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MAは2月以降に増加の予測【イロドリ 代表取締役 千々木綾氏】

MAは2月以降に増加の予測【イロドリ 代表取締役 千々木綾氏】

 緊急事態宣言期間だけでなく、3月以降の結婚式中止の問合せも増加している。施行繁忙シーズンの売上が喪失すれば、資金的に困窮する企業・施設が増える可能性も否めない。そこで注目されるのが事業売却だ。MAというとネガティブな印象を持つ経営者も多いが、企業存続のためのリストラの一環という考えをもとに、積極的な判断も必要。ブライダル専門のMAを手掛けるイロドリ(東京都新宿区)の千々木綾社長に、経営者が持つべき考え方を聞いた。

関連業者は早い決断を

―― 1月8日からの緊急事態宣言再発令以降、MAに関する問合せ数は変化していますか。

千々木「2020年末にかけては、売却を検討する企業からの問合せが増加してきました。その時点で多かったのは、地方主要都市のブライダル事業者で、多くの場合、コロナ禍の影響を受ける前から売上が下降傾向にあったケースです。そのため、コロナによる先行き不安を直接の要因とした問合せ数はまだ少ない状況です。また、ブライダルがメイン事業ではない事業者が、本業の回復を優先的に資金投下する必要性から、サブ事業としてのブライダル事業の早期切り離しを希望するケースもあります。もっとも、緊急事態宣言再発令を受けての問合せは、まだそれほど多くありません。MAについては、アクションを起こすタイミングが、先々の予約キャンセルや来館数の減少が具体的に数字として現れるまでの時間的なズレがあるため、今後については、2月以降に増加することが見込まれます。」

 

――MAというと、どうしても否定的にとらえられがちですが、検討する上でどのような意識を持つべきでしょうか。

千々木「MAは、事業継続の最善策のひとつであり、買手は救世主となるわけです。従業員、委託業者、顧客にとって、安心できて先の見える状況を創出するものですから、通常、現オーナーは感謝こそされ否定される要素はあまりないものです。ブライダル業界においても、MAの事例も増えていますので、今後は1 つの戦略としてとらえられていくはずです。」

 

――会場、パートナー企業それぞれで、その考え方も変わってくると考えられますが。

千々木「現在は、会場のMAが最も多い状況です。会場は売上見込みがシンプルであることから、譲渡の際の値付けもわかり易い傾向にあります。それに対して、パートナー企業の多くは保有資産もそれほど多くないため、人材、ネットワーク、信頼が事業価値になります。ただ、財務的な債務が積み上がることによって、事業価値と債務返済のバランスがとれなくなってしまいますので、1日でも早い段階での案件化が、いい買手候補を確保するための最善策と言えます。また、タイミングが遅くなるほど、優秀な人材が去って行くことになるので、その意味でもタイミングは早ければ早い程有効です。譲渡に関しては、まず譲渡の可能性を実際に検討し始めることが大事だと言えます。検討してみて、譲渡の意味を感じられなければ検討を終了するだけですので、選択肢を増やすという意味で何もしないよりは有効になります。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月1日号)