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Innovation〔顧客データベース化の発想〕③プロモーション&マーケティングリサーチ【高光産業 代表取締役社長 妹尾八郎氏】

Innovation〔顧客データベース化の発想〕③プロモーション&マーケティングリサーチ【高光産業 代表取締役社長 妹尾八郎氏】

 前号まで2回にわたって、ブライダル業界における顧客データベースの収集・活用、データの資産化による新たなビジネスチャンスの可能性を紹介してきた集中連載。最終回となる今回のテーマは、高光産業(福岡県博多区)の妹尾八郎社長が構築しているラジオ番組の企画を活用することにより、ブライダル企業において可能となるプロモーション&マーケティングリサーチの併用だ。ネットビジネスの最大のメリットは、情報発信以上にデータ収集にあるとの考えでビジネスモデル特許を取得してきた妹尾氏。この仕組みを活かしたのがラジオのプレゼント企画であり、精度の高いマーケティングリサーチを実現している。今号では、宣伝しながら情報を収集する一挙両得の対応を紹介していく。

データベースは60万人

妹尾氏は現在、FM TOKYOの子会社である音楽番組【ミュージックバード】を通じた、マーケティングリサーチの仕組みも構築している。同社は音楽コンテンツの番組を制作して配信、それを全国300のコミュニティ放送局に卸している。その中の一つの番組が、妹尾氏の特許を活用している【プレジデントステーション】だ。

「例えば地方のコミュニティ局では、誰が聞いているのかもなかなか把握できないため、スポンサーを獲得できないという課題を抱えていました。そこで、私の特許をプレジデントステーションの番組が活用することで、スポンサーに対してもどこの誰が何を欲しているのかを明らかにすることが出来ています。この企画の基盤になっているのは視聴者のデータベースの収集であり、プレゼント企画の活用によって顕在化させています。」(妹尾氏)

これまでのラジオ業界でもなかった試みであり、新たなプロモーション・マーケティング手法として注目されている。ブライダル企業においても、マーケティングリサーチの戦術として様々な可能性が考えられる。その仕組みはこうだ。

「視聴者のデータベースを収集することを目的に、プレジデントステーションでは一日に何度もプレゼント告知を流しています。それを聞いた人をラジオからwebに誘導して、個人データを登録してもらいアンケートを実施。これまでに登録している人だけでも、データベースは60万人に達しています。データベースを活用してアンケート収集することで、スポンサーにとっても宣伝として考えるだけではなく、プレゼント企画を通じてマーケティングリサーチが出来ることが大きなメリットになっています。プレゼント応募の条件としてアンケートを設定することにより、多くの回答が集まって重要なマーケティング資料となります。」(妹尾)

プレゼント企画の応募については、地域や年齢、属性などのセグメントも設定できる。ブライダル企業であれば、未婚独身女性、20~30歳代、自社の展開しているエリアのみといった設定も可能だ。また、プレゼントについても、高額なものである必要はない。一人に対して5000円程度のクオカードといった内容であっても、大量の応募が集まってくるからだ。

「以前、食品メーカー向けのプレゼント企画で、朝食の実態に関するアンケートを実施しました。わずか1 週間でしたが、サンプル数は約5000件に達し、20代、30代だけで2200件集まりました。」(妹尾氏)

 

ブライダルでも活用の道

もちろん、ラジオ番組での配信というプロモーション効果もあるが、プレゼント企画を実施する企業はそれ以上に収集できるデータを最も重視している。通常マーケティングリサーチ会社を活用した場合、1000サンプルのデータ収集で50万円前後、分析レポートは別途になる。一方でこのプレゼント企画は、少額のプレゼントのほかには、一般よりも格安の料金で実施できるのが特徴だ。また、専門会社のアンケートと決定的に違うのが、回答結果の精度である。

「リサーチ会社では通常、回答をしてくれる会員を事前に確保しておくことが一般的です。10回回答してくれればポイントを付与するなどの対応をとっているのですが、これにより回答者そのものがプロ化していきます。企業としては本来望むべき一般のリアルな声と乖離してしまうことも多々あります。対してプレゼント企画に応募してくる人はあくまでも番組の視聴者であり、一般の消費者です。実際にこの企画を実施する企業は、その精度に対して驚くこともあります。」(妹尾氏)

ブライダル会場においても、マーケティングリサーチは重要であり、専門会社に依頼しているケースもある。例えばエリアの未婚女性に向けて、どのような結婚式スタイルに憧れを持っているのか、結婚式に対するイメージなどもリサーチしている。その際によりリアルな消費者目線が求められるため、一般の声が重要だ。また、この仕組みを活用することで、アンケート設定から最短で3 営業日での回答を収集できるスピードもポイントになっている。

「地方のテレビやラジオ番組などを使ったプロモーションを実施しているホテルや会場もあります。もちろんこれも一つの方法ですが、大切なのはきちんとデータとして収集し、見える化すること。これからはプロモーションとマーケティングリサーチを併用することで、両側面からの効果測定が可能になっていきます。」(妹尾氏)

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月21日号)