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キーマンに聞く

Jリーグチームに資本参加【小野写真館 代表取締役 小野哲人氏】
1976年創業の小野写真館(茨城県ひたちなか市)。2006年にはブライダル事業をスタートし、結婚式場の【アンシャンテ】をオープンしたほか、プロデュース事業もスタート。2012年に【カジュアルフォトスタジオCocoa つくば店】出店以降は、千葉、東京、神奈川にスタジオを相次いで展開している。小野哲人社長は、「ブライダル事業者ではなく、感動体験を創出する企業」と語っており、そのためには地域密着による様々な機会での利用を促進していくことが重要だとする。その一つが、Jリーグチームへの資本参加を始めとした、スポーツチームへのスポンサードだ。そこにある想いを探っていく。
――地元のJリーグチームのスポンサードをしているだけでなく、出資をして社外取締役にもなっているそうですね。
小野「茨城と言えば、J 1 の鹿島アントラーズが有名ですが、当社は5 年前からJ 2 の水戸ホーリーホックに出資をしています。ホーリーホックは親会社のない地域の市民クラブであり、株式保有率はトップのところでも5 %に満たない。当社は、上位5 番目に名を連ねています。たまたま今の社長が高校の同級生だったため、その縁もあって出資を決めました。取締役会に参加するのも、40代、50代の地元で企業を成長させてきたメンバーばかり。J 2 の平均事業規模は17億円である中、ホーリーホックはわずか11億円。私が取締役になった時は、6 億円程度でした。つまり資金のない状態で、きちんと運営をしなければ会社はもたないわけです。そうした背景を考えると、1 店舗から家業を継いで、マーケットを拡大してきた当社とも似ている立場。言ってみればベンチャー魂で、大きなところと戦っていくという部分は共感も持てました。予算規模もない中でどうやってJ 1 を狙うのか、選手人件費も限られているからこそ、経営者の知見を活かせると経営参画しました。」
――スポーツチームへの支援は、小野写真館の理念にも共通している部分があります。
小野「当社はウエディング、フォト事業を展開していますが、結婚式の事業者という立ち位置ではなく、感動体験を軸にそれを創出する企業と考えています。その面で、スポーツはまさに多くの人に感動体験を与えるもの。だからこそ賛同をして、株主、スポンサー、社外取締役としてサポートしています。サッカー以外でも、バスケットB.LEAGUE・B 1 の茨城ロボッツ、また野球の独立リーグの茨城アストロプラネッツのスポンサーにもなっています。地域のスポーツチームに対するスポンサー活動をすることで、当社の認知を広め、感動体験を共有し、地域を盛り上げていきます。」
小野「また野球の場合は、選手の写真撮影も担当しており、バスケについてはアンダー15を支援しています。ただお金を出すだけでなく、もともと女性の多い企業だけに、子ども世代を応援するという意義もあります。水戸ホーリーホックは、SNSのフォロワーだけで7 万人いますから、SNSの力を活かすということもできます。Jリーグでもサンクスマッチとして1 試合を主催し、事前に募集をしてスタジアムウエディングを試合当日に実施。毎年行っていますが、小野写真館はスポーツに対して積極的な取り組みをしているという認知も広まっています。」
――フォトスタジオの展開により、展開するエリアも拡大してきました。そうした状況で、地域密着の取り組みはいかがでしょうか。
小野「地元は茨城ですから、コロナ前までは例えば大子町にある江戸時代から続く茅葺屋根の建物で、清掃活動のボランティアを実施していました。新卒研修の一環として。現在は拠点も千葉、東京、__神奈川と広がっています。式場、写真スタジオにおいて、小学校、中学校向けの職場体験の受け入れは行っています。10人程度の生徒が来て、ウエディングの仕事を知ってもらう活動として捉えています。今後は各エリアにおいても、話をもらえればどんどん参加をしたいと考えています。」
――地方会場ならではの強みに関しては、どのように考えていますか。
小野「一つは、地域企業と勉強会などを通じて幅広いコミュニケーションを取っています。田舎ならではのコミュニティがあり、そこで活躍している経営者とは自然と知り合いになっていきます。その繋がりを通じて、先日もある経営者から300人の結婚式のプロデュースを依頼されました。例えば赤ちゃんが生まれた際に、スタジオを紹介してもらうことも多いですね。また中小企業のトップ同士の親交によって、何かを始める時に決断も早いと言えます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月11日号)

