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《新春 Special Talk Room》少人数Wの戦略構築(今野竜太氏×金田昌彦氏)

《新春 Special Talk Room》少人数Wの戦略構築(今野竜太氏×金田昌彦氏)

 2022年に向け、結婚式の少人数化への対応を進めていく方針を掲げているBP(横浜市中区)。表参道の少人数施設も好調に推移していることを踏まえ、京都には少人数対応のレストランもオープンする。一方、カジュアルウエディングのプロデュースで、多様な料金・人数帯のパーティーを中心に展開してきたNOVIC(東京都渋谷区)。式場運営会社、プロデュース会社というそれぞれの立場で、変化する新郎新婦のニーズにどのような対応をしていくのか。ここでは両社のトップが新たな可能性を語りあった。

表参道の専用会場が人気

――緊急事態宣言が明け、施行も回復しているとのことですが、人数帯の戻りに関する見通しをどのように考えていますか。

今野「当社でも人気の会場は、ある程度の組数を獲得しています。それでも人数は以前と比較しても15名ほどのマイナス。会場にもよりますが、50万円程度単価も減少しています。また新規の段階についても、10名は少ない状況で、人数はこの先もそう変わりないのではと思っています。やはりコロナ禍が2 年ほど続き、ユーザーの意識の変化の影響は大きい。もう少し呼びましょうというような取り組みはしていますが、新規の入り口の段階で10名ほど減っていることを考えれば、それを前提に運営していくべきと考えています。」

――カジュアルWのNOVICにしてみると、そこは“追い風”になるわけです。

金田「当社は人数ではなく、披露宴と同じような打合せをそれほど求めていない層をカジュアルと位置付けているのですが、もともとあった少人数ニーズがコロナ禍の中で非常に増えています。フォーマルな通常Wは、減ってはいるとはいえ今後も継続されていくはず。ただ、少人数にするかしないかで迷っているカップルがどちらに行くのか。施設にも行かず、例えば神社やリゾートで挙式だけやるような層にも、パーティーを実施してもらいたいわけです。施設と共同でそこを掘り起こすことにより、少人数にも多くの可能性があると感じています。」

――そうなると、通常人数帯のみを狙うのではなく、少人数を含めてという発想に変えて、柔軟な対応が必要になるかと。

今野「実際に当社では、少人数=低単価というわけではありません。披露宴層が人数を減らしたため、逆に1 人あたりの単価は今まで以上に上昇しています。ただ表参道の施設は少人数専用会場ですが、今はそういう施設の方が人気なのも確か。もともと少人数施設や会場も設けていたため、グループ全体として少人数でもしっかり成約していくという意識を高めています。例えばグランドオリエンタルみなとみらいは少人数の稼働率は非常に低かったのですが、今は比率でいうと多人数・少人数が同じような組数で推移している。もちろん人数が減少すれば売上がどうしても下がってしまうため、オペレーションの仕組みなどを含めてシステムを構築している段階です。」

金田「少人数のカテゴリーを、BPのようにしっかり取っていくという施設はまだまだ少ないイメージです。コロナ前は大体40名を一つの基準にしていたわけですが、今は30名前後にラインを下げているところもあります。ただ自分たちで運営すると利益が出ない、施設としても実施できる場所がないと考えてしまうことはあります。」

 

会場基準は30名に低下

今野「それだけの少人数だと、なかなか狙えないですね。」

金田「30名の結婚式を希望している新郎新婦にとっては、会場側が40名からのプランにしていると、その会場では式が出来ないと思ってしまいます。コロナ前はそうした会場が多かったために、回り回って当社に来るケースが非常に多かった。コロナ禍では会場の基準も30名にまで下げており、今は30名以下の問合せが増えています。」

――会場としては、少人数をやればやるほど利益が厳しくなるという側面もあります。今まで通りのオペレーションで、採算を取っていくのは難しい。

今野「当社は横浜のように、展開しているエリアが集中しているのは強みです。少人数の結婚式を集客するための媒体はあまりないため、そこを狙うとどうしても余分な広告費がかさんでしまいます。現在当社では、少人数に特化したSNSを中心とした広告を打ち出し、ランディングページを作って受け入れているのですが、そこはエリア性を強みにグループ全体で集客をかけているイメージ。横浜で少人数結婚式をしたいという人がLPにやってきて、会場を選ぶという仕組みです。こうした通常広告+独自集客の仕組みができているからこそ、ある程度集客展開もできますが、これを1 ホテル、1 式場単独で進めていこうとしても、コスト面から難しい部分があるのでは。」

――新たに広告費をかけられるかどうかですしね。

今野「そこで考えているのが、少人数対応できる施設のラインナップを増やしていくこと。直営施設以外に、まずはコンサルや運営受託でお付き合いのある会場も選択肢として提供していく。同じ広告を出すのであれば、選択肢を広げたほうがユーザーも来てくれますし、会場の負担も解消されますから。さらに他会場にも声をかけていこうと考えています。当社は東京や横浜にサロンもあるため、打合せは各会場でやる必要もなくサロンで対応できます。特に直営店がないエリアに関しては、そうした戦略で少人数Wの共同広告のような対応は必要になっていくでしょう。」

――広告以外にも、打合せのオペレーションを変更して業務全体を効率化していくことも大切になってきます。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1・11日新春特大号)