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キーマンに聞く

連載⑤~あなたの会社は大丈夫?デジタルクライシス対策術〜採用候補者のリファレンスチェックを〜(SIEMPLE 主任コンサルタント 桑江令氏)
◆「バイトテロ」で顕在化した新たなリスク
昨年始めに世間を賑わせた“バイトテロ”を覚えていることだろう。飲食店やコンビニ、カラオケ店などで働いているアルバイトの学生が、勤務中の“悪ふざけ”をスマホで動画を撮影し、SNSでアップしてしまった事件だ。その“悪ふざけ”の内容というのが料理を床にこすりつけたり、食材をゴミ箱に一度捨ててそれを拾って調理したりと、不衛生で思わず顔をしかめてしまうようなものだった。
この事件はネットだけでなく多くのテレビや新聞でも取り上げられ、とある飲食店は全店休業の上で社員研修を行うなどの対応に迫られた結果、億単位の売上損失を出していた。こうして、企業にとっては看過できない経営リスクとして認識されたのだ。
◆企業は従業員のプライベートまで管理できない
元々こうした行為自体は、例えば2013年に起きた事件(コンビニ従業員がアイスの販売ケースの中で寝転がった写真がTwitterで拡散された)のように、これまでにも度々起こっており、当時は“バカッター”と呼ばれて騒がれた。他にもSNSのプライベートアカウントで無免許運転や飲酒運転をしたことを投稿してしまい勤務先の企業に飛び火したり、自身が勤務するお店に来店した芸能人の情報を投稿してしまい、様々な形で表面化したことも。こうした事例が発生した際にも企業は再発防止に取り組んでいたはずだった。にも関わらず数年の時を経てまたもや起きてしまったのは何故だろうか。
こうしたバイトテロをどうすれば止められるのか。昨年、NHKの討論番組に出演したのだが、その際に話したのは「企業側の管理には限界がある」という事実。本来の“テロ”の言葉のように、何らかの主張、企業側への不満などへの告発といった意味で行われている行動であれば、従業員のロイヤリティを高めたり、従業員満足度を上げたりといった対策が取れるだろう。
しかし昨年の“バイトテロ”の犯人たちは、主張も無ければ悪気もなかった。ただの内輪ウケを狙った遊びでしかなく、自身の行いが自身の働く店舗や、会社自体に影響を与えるなどとは一切考えていなかったのだ。そうなってくると、社内研修や社内規定で管理するにも限界がある。
例えば大手飲食チェーンが取り入れているような、勤務中に自分の携帯電話を持ち込ませないようにすれば、少なくとも勤務中のリスクは減るように思えるが、休憩時間まで携帯電話を禁止する、というのも難しい。実際、昨年起きた事件では、休憩室での休憩中の動画が元となったものもある。もちろん何も対策をしないよりはリスクを軽減できるが、ゼロにはならない。それは、昨年の“バイトテロ”に巻き込まれた企業のほとんどが大手企業であり、過去の“バカッター事件”を受け社員教育などもしっかりしていたにも関わらず起きてしまったことからも明らかだろう。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月21日号)

