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キーマンに聞く

4社共同で新しい町づくり【鳥善 代表取締役社長 伊達善隆氏】

4社共同で新しい町づくり【鳥善 代表取締役社長 伊達善隆氏】

 日本全体で社会問題化している空き家・空きビル。特に空き家については年々増加し、2019年には総戸数の13%超となっている。こうした物件をリノベーションし、魅力的な町づくりを提案するプロジェクトが、リノベーションスクールだ。これまでは個人が加盟していたが、全国で初めて企業主体となった浜松市のプロジェクトに参加したのが鳥善(静岡県浜松市)の伊達善隆社長。このアウトプットとして、スズキ、鈴三材木店、丸八不動産、鳥善4社共同で、【移動販売車】と【街の社員食堂】を組み合わせた新しい町づくりプランをまとめた。地域活性化、他業種企業との連携について、伊達社長にその思いを聞いた。

単なる持ち帰りではなく
――リノベーションスクールに参加した経緯とは。
伊達「本来は個人が参加するのですが、浜松では企業が参加するプロジェクトとして全国で初めて開催されました。個人の場合は3日間でチームを作りアウトプットするという仕組みの一方、法人対象は半年かけて学びプロジェクト化を進めていきます。浜松市としても、空き地が増えているなどの問題を抱えており、何とかしたいという思いも強く、情熱ある人を探して参加を呼び掛けていました。その経緯で参加を打診され、それならばやってみようと。当社のミッションの1つが、施設を通じて町の価値を上げることで、これまでにも専門学校の授業を当社のスタッフが担当するなど地域貢献を進めてきましたから自然の流れともいえます。昨年9月に第1回が開催され、浜松拠点の会社が24社集まりました。」

――自動車メーカーのスズキ、天竜材を扱う鈴三材木店、地元の丸八不動産、そして鳥善の4社が集まってプロジェクトを進めていきました。
伊達「スクールの初期段階はマッチングなのですが、自然と集まったのがこの4社です。初めはどういった事業をするかは手さぐりでしたが、お互い興味のある分野を話し合いながらコラボレーションの形で進めました。何よりも、それぞれの目線が合いそうだということが大事で、その上でお互いのリソースを生かせるやりたいことを話していきました。」

――そうして生まれたのが、【Hack Hamamatsu 街はつくれる】をコンセプトにした、【移動販売車】と【街の食堂】を組み合わせた町づくりです。
伊達「移動販売車に関しては、過疎地に商品を運べる業態として期待もされています。ところが流行っているのは人口密集地ばかり。ニーズがないと成り立たないため、本来必要とされる地方ではまだまだ少ないのが実情です。可能性をまだまだ生かし切れていないという課題があります。一方、浜松駅から遠州鉄道で1つ先の駅に高架下のスペースがあり、人通りは多いけれど整備がうまくいってないため、浜松市としても何とかしたいと。人が行き来する中に固定的建物を建てられないといった制約があるなかで、移動販売車なら期間限定での出店が可能になります。さらにそこで出た利益を、整備に回すこともできますから。つまり公共空間をハックするという意味で、プロジェクトを立ち上げて、話し合いをしていきました。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月1日号)