さらにプランの中に5 部屋分の宿泊無料、新郎新婦向けにスイートルームを提供する対応もしている。宿泊ルーム以外に、館内レストランなど各施設も使ってもらうことで、ホテルにしかできない滞在型ウエディングを一つの売りにしていく。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月11日号)

