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連載10〔Yumi Katsura千里眼〕欧米の教会離れが加速化(ユミカツラインターナショナル 代表取締役社長・デザイナー 桂由美氏)
ブライダルファッションの流行が大きく変化している。各国で教会離れが加速していく中で、パーティシーンに合った衣裳が主流となり、パンツやジャケット、セクシーなドレスも次々と登場している。桂由美氏は、こうした傾向が多様化であると語る一方、【伝統】を維持するための取り組みも同時に必要だと指摘する。さらに民族的な衣裳と洋風化を両立させていくために、アジアブライダルサミットを通じてアジア各国に考えるキッカケを与えている。
――ブライダルファッションの世界的なトレンドを、どのようにとらえていますか。
桂「本来結婚式は、男性がもっとも男性らしく、女性がもっとも女性らしくなる場です。そうした中で、パンツルックやジャケットスタイルが流行ってきていることに、違和感を抱いています。また、どんどんセクシーになっていくことに、異議を唱えているイタリアの神父さんもいます。教会で開催する結婚式で、なぜこんなに胸を開けたドレスを着るのかと。要するに多様化なのですが、斬新なデザインに関しては、アメリカが非常に早い。ヨーロッパでは、フランスなど、多少カジュアルやセクシーになってはいるものの、アメリカまではいっていません。ではなぜ、新しいスタイルのファッションが出てきたのかを調べたときに、『教会離れ』が見えてきます。結婚式で教会に行く人は多くの国で2~3%ずつ減少し、50%程度になっている国が多いです。」
――教会でない場所での結婚式は、どのようなものですか。
桂「欧米の場合、もともと役所による『シビルウエディング』が行なわれてきました。歴史的に政略結婚などによる偽装結婚を防ぐために、本人同士が出席して、2人の結婚の意思確認を役人がします。市役所や町・村役場の中には結婚式を開催するためのセレモニーホールがありますし、法律的に有効だと証明するための儀式を行います。それで初めて婚姻届提出が完了します。全日本ブライダル協会では、毎年シビルウエディングだけで教会に行かない人の数を調べていますが、年々増えています。シビルウエディングで市役所に行くだけならば、それこそ衣裳もジャケットスタイルでいいわけです。必然的に華やかなドレスはパーティのためとなり、友人もカクテルドレスやイブニングドレスを着てくるため、その雰囲気に合わせるためにウエディングドレスも自ずと肩や腕を出すセクシーなものになっていったわけです。」
桂「もともと海外は、ウエディングドレスをレンタルするという考えがありません。母親は自分が着たウエディングドレスを娘にも着させたいと言いますが、流行が変わるためほとんど着ない。グレース王妃もお嬢さんに着てもらいたいと話されていましたが、現実には着なかったわけです。つまり一度だけ着て、その後はクローゼットに眠ったまま。その点、パンツスタイルやセクシーなドレスであれば、結婚式以外でもビジネスシーンやパーティなどに着ていくことができます。そこにも、こうしたスタイルの流行の理由があると思います。」
――伝統も大切との思いから、これまでに結婚式で使われていた各国の民族衣装もコレクションしているそうですが。
桂「私が59年前にパリで勉強していた時は、民族服の婚礼衣裳がヨーロッパ各国にありました。一方で、パリやロンドンでは白いドレスが人気になってきました。間も無く白が増えるなと思った1 つの理由として、民族服の婚礼衣裳は手織り、手刺繍で重たいものが多いのに対し、ウエディングドレスなら軽いためダンスなどに適しているわけです。民族服の今後がどうなるのかという危惧もあり、現地で購入していきました。留学時に母が200万円(現在の価値で4000万円前後)を渡してくれたのですが、民族服を買うのに使ってしまい、帰国時には残りがなかったほどです(笑)。その後も順次買い足していき、現在は30着を保有しています。当時結婚式では普通に民族服を着ていたわけですが、今となっては貴重なコレクションです。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月11日号)

